「ドキドキする。あと天の川に色は付けんでくれ、不純だ。」君は放課後インソムニア マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキドキする。あと天の川に色は付けんでくれ、不純だ。
たまたまアニメの初回を見た。面白かったのでその後2~3回見た頃に実写映画化されたのを知った。映画は絶対見ようと思ってアニメを最終回まで見るつもりが結局その後は一回も見ないで終わってしまった。
追記:きのう(7/3(月)24時)アニメ最終回を見た。ラッキー。先週終わってしまったと思っていた。危うく寝てしまうとこだった。
森七菜はホントにマガリそのもの。ソックリで驚いた。
夜眠れなくて、昼間は眠いし頭イタくて不機嫌という同じ悩みの2人が出会い、天文台を秘密基地(寝床)に使っていい代わりに天文部を作ることになる。もう青春ラブストーリーそのものだ。2人の距離が少しづつ近付いていくところがよい。
夜家をこっそり抜け出して散歩中、警官に見つからないように隠れてドキドキする場面がいい。曲が中見の背中に顔をつけて、中見のドキドキと自分のドキドキを聞く。もちろん映画見てるこっちもドキドキ。
「おい中見、警官から隠れることに気を取られて気が付かなかったみたいだけど、彼女いない男子高校生にとって結構オイシイ状況だったぞ」。
この時はまだ曲の心臓の病気の話は出てないし、アニメでは曲は水泳部と兼任の元気娘だ。僕もアニメは3回しか見てないから、曲の心臓の病気の話は映画で初めて知った。だけど今思うと曲が聞く心臓のドキドキは命のドキドキそのものだ。
そのあと星空観望会が雨で流れて中見は落ち込む。そんな中見を曲が励まし慰める場面がある。さっきと同じ場所だったかもしれない。曲は自分の病気のことと眠れない理由を打ち明け中見の顔を自分の胸に抱き寄せる。もちろん3人ともドキドキだ。(3人:曲、中見、ボク)
「オ~ィ中見ぃ~、うらやましいぞぉ」
「不純だ」 by 白丸先輩。
合宿に曲の両親が迎えに来た時、曲が体調をくずす。検査で入院の可能性もでる。曲の両親が中見を非難して怒るのは当然なのだが、僕は少しよく分からなかった。
曲の病状が悪化したのは中見のせいではないし、曲のせいでも姉のせいでもない。一晩中起きているのは毎日のことだし、遺跡への行き帰りもバスだからたくさん歩いたわけではない。薬を飲まなかったわけでもない。
僕が曲と中見の二人の立場(高校生の立場)なら、親たちの言ってることなんて、うるせえだけだ。それと同時に曲的には、「うるさいけど親は自分を心配してくれてるんだからな」とは思う。
僕が親の立場だったら「合宿なんか行ったからこうなったんだ」と言いたくなる。病状が悪化したのは合宿行ったのと関係ないと頭では分かっていてもだ。親も聖人君子じゃないし万能ではない。
観客の立場としては、なんかよく分からない展開だと思った。曲の両親の「大変なことになったらどうするんだ?」の「大変なこと」が分からなかった。 「不純」なことして妊娠でもしたら大変なのか、それとも「不純」なことすると心臓がバクバクしちゃって病状が悪化するかもしれなくて大変なのか?よく分からなかった。僕は娘がいないけど、よくテレビで娘を持った芸能人(男)が「俺の娘に近付くヤロウ(害虫)はコロス」なんて言ってるのと同じなのだろうか? 中見君に責任はないと思うけど近付いてほしくないのだろう
それから、せっかく天文部設定なんだから美しい星空をもっといっぱい見たかった。映画館のスクリーンに映し出される星空は原作漫画の星空とはまた違ったものになるだろう。
あと、ナントカ遺跡の色付きの天の川はガッカリ。色付きの天の川なんて肉眼で見れるわけなく、一瞬白い雲かなって思ってから、ああ、天の川かってなるのがパターン。
エンドロール後のオマケ映像が良かった。
その後、曲と中見がどうなるか気になったが、オマケ映像で、「ついでに中見も」。「ついでってなんだよ」とか言ってじゃれあって幸せいっぱいの2人を見てホッとした。こちらも幸せな気分になった。
アニメの実写化は駆け足で飛ばしちゃうから同じ2人でドラマ化してほしいものだ。