「キャスティングが最高。原作未完の段階なので、コレで精一杯かな」君は放課後インソムニア スキピオさんの映画レビュー(感想・評価)
キャスティングが最高。原作未完の段階なので、コレで精一杯かな
お気に入りの漫画でアニメも放映中ですね。原作大好きなので、ひいき目もありますが、この手の実写化作品のなかでは、良い出来ではないか、と。
まずキャスティングですね。原作者も本人も言っていますが、ヒロインの曲 伊咲と演じる森七菜は、あまりにピッタリです。当て書きだったの?と思うぐらいですね〜。
伊咲以外もほぼ原作のイメージ通りです。ののさん、白丸先輩もバッチリでしたね〜。
映像も素晴らしい。七尾はなかなか遠くて行けていないのですが、聖地巡礼している気分でした。真脇遺跡が思った以上に大きかった〜。
パンフレットにもありましたが、能登って曇りがちなんですね。そんな空気感もよく出ていて、この作品全体に流れるモヤモヤ感が映像で表現されている。
好きなシーンは雨で中止になった観測会の後、伊咲が中見の自分の病気のことを告白するシーン。漫画では伝えづらい、コマとコマの間にある時間的な「間」がヒロインの演技と、ワンカットで徐々に寄るカメラワークで、臨場感たっぷりに味わえました。
原作をしっかりやりながらも、映画としての解釈も随所に入っていて、面白い。ひとつは伊咲と中見の陰影をハッキリつけた。やや説明調なのは残念でしたが、2人の周囲と馴染めない違和感の原因もハッキリ示す。映画のなかで言いたいことはキチンと伝わりますね。
と、ここまでベタ褒めなのですが、なんかモヤモヤ引っかかるのは、、、
1つは仕方ないのですが、原作が完結していない。なので、まだ2人の終着点が見えないなかで、キャラ付けやエピソードの選び方も、ふわっと置いてる感じが残ってしまっているのかな〜。
もう1つも好き嫌い、ですが。もっと同級生との絡みが見たかった、のかな。どうも、この手の「病気のヒロインもの」って、それを心配する大人たちとの絡みが多くなりがち。漫画の分量ではソレもありなんですが、ね〜。「四月は君の嘘」の実写版ぐらいスパッと本人たちの物語で良かったかな〜。