「唐突に天の川」君は放課後インソムニア uzさんの映画レビュー(感想・評価)
唐突に天の川
アニメ8話まで、原作は4巻までの状態で鑑賞。
そちらでは「早よくっつけ」と思ってたが、本作では性急に感じた。
尺の面で薄味駆け足になる点と、2人が一緒に眠るシーンが少なかったのが原因かな。
(原作ではその“理屈ではない安心”が、距離感の説得力になっていた)
また、灰田と担任以外の主要キャラは出ていたが、活かしきれていない。
見た目の雰囲気を拾いつつ、仕草や声音までも全員めちゃくちゃハマってたから一人も削ってほしくはない。
(特に野々さんの雰囲気そのままに実在感を与えてるのは凄かった)
その上で敢えて言うと、例えば白丸先輩の役割を先生にまとめて、そのぶん掘り下げに回す、などの方が一本の作品としてはよかったと思う。
森七菜は『最初の晩餐』で小学生を見事に演じていて驚いたが、今回も一挙手一投足が上手すぎる。
自然すぎて、ともすれば引っ掛かりがないくらいに“当たり前の伊咲”でした。
奥平大兼も評価は高いようですが、彼だけ演技っぽさが強く、少し浮いていた。
ハイライトであるはずの真脇遺跡で、いきなり夜になった上に合成丸出しの天の川はガックリ。
その他も各シーンはよいものの、画作りの統一感がないようにも感じた。
(原作がそうなのかもだけど)役目を放棄した長女を差し置いて中見親子を糾弾するのも違和感。
再入院直前でエンドロールに入ったものの、その背景でアッサリ退院、締め方もぶつ切りでスッキリしない。
花火大会や臨海学校、猫、コメディ要素など散々削ってこれなのだから、2時間ではそもそも無理だったと思う。
コメントありがとうございます。受川がどうしてあんなに空気になってしまったのか…。中見の不眠症を理解してくれてた数少ない人物なのにあの扱いはもったいなかったですね。
先輩と先生の役割も確かに中途半端でしたね。先生に全振りした方がまだ物語的には締まっていたのかなというのが観終わってからどうしても思ってしまいましたね。