「森七菜の魅力炸裂!快眠できる幸せな余韻!」君は放課後インソムニア わたろーさんの映画レビュー(感想・評価)
森七菜の魅力炸裂!快眠できる幸せな余韻!
これは森七菜と奥平大兼をツモった時点で役満勝ち確でしたね。あっぱれでした。
一挙手一投足森七菜の魅力全開でした。特に彼女が凄いと思ってるのは、「肩と口元を使った受けの演技」と「独特なステップで歩き(走り)出す演技」なのですが、今作はどちらも堪能できました…
奥平大兼もデビューで鮮烈と言われてた「MOTHER」ではピンときてなかったけど、今作は上手かったと思います。唇半開きがこんなに合うとは…
やさぐれ工藤遥も、やさぐれ萩原みのりも、冴えない萩原聖人も、フワフワMEGUMIも、ボディーを透明にしないでんでんも、脇のキャストにも恵まれていたと思います。キャスティングが見事。
アニメ版も見ているので、インソムニアの設定も生かした上でここまでで一番盛り上がってたと言ってもいい林間学校の花火のシーンがまさかカットされるとは…と思ったけど、セカイ系とは言わないまでも“二人だけ”の物語だと強調したのは良かったのかなと思いました。その分クラスメイトは完全にモブだし、周りも基本的には良い人しか出てこないから…というのもちょっと思った。
あと、この作品のトーンで押すんだったら、奥平大兼と萩原聖人の大声で思いを伝え合うシーンはいらなかったかなあという完全に好みの問題。それこそ向こうの家族と退治しているときにその話を一緒に解決させることで、怒鳴らせない展開を作り出せたんじゃないかなぁと思いました。
あと、CGはいくらなんでもです。
原作もそうなんだと思うけど、LINE通話じゃなくラジオという一方的に話しかける体裁を取っているのも良い。その自分の呟きだけのラジオすら必要としている人がいる。なんなら入院中でもその形なら双方向でなくても二人のコミュニケーションがとれる。ポスターの「ひとりじゃない」にも繋がってくる良い演出だなと思いました。
エンドロールに写真を並べたのも、ラストカットの〆も良かった。後半インソムニア設定はもはやどうでも良くなってるけど、インソムニアを克服するのではなく付き合っていくことを暗に示しているのも、短所を長所にじゃないけど、誠実な描き方だと思いました。