「あれ、なんでこの場にいないの?」君は放課後インソムニア ブレアードさんの映画レビュー(感想・評価)
あれ、なんでこの場にいないの?
アニメが放送中の時期にあえて劇場版の実写を公開するのはなぜなのだろう、
と疑問を抱きつつ上映初日の初回で見てきました。原作は読んでいません。
アニメは非常に評判がいいようで、わたしも毎週楽しみにしてます。
上映中も、「あ、ここでアニメの最新話まで話が進んだな」などと思いながら見てました。
で、一か所だけ納得できない箇所があるのでそれを書きます。
二人が天文部の撮影合宿に出かけ、伊咲の親からの許可条件として姉同伴となるわけですが、この姉が彼氏との旅行のため「親には言うな」と言葉を残し二人を置き去りにして消えます。
で、それがばれたと姉から伊咲に連絡が入り、親が連れ戻しに来ることになり、その前に丸太は伊咲に「自分にさらわれてほしい」と言い、連れ出し撮影に向かう。
合宿を終え帰宅直前に伊咲の体調が悪化。責任を感じた丸太と父親は伊咲の家に謝罪に訪れる。まあ、ここまでは当然の流れなんだけどなぜかこの謝罪の場に許可条件とされていたのに途中でとんずらした姉が同席してないんですよね。
どう考えても不自然だと思います。姉は伊咲を親から託されたわけだし、妹の体調不良に関して第一に責任を感じて謝るべき人間だと思います。そのための付き添いですから。その役割を放棄し口止めまでして、家族から託された妹を置いて彼氏との旅行に行ったことがばれてるのだから、呼び戻されてそこに同席しているのが自然でしょう。原作がそうなってる(姉はその場にはいないのだ)と言われればそれまでですが、私にはとうてい納得できない展開でした。
「伊咲が自分以外に唯一自分の心臓のことを話した相手(丸太のことです)を信頼して任せた(これは明確にバトンタッチという言葉としぐさによって描かれています)のになんでこんなことになるの!」と丸太を罵るもよし、「彼氏との旅行になんか行かずに自分が最後までついててあげればよかった…」と自分の行動を悔いて泣き叫ぶもよし、伊咲に泣いて謝るもよし、どんな演出にするかの選択肢はいくつかありどれを選ぶかは自由だとは思いますが、この場に姉がいないのは一番あり得ない選択かつ演出であまりにも不自然だと思います。
追記
けっきょく原作の漫画を電子書籍で全巻購入し、読みました。そしたらなんと、原作では伊咲は合宿の時には体調不良を起こしていませんでした。伊咲は親に連れ戻されますが、その時に走り出す車のドアを無理やり開けて、丸太に駆け寄り「私を連れ出したこと、後悔しないで」との言葉を残します。つまり問題は親の迎えを待たずに二人きりで合宿を続けたという点だけだったのでした。ここの伊咲の体調不良という原作改編も、余計な演出だよなあ、要らないよなあ、と思います。逆に体調不良はともかく伊咲の「後悔しないで」の言葉は入れるべきだよなあ、と思いました。なお原作でも、姉は謝罪の場には同席していませんでした。となると、原作にはない伊咲の体調不良を入れておきながら親から伊咲を託された姉が丸太の謝罪の場にいないのはますます不自然なんじゃないか?との思いを強くしました。
コメントありがとうございます。
アニメは未視聴ですが、ソフト女子役の安斉星来さん、アニメに合ってたんですね。
それと、中見親子と桜井先生が謝罪に曲家を訪れてるときに、姉ちゃんが不在なのはやはり変ですよね。
その前にこっぴどく叱られたとしても。
なるほどです。ごもっともです。確かに自分もちょっと気になりましたが。f^_^;
たぶん、他のシーンが本当に良い出来だったので、唯一、そこが心残りだと思っちゃうんではないでしょうか。^ ^
ほんと主役の二人は文句なし過去一のハマり役と言って良いんじゃないでしょうか。同級生の女子3人も良かったし、お姉ちゃんも良かったですよね。でんでんさん、桜井先生、萩原先輩に田畑さん、最強です!
ブレアードさん、コメントありがとうございます。
こちらこそ、レビューアップ後に似たようなご意見の方をお見かけしてうれしかったです。私は、姉は妹のことを理解しているように見えたので、中見を罵るというより、中見や伊咲のフォローをしてもいいんじゃないかと思って観ていました。いずれにせよ、姉があの場にいないのはおかしいし、伊咲の両親が一方的に中見親子を責めるのも釈然としない思いで観ていました。まあ、親の気持ちとしては十分に理解できるんですけどね。