カモン カモンのレビュー・感想・評価
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大人子供
久々にホアキン・フェニックスが観れるなーと思い鑑賞。
うーん説教くさい作品だなと思いました。娯楽というよりかは監督の言いたいことを役者に乗せて伝えてガミガミ言われているようでした。
ジェシーの妙に大人びて冷静に物事を見れる…と言うと聞こえはいいですが、やけに大人を煽ったり茶化したりしていますし、急に元の年齢以下の駄々をこねたり叫んだりする様子が受け付けられませんでした。自分自身過去実習などでジェシーくらいの年齢の子の我儘っぷりに翻弄されて子供にあまり耐性のない人間なのでトラウマになったいたものを思い出してしまいました。その二面性を使い分けるウッディ・ノーマンは凄いなと思いました。
まぁそれ抜きにしても映画としての魅力を感じない作品でした。叔父と甥っ子の日常風景を何の変化もなく見せられてもふーんって感想しか出てこないくらい成長が感じられなかったです。所々に監督流の子供との向き合い方を押し付けられていてとてもむず痒かったです。ジェシーを甘やかしすぎて今後モンスターになる可能性も否定できないので、監督とそもそも子供という生き物との関わり方が全くを持って違うんだなと思いました。
エンドロール中もずっとインタビューが流れていますが、キャスト陣も流れながら字幕も出てと脳に送られる情報が多すぎてややパンクしました。あと変化の無さすぎさとシアターの椅子の気持ちよさに5分ほど寝ました。申し訳ない。
鑑賞日 4/26
鑑賞時間 13:50〜15:50
座席 F-3
子どもと大人、自分の中に存在する2人
とにかくウディ・ノーマンくんがすごい!という話を聞き、本日鑑賞。
ホアキン・フェニックスも大好きなのでワクワクして観に行きました。
ホアキンさんがきちんと演技をしている…と感じるほど、ウディくんが終始自然体で、本当に素晴らしい役者さんでした。
もちろんホアキンフェニックスも最高。
というか、話が進むにつれてどんどん伯父さんの顔になっていく。
2人のタッグは奇跡だなあと感じました…!
ウディくん演じるジェシーが不器用なりに甘える姿、
言葉が追いつかない故に上手く表せない不安な気持ち、
子どもの頃に感じていたことが映像となって帰ってきた気がしました。
最近心理学に触れる機会があり、生まれ持った性質はあれど幼少期の養育環境というものがどんなにその人の人生に影響を与えるかを実感したところだったので、ジェシーと真剣に向き合う大人たちの姿に心を打たれました。
母親は、社会の上手くいっていない部分を全て背負わされてしまう。
これも今の世界に共通する問題だと思います。
複雑で、全ての人間には伝わらないかもしれませんが
この作品はとても分かりやすく観客に伝えてくれます。
大人になった今、不安ばかり抱えている私にとって
"起こりそうだと思ったことは起こらない、思いもよらないことが起こるのだから先へ進むしかない"という言葉は
いつからか立ち止まってしまっていた足を一歩踏み出させてくれるものだと感じました。
ジョニーは大人を、ジェシーは子どもをそれぞれ体現したような人物像で、お互いを全て理解することはできないけれど相手を尊重する気持ちを持って接すれば、歩み寄ることはできる。
観ていた私自身も、まだ子どものままの自分と、大人になった自分の2人がこの映画を観ていた気がします。
正直なところマイク・ミルズ監督の『21センチュリーウーマン』が自分には少し難しく感じていたのですが
本作は子どもたちのインタビューや既存の文章の一部を引用することで、とてもシンプルでわかりやすく心にスッと入ってくるような作品でした。
やさしい映像に、マスクがびたびたになる程涙が出てしまったので替えのマスクを用意することをおすすめします🙇♀️笑
今年観た映画では、友人達に1番勧めたい映画です!
POST SNS、と言うか、Anti SNS、って言うか。
ウッディ・ノーマン君、すご過ぎです。えぇぇ?君は何者?って問い詰めたくなるくらいの名優です。イヤ、マジで、アカデミー賞の助演男優賞をあげたくなるくらいの芝居ですもん。と、まずは、ほとんどの方が、この少年の演技に息をのむんじゃないかと思うのと。ホアキン・フェニックスのお腹が、元に戻ってるw
これは期待通りの文学作品でした。もしかして、またネトフリ?って思ったら、違ってたw
◆移民の子供たちへのインタビュー。
誤解を恐れずに言うならば、それは、満たされない境遇にあるであろう子供たちの目に映る世界が、シンプルな言葉と、物怖じしない表現によって陰影をつけられたレリーフ(版画)の様なもの。モノクロームの映像は、最低限度の情報=言葉だけしか与えません。
◆各章に与えられたタイトル。
AND BUT でも、AND SOでも無い。起承転結のあるDoramatic Structureな物語りでは無いのだと言う、製作者の意思表示。
◆非日常を印象づける家族の不穏
決して仲が良いとは思えないインテリ兄妹。おそらく社会的なヒエラルキーは、妹が勝ると思われ。妹の夫は精神を病み。甥っ子の耳年増はインテリジェンスな言葉を無邪気に吐き出させる。このちょっと変わった・珍しい・身近にはいなさそうな家族・親族の設定で、特殊性を印象付けます。
◆広大なアメリカ大陸の季節感
凍える都会。温暖な南部。広大なアメリカを意識させる冬と夏の同居。このアメリカの季節感は、NYのストリートの風景や子供たちのインタビューにも見られる、人種の多様化ともつながっている様に見え。
◆孤独と繋がり。拒否と求める心。YESとNO。NOとYES。
繰り返される対比は、哲学者の様に言葉を発する少年と、自我を持たないかの如く描かれる男の絶叫の後、C'monの繰り返しで締められます。大丈夫。私は大丈夫。君は大丈夫。大丈夫、大丈夫。
と言うだけのモノクロ108分。最近、モノクロ映画が多い気がするのは気のせいですか?目的は違うんでしょうけど。この、情報量を削ぎ落とすためのモノクロ表現は好きです。情報で溢れ返っているSNS社会。昨今、POST SNSが始まっている!的な流れを感じたりするんですが。ドライブマイカーしかり。ありゃモノクロじゃないけど。
情報量が少ない物語の流れと、登場人物が交わす言葉をじっくりと噛みしめる、思考時間を与えてくれる映画。
良かった。とっても。
安請け合いから始まる、甥との生活
ラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン)は米国各地で少年少女にインタビューする取材旅行をしています。
冒頭シーンをはじめ、この劇中の各所で挿入される子供たちへのインタビューシーンは、ホアキンが9~14歳の子供たちに実際に取材した「台本なしのドキュメンタリーシーン」で、彼らの「生の声」です。本編とは間接的な意味合いに位置するものですが、これらだけでも十分見応えがあります。「未来はどんなふうになると思う?」「正しい道を進むために、大人は何が出来たと思う?」などの質問に答える彼、彼女たちの考え方や、きちんと現代的にアップデートされた正しさについて、臆せず話し出し明確に言語化できていることに驚かされます。
そして物語は、家族のサポートをきっかけに、お互いを理解し、成長し、そして関係性を深めていくという、多くの人が経験する普遍的なテーマをです。ヒューマンドラマはマイク・ミルズ監督の十八番ですが、今回は幼い少年というキャラクターを置いて「ストレートな言葉と感情」で心を揺さぶられます。
ジョニーはデトロイトでの取材後、「母の介護と死」が理由ですれ違い、音信不通になっていた妹ヴィヴ(ギャビー・ホフマン)に電話をしたことをきっかけに、甥のジェシー(ウッディ・ノーマン)の「子守り」を請け負うことになるのですが、、、
普段から子供と接する仕事をし、彼らの言葉を多く聞く機会がある彼でしたが、徐々にこのことが如何に「安請け合いだった」ことに気づかされます。それは「子守り」が一時的なものだと思っていたところから、それがいつまでのことか見えなくなるにつれ、単なる「子守り」ではなく甥と「生活」をする必要があるということです。しかし、母親が帰らない状況と、その理由がわかるジェシーは、叔父に対して風変りな言動やストレートな物言いをし、ジョニーは見る見るうちに困惑し、疲れ切ります。
また、普段は他者にインタビューをする生業のジョニーなのに、自分は甥のストレートな質問にあれこれと言い訳、言い逃れをしはっきり答えらず、そのことを甥に責められます。しかし終盤、二人の距離が小さくなり、お互い正直な気持ちを大声で叫びあうシーン、カタルシスの絶頂です。
打ち明ければ、私自身、面倒を避けたいためについつい(家族を含む)人との距離を開けるところがあります。それでも過去には母の介護なども経験してきました。
人は守らなければならないものが出来た時、もがき苦しみながらも成長するものです。観ればそれなりに削られる映画ですが、観終われば満たされる気分になれる一本。何かに疲れている方にお薦めです。
よかった
モノクロの意図が何か気になる。物語は流れに任せるような、作為性の低いつくりで、スケッチ的に展開する。特に演技が自然ですごい。しかし、面白いかと言えばあまりそうでもない。ただおじさんが甥っ子の面倒を見て苦労するだけと言えばそれだけだ。
9歳の男の子なのだけど、頭がすごくいいわりに4歳児くらいの精神年齢で、大変な子だ。本人も大変だし、周りもきついタイプだ。アメリカの子どもは赤ん坊のころから一人でベッドで寝るものだと思っていたら、この子はけっこうな甘えん坊で大人と一緒に寝たがる。そのくせ大人を馬鹿にする。ママさんは旦那さんも精神を病んでいて、大変だ。
本とか録音機材とかじゃなくて、キャッチボールやサッカーボールのパスなどで遊んだほうが、言葉じゃない肉体でやりとりできていいと思う。下手は下手なりにできて楽しいし、相手を気遣う面もある。
とても良い映画
私たちが大人になってしまって、遥か彼方に忘れてしまった子どもの頃の"記憶"や"感情"といったものが、この作品のテーマなのかなと思いました(あくまで、個人的な感想です)。
しかし…
主人公ジョニー(ホアンキン・フェニックス演じる叔父)が、甥っ子のジェシーに振り回される場面や、ジェシーの母(ジョニーの妹)から彼との接し方なんかを聞いたり・話している場面を見ていると、ADHDなどコミュニケーション障害のある子どもの事がテーマなのかなと、ちょっと戸惑いながらこの作品を観ていたんですが、なんか違うんですよねぇ?…笑
ジョニーとジェシーが、アメリカを東へ南へと旅して行く中で、二人は徐々に心を通わせて行くんですが、その時の経過や"起こったこと"は、二人の中で色んな思い出、つまり共通の記憶として積み重なって行き、ちょっと忘れ難いものへと変わって行きます。
そして、ジェシーは、この記憶が成長と共に将来失われて行くであろうことを、とても残念がって、その寂しい思いを叔父のジョニーに語るんですが、ジョニーがその思い出を「僕が思い出させてあげる」とジェシーに言って、この作品は最後終わります…(ここ、なかなか感動的な場面でした…ちょっとウルっと来てしまいました笑)。
認知症の母親や精神を病んでしまった旦那のエピソード、インタビューで子どもたちが語る自身の未来像…
…かつての"美しきもの"が失われて行くことに、変な胸騒ぎを感じる作品でした。
*ただ、こういう映画は、正直ちょっと苦手です。まわりくどいというか、もっと分かりやすく描いてほしいなと思いました。テーマは良いのに、鑑賞後のカタルシスというか、満足度が今ひとつ沸点まで達しにくいというか…笑
映画を観た後の世界はちょっと変わって見えた
観た後、心が浄化された感覚になった。
子供たちの純粋だったり哲学的なところだったりを聞いていると、いろんな心にひっついたややこしいいろいろが削ぎ落とされていくような。。
ジェシーとジョニーのふたりのやりとりは、見ててどちらが大人か子供かわからなくなるけど、二人とも大人で子供で。似たもの同志のような。途中、少しずつジョニーの気持ちが素直に開いていくところがわかる場面があって、そこでふいにこちらも泣きそうになった。
何が起こるでもないけど、でも実はいろんなことがあって、そして静かに物語は進んで、二人も変化していく。
人生って、いいなって、映画館を出るときに素直に思える体験だった。
余談ですが20センチュリーウーマンの上映の時、オリジナルTシャツを購入してかなり気に入ってるから、本作もまたオリジナルグッズ作って欲しかったなぁと個人的にはそれが残念。
【声を聞く映画】
突如甥っ子の世話を任された叔父は、その声や話に耳を傾け心を通わす。劇中で紹介される子ども達の未来へのリアルな声に、自然と思いが巡る。ホアキンと子役の名演にジワリ多幸感が広がる一本。
◆トリビア
〇ミルズ監督は「人生はビギナーズ」で自分の父親、「20センチュリー・ウーマン」で自分の母親を描いた。本作は、自身の子育て中に発想を得た。
〇ホアキン扮するジョニーの衣装の大部分は監督の私物。
〇監督は、是枝裕和監督の作品「ワンダフルライフ」が好き。
〇本作はオバマ元米大統領が選ぶベストムービーに選ばれた。
○全編モノクロの意図は、“ドキュメンタリー性を盛り込んだ寓話”を表現するため。
○本作には、ラジオジャーナリストのジョニーによるインタビューというドキュメンタリータッチのシーンを通じて、実際に取材した9〜15歳の子供たちの生の声が収録されている。
◆関連作品
○「20センチュリー・ウーマン」('16)
母子愛を描くマイク・ミルズの自伝的作品。本作同様A24製作。プライムビデオ配信中。
○「ジョーカー」('19)
ホアキン・フェニックス主演、アカデミー主演男優賞受賞作品。個人的にはR100指定作品。プライムビデオ配信中。
〇「都会のアリス」(’88)
監督がインスピレーションを受けたという作品。モノクロ映画で、主人公も本作と同じ9歳。U-NEXT配信中。
〇「アマンダと僕」(’18)
姉を亡くした青年と、その姪の絆を描くフランス映画。U-NEXT配信中。
◆概要
【監督・脚本】
「20センチュリー・ウーマン」マイク・ミルズ
【出演】
「ジョーカー」ホアキン・フェニックス(同作でアカデミー主演男優賞受賞)
「フィールド・オブ・ドリームス」ギャビー・ホフマン
ウッディ・ノーマン(本作で英国アカデミー助演男優賞ノミネート)
【原題】「C'mon C'mon」
【公開】2022年4月22日
【上映時間】108分
◆ストーリー
ニューヨークでひとり暮らしをしていたラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーの面倒を数日間みることになり、ロサンゼルスの妹の家で甥っ子との共同生活が始まる。好奇心旺盛なジェシーは、疑問に思うことを次々とストレートに投げかけてきてジョニーを困らせるが、その一方でジョニーの仕事や録音機材にも興味を示してくる。それをきっかけに次第に距離を縮めていく2人。仕事のためニューヨークに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。
◆
◆以下ネタバレ
◆
◆親子愛
早朝爆音オペラに始まり、突如消えては現れ、バスに飛び乗り、大暴走のジェシー。“ゾッとする”ほど、振り回されっぱなしのジョニーも、次第に心が通っていく。二人が初めて手を繋ぐ画の広めなシーンや、空港行きをキャンセルしたレストランでのピザ乾杯も、心が通い合う二人の表現として、さりげなさが絶妙。ラスト、ジェシーが自声を録音した“先へ進むしかない”というセリフは、本作のタイトルでもあり、ジョニーとの別れを惜しむ彼の本音。その声を聞きながら、それに応えるようにジョニーが言った「必ず思い出させてあげる」というセリフは、草むらで二人思い切り叫び合うほど、深まった二人の絆の現れそのものだった。
◆録音機
ジョニーが渡して以来、ずっとジェシーが離さなかった録音機。思えばジェシーはそれを通じて周りの環境に初めて興味を持つようになり、ジョニーの声にも耳を傾けるようになった。二人が心を通わせるキッカケになった録音機はまた前述の通り、実際に収録された子供たちのインタビューのツールとしても使用されており、もはや本作を通してのアイコンだった。それを通じてジョニーが収録した子供たちの声は、一つ一つエンドロールまでじっくり紹介され、見ているこちらも自然と思いが巡らされるようで、はたまたジョニーの目線での“ゾッとする”ジェシーを見ているようでもあった。“子どもの声を聞く”、そしてそこから真理を見る、本作が伝えたいそんなメッセージが詰め込まれていたと思う。
◆ホアキン、ウッディ
「ジョーカー」の怪演から、どんなホアキンの振り幅が見れるのかにも注目だった本作。少しお腹もぽっちゃりとして、体型からすでに役作りが見える。ただ、本作では子役のウッディ・ノーマンの演技の自然さがそれをのんでいた気も。ジョニーに人間の“回復ゾーン”を語る大人びた語り口も良かったし、あの草むらでジョニーの言葉を遮りながら感情を爆発させるのも絶妙で、そこらの子役にはない自然な演技力に光るものがあった。今後注目したい俳優です。
子供たちの本音が…聞こえてくる
一人暮らしから甥っ子との
共同生活がはじまる
一筋縄ではない
いろいろな感情をぶつけてくる
質問されて答えに困ることも
騙せないし嘘もつけない
…本音で話す
偽善な話だと… 薄っぺら ぺら~と
見抜かれる
大人顔負けだけどママが大好き
叔父さんも…好き
二人にとって貴重な時間
たくさんの子供たちのインタビュー
さまざまな意見
子供たちの色んな発想
があって大人以上に考えている
家族 友達 孤独 戦争など等… 種々な想い
みんな仲良く幸せに暮らせたら…と
いつの時代も平和な世の中であってほしい
エンドロールでの子供たちのメッセージに★0.5
不思議な、落ち着いて内省したくなる映画
シンプルに、子どものいない伯父と甥っ子のハートフル家族ものの映画なのかな?と思っていましたが、
メインは伯父さんの仕事で録音し続けた、各地の子ども達へのインタビュー内容を紹介していくものでした。多分これは忖度なしに取材を受けた子ども達、若者達のリアルな気持ちと思われ、人生についてどう思うか、大人に思うことは、社会果ては地球で起こることへのそれぞれの考えを沢山伝えてくれました。
テレビのドキュメンタリー番組なら延々と紹介しても良いんでしょうけど、映画とするために、その取材を生業とする主人公を設定し、彼が久しぶりに再会し当初はなかなかに馴染み辛い甥っ子との葛藤や苦悩や子どもと接する覚悟などを表現し、最後は喜びや楽しさに至るドラマに仕立てていました。
この甥っ子がかなりクセのある子どもで、伯父さんと馴染むまではイタズラやワガママな行動に少々イラッとするんですが(汗)
これは当初、何故数日以上(結果的には2週間くらい?)母が離れていなくてはならなかったのか、詳しい理由を話さずにただ「伯父さんとしばらく2人で母さんを待っててね」という感じでいて、
少年に当初は状況をちゃんと納得させることも理由をきちんと話すこともしなかった母親のせいだな、と思いました。
余計なことを無理矢理聞かされることも迷惑ですが、心配かけたくなかったからと言ってたいして事情を説明しないことも迷惑だし、不安になります。
この対処でいいだろう、と勝手に満足するのは親側のエゴ。
そりゃ9歳の少年とはいえ、ストレス溜まるよ。。と共感。また、隠れたりされた伯父さんも大変でした。。
最後のほうでこの映画のタイトルの言葉「カモン!カモン!」を少年が語る場面が来ますが、本当にその通りだな、と。人生の真髄を彼はもうわかっているんだ、と驚きました。
何が起きるか分からない人生ですが、その都度可能な限りベストを尽くし、煉獄さんの言葉とまた重なりますが、打ちのめされてもうずくまっていないで立ち止まらずに進まなきゃ!って思いました。(ひとしきり泣いたり落ち込んだりした後で。)
アクションもハラハラも無い、静かに内省するきっかけとなり得る落ち着いた映画でした。
【“先へ、先へ・・。大人は子供の心をキチンと理解しているの?”衝突しても”相手の瞳を見て話す事の大切さ”を考えさせられる。劇中のアメリカの子供たちの未来に対する数々の言葉に、明るい希望を感じる作品。】
ー マイク・ミルズ監督は「人生はビギナーズ」や「20センチュリー・ウーマン」を観ても分かるように、人間を見る眼差しが優しい脚本を書く方である。
今作でも、そのスタンスは変わっていない。-
■ラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は妹ヴィヴの旦那さんが、精神的不調のため付き添うことになったため、彼女の子供、9歳のジェシー(ウディ・ノーマン:とても可愛らしい瞳の、クリンとしたくせっ毛も可愛い男の子)を暫く、預かる事に。
二人は、突然始まった共同生活に戸惑いつつ、イロイロと隠し事なしで話をしながら距離を縮め、お互いが心の成長をしていく・・。
◆感想
・9歳のジェシーを演じたウディ・ノーマンが、実に良い。
彼は、ジョニーに対して
”何で、結婚しないの?”
と、直接的に質問したり、(で、ジョニーはおたおたする。別れてしまったガールフレンドを思い出したりしながら・・。)
ジョニーが上から目線で接した時”電動音楽付き歯ブラシ購入問題・・)には、態度で答える。
ー 大人同士では、遠慮して聞けない事をジェシーは無垢な表情でジョニーに聞くのである。-
・では、彼が只の我儘坊やかというと、そうではない。彼は、キチンと自分の両親の姿を見ていて、時には心を痛めている事が、良く観れば分かる。
- お父さんが精神的に脆い人である事。それを支えるヴィヴについても、実に良く観ている。例えば、彼女がストレスが溜まった時に、ステーキを焼いて一人で食べることなど・・。-
・ジョニーはジェシーに振り回されるのだが、そこには、驚きや楽しみ、不安に直面する子供を持ったことがないジョニーが初めて経験する事ばかりなのである。彼はそれを通して人間として成長していく。
・そして、ジョニーはジェシーの視点で、ジェシーはジョニーの視点で世界を見て、良く話し、お互いの距離を縮めていく。
- ジェシーの”僕の瞳を見て喋って・・”という言葉。ジョニーが”見ているよ・・”と答えるシーン。何気ないシーンであるが、大切な事だと思う。-
<この物語の中では、屡、ラジオジャーナリストのジョニーがアメリカのNYやボストン、サンフランシスコの少年少女たちに”未来について”インタビューをするシーンが挟み込まれる。
その問いに対する子供たちの世界の未来に対する、ポジティブな言葉の数々が素晴しい。
衝突しても、ジェシーとジョニーのように”相手の瞳を見て話す事の大切さ”を考えさせられる。
危機的状況にある現代世界だからこそ、この作品は光輝くのである。>
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