カモン カモンのレビュー・感想・評価
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空間を感じさせる音と映像の不思議な魅力
マイク・ミルズ監督の前作同様、映像と音楽が美しく融合して、ゆったりとした雰囲気でアメリカという社会を見せてくれる魅力的な作品でした。
画角はスタンダードに近かったにもかかわらず、映し出される遠景はことごとく広々とした空間を感じさせる、不思議な映像体験だったような─それは音楽的効果なのか、はたまたモノクロというものが余計な情報を排除した結果なのか─。いずれにせよ、この絵はかなり精度が高いものでした。
内容は、相当に平坦であり、それが故につまらなさをを覚えてしまうかもしれませんが、ホアキンと子役の絶妙な絡みが面白いので、何もなくてもずっと見ていられる気がしました。ラストは何だか無理に感傷的にさせていたように思えて、そんな演出しなくても十分泣けるのに・・・感情が引いてしまって、むしろ逆効果!?なんて思ってしまいましたが、何はともあれ期待を裏切らない良作でした。
「ちゃんと対応したい」
血を分けた子どもとはいえ、自分とは違う人間である。子育てをしていると、そんな当たり前のことを見失ってしまう。分かり合えなくても対話する。笑ってるのか泣いているのかちゃんと理解して対応する。当たり前だけど難しいことをし続けていかなければならない。自分の子どもの接し方を考えさせられる良作でした。
映画を観た後の世界はちょっと変わって見えた
観た後、心が浄化された感覚になった。
子供たちの純粋だったり哲学的なところだったりを聞いていると、いろんな心にひっついたややこしいいろいろが削ぎ落とされていくような。。
ジェシーとジョニーのふたりのやりとりは、見ててどちらが大人か子供かわからなくなるけど、二人とも大人で子供で。似たもの同志のような。途中、少しずつジョニーの気持ちが素直に開いていくところがわかる場面があって、そこでふいにこちらも泣きそうになった。
何が起こるでもないけど、でも実はいろんなことがあって、そして静かに物語は進んで、二人も変化していく。
人生って、いいなって、映画館を出るときに素直に思える体験だった。
余談ですが20センチュリーウーマンの上映の時、オリジナルTシャツを購入してかなり気に入ってるから、本作もまたオリジナルグッズ作って欲しかったなぁと個人的にはそれが残念。
叔父に感情移入して甥っ子に苛立ち、深く息をして落ち着いて先へ進むよ...
叔父に感情移入して甥っ子に苛立ち、深く息をして落ち着いて先へ進むよう自分を促し、このような映画体験は久し振りかも知れない。その状況を喚起するのが恐らくこの映画の素晴らしさ。なぜモノクロなのか、わからないようで理解できる気もする。
本当に見せたい人には、きっと届かないだろう映画
美しいモノクロームの世界で、子供に振り回される大人たち。
これ!と言った事件も起きないけれど、温かな気持ちに包まれる佳作だと思います。
育児中の人が見たら、きっと刺さると思うのだけど。
そのターゲット層は、こんな映画見に来る余裕ないだろうし、
(映画館来ても、きっとファミリー向け映画に行っちゃうんだろうし)
時間作って観に来れたとしても、疲れて爆睡するだろうから、
見せたい人には一生届かない映画な気がしました。
絶対居眠り目的で来てるようなおじさん含め、皆さん気持ち良さそうにすやすや寝入ってました。
※最後の数分でダイジェスト版のように全編を振り返るので、途中寝落ちOK。
ウッディ・ノーマンという新たな才能が一番の見どころかも…
大人と子供が、お互いに1人の人として向き合う、ということは、当たり前なのに現実には難しい
大人と子供で抱える問題の重さも深刻さも違うと考えがちだけど、立場が違えばキャパも違う
向き合い、ぶつかり合い、曝け出しあってようやく道筋が見え始める
子供のいない独身中年男ジョニー、両親の問題に振り回される9歳の甥っ子ジェシー、夫のメンタル面の問題に疲弊するジョニーの妹でありジェシーの母ヴィヴ
ジェシーの父の療養の関係で、ジョニーはジェシーを数日間預かることになるが、それは容易いことではなく…
彼らの不器用且つ真摯なやりとりは、あちこちぶつかりながら、彼らなりの道筋を見つける
主演のホアキン・フェニックスの頼りなさと、甥っ子ウッディ・ノーマンの子供らしさと情緒不安定さが混在した危うさが、ストーリーの進行と共に徐々に変化を見せていく様が秀逸
モノクロの画面も、随所に音楽が散りばめられた構成も、若者たちのリアルな声が聞けるインタビューも良い
なんだけど、正直予告編を本編が超えていない印象を受けた
どこが、と言われるとむずかしいけど、これだけの役者陣ならもっと面白くなった気がしておしい
個人的に☆5中☆3
子育て映画?
ストーリーとしては定番モノです。
この映画のウリはまず、全編モノクロの美しい映像でしょう。映画でインタビューという形で、「音」にも焦点がありますが、それを際立たせる意図もあるかも?
ストーリーは、徐々に明かされる兄妹の関係性、主人公と甥の関係などが主軸ですが、主人公が子育てしているかのような試行錯誤が微笑ましい。ホアキンさん、ジョーカーと違って自然体のいいパパです。妙に情緒不安定なジョシュもかわいい。そして人間理解し合うって大変なんだなあとつくづく思わせてくれる映画でした。時折挟まれる、インタビューや本の引用が良いアクセントになっていました。
子供がいると見方も変わるんだろうなあ
あんなわがままな甥の世話をするってなったら…
半日も持たないだろうなぁ。
子育てって大変なんだろうけど、どんなに子供が反抗したり風変わりだとしてもたまらなく愛おしいんだろうなぁ。
子供は大人が思っている以上に鋭い視点を持っているけど、その分敏感で傷つきやすかったりもする。
ホアキンを振り回しっぱなしの子役が見事に表現していた。
ベルファストもそうだけど、白黒の映像である必要あったかなぁと思ってしまった。
そうだよね
カモンカモン。そうだよね。。。みんなそうやって生きてるよね。。。という感想しかない。あまりに日常すぎてお腹が一杯。残念ながら肌が合わなかった。モノクロでオシャレな雰囲気を出してるのも好きじゃない。主演お二人のお芝居はとても素晴らしい。
大丈夫、じゃなくてもいい。
インタビューの子どもたちの答え、まだまだ青いな、偉そうに、なんて、思ってしまうけど、相手が大人であろうと子どもであろうと、誰であろうと、対話をしてみることは大切かもなと思いました。
「親が、自分の子どもだったら、何を教えるか」って、興味深い質問。親の立場でも、子どもの立場でも、意外な回答が出てきそう。。
アメリカの各地のモノクロ映像や、うるさくない音楽、心地良かったです。唯一の電子音は歯ブラシ?!あれ、欲しい^_^
ホアキンと子役の演技、良かったなあ。くせっ毛、可愛いかったなぁ。
子どもに教えられる
今週末は特に観たい作品がなく、上映時間の都合がよかった本作を鑑賞。すごくおもしろかったわけではないですが、いろいろと考えさせられ、心に染みるような作品でした。
ストーリーは、妹から「夫の病気に寄り添うため、しばらく息子ジェシーを預かってほしい」と頼まれたジョニーが、甥のジェシーと共に生活する中で、徐々に心を通わせ、互いに少しずつ変化していくというもの。極めてシンプルなストーリーで、淡々と日常生活が描かれるだけなので、絵面的には退屈に映ります。
しかし、その中で交わされる二人の会話、紡がれる日常が、その関係に少しずつ変化をもたらします。こう書くと、二人が互いに心を開いて打ち解けていく様子が浮かぶと思いますが、そんな単純なものではありません。素直な時のジェシーはとても愛くるしいのですが、ひねくれたような態度、訳のわからない問いかけ等、彼の言動にはなかなか理解できないところも多く、一筋縄ではいきません。それでも、そんな彼にじっくりと向き合い、その声に本気で耳を傾けることで、ようやく彼の心の中がうっすらと見えてくるといった感じで、心の距離の縮まりが緩やかに描かれます。
他にも、ラジオジャーナリストのジョニーのインタビューに答えるという形で、多くの子どもたちが登場し、自分の考えをしっかりと述べます。シンプルなものもあれば、抽象的だったり、大人をドキッとさせたりと、多様なものが示されます。子どもの自由な発想から、かつては自分もこんな感じだったのか、いつから狭い考え方や枠組みや常識やしがらみにがんじがらめにされるようになったのかと、気づかされます。
よく、「子どもに教えられる」と言いいますが、本作はまさにそんな感じです。子どもたちの声に耳を傾け、汲み取る努力をした大人にしか感じ取ることができないものがあると思います。子育ての苦労を味わった人や、子どもと向き合う仕事に携わったことのある人なら、本作に共感できるところが多いのではないかと思います。そういう意味では、人を選ぶ作品かもしれません。
主演はホアキン・フェニックスで、「ジョーカー」の怪演とはうってかわって、強烈なインパクトをあえて残さないような演技が好印象です。そして、このアカデミー俳優を相手に勝るとも劣らぬ演技を見せるのが、子役のウッディ・ノーマン!天才です!今後の活躍が楽しみです。
生きる上で、言葉は本当に大事なんだな‼️❓
寝落ちしそうな展開ですが、ところどころでの金言が、この映画のキモです。
少年が母を亡くした体でのしゃべくりが、とても参考になります。
反対に、亡くした家族が、いる体で話すことで、喪失した苦しみを再生するトリガーにもなるのでは、そう思いました。
叔父さん、は少年にも、言葉遣いにとても、気配りや思いやりがあるのも、とても参考になりました。
私は、神はいないことを知る身ですが、神を信じる人を傷つけないよう、そんなことを言葉にしないように、しよう、そう思う。
叔父さんが、人の言葉拾う仕事には、何も感じませんが、言葉の中には、さまざまな金言に触れることができました。
カモンカモン、て、心配したことは起こらないで、別の想像もしない障害があるから、とりあえず進まないと、そうゆう意味ですね。
杞憂はせず、人を傷つけないで、妬まず、羨まず、自分を他人を大切にして、心穏やかにに過ごせますよう、そう思いました、ありがとうございました😊、そんな映画でした🎞🎬🎟、是非。
期待しすぎたかな
ホアキンの最新作という事で期待してましたが、
何度も寝ました(笑)
子育てに関して監督のメッセージが少し説教くさいのと、淡々としていてこれといった出来事がないことと、セリフがまわりくどいのが、睡魔の原因かと。
やっぱり脚本が肝ですね、映画は!
子供に振り回される等身大のホアキンも好きですし、
子役は確かにめちゃくちゃ上手いと思う。
でも、一応子育てを経験した者としては、
子供のワガママに振り回されてるなぁ。
いちいちご機嫌取ってるなぁと、気になってしまいました。甘やかし気味。大丈夫かな、この子。
大人ばかりに囲まれずに、もっと同年代に揉まれた方がいいと思う。
それとも、この子は少しアスペルガー気味なのかな?
実際の子供たちにインタビューした言葉は、時にドキッとさせられるような鋭いものばかり。
アメリカの子供はしっかりしてるなぁ!と感心。
でも、エンドロールにまで延々とそれが続くと
また睡魔が(笑)
少し押し付けがましい感じが鼻につきました。
人には薦めない映画です。
音を記録することが野暮に思えた
雰囲気も役者もいいのに、観終わった後に「結局、この話の主題はなんだったんだ?」と考えてしまう。
希望ある未来を語る子ども達を憂いたかったの?
人の声ばかり聞いていて、自分の本心を語らないジョニーが、自分の思いを受け止めて覚えていようと思えるようになったことを言いたかったの?
そもそも妹の息子が9歳って設定に疑問。
ホアキンの年齢を考えたら孫でしょう。
絵図らがお爺ちゃんと孫なのよ。
ジェネレーションギャップを描くなら、自分語りができる老人と無垢な子どもの組み合わせの方が相性良かったと思うけどな。
キャラクターの背景や関係性が分かりにくいせいで、主軸がぶれてしまった。
母親と兄妹の関係
妹夫婦の関係
妹夫婦と子どもの関係
叔父と甥っ子の関係
仕事と子育ての関係
子どもの未来への希望と現実社会の関係
一体、どの関係がメインテーマだったのかはっきりしない。
どれも中途半端な解決や解釈しかしないから、上部だけのペラッペラなまとめにしかならない。
甥っ子の面倒を数週間見たくらいで、子育てを疑似体験した気になっているのも違和感がある。
子どもの行動に対して結局は母親やサイトに解決策を尋ねている時点で、それは誰かの模倣であって自分が試行錯誤して人間関係を構築しようと努力した結果ではない。
衝動的で感情的な相手に理論で説き伏せようとするインテリ野郎にしか見えなくなってしまった。
子どもに対してインタビューして、子どもの声を聞いて理解したつもりになっているもの同様で、その声を聞いて集めて結局は何をするのかが分からない。
理想や思想を垂れ流しているだけで社会が変わるはずがない。行動が伴わないので展開がない。果たして声を録音するという行為を描く必要性があったのだろうか。
ジェシーが録音の機材を持ち歩いて音を拾っている場面もあるが、どうして音を拾うのが面白いと思ったのかという描写もない。自閉傾向があって、自分で聞きたい音を絞って聴くことのできる録音の機械が気に入ったのかもしれないし、単純にイヤホンから流れてくる音に集中して楽しんでいただけかもしれない。
かもしれない要素が多すぎて、正解が見つからない。
この描写はこれをいうための演出だと断定できる要素が少なすぎて、見ている観客側が勝手に補足説明を付け足したくなる。
情報が散漫していて、誰にも感情移入できず、言葉遊びを永遠と聞かされ続ける。
「君が忘れてしまっても、僕が何度でも思い出させてあげる」と表面上は聞こえはいいが、成長と共に薄れてしまう記憶よりも、一緒に過ごした時の楽しかった、自分と向き合おうとしてくれた叔父さんへの気持ちはジェシーの心の中に残っているのではないだろうか。
自分が受け取った愛情の記憶を「ほら、君はこんなことを言って、こんなことをしていたんだよ」と思い出させるために録音して送りつけるって最高に野暮だと思う。
逐一、相手の気持ちを汲み取ろう、相手の気持ちに寄り添っているように見せかけて、自己満足で相手に関わろうとする演出が鼻についた。
大人だって、痛い時は痛いし、傷つくときは傷つくし、言いたくないことの100個くらいは抱えて生きている。
自分で処理しきれない感情をうまくコントロールして、他人と上手く付き合っていく距離感を身につけていくのが大人になるということだと思う。
距離感が掴めていない子どもと対峙する映画だからこそ、子どもに見せる大人の面と子どもに本心を語る人間と対峙する時の面を区別して欲しかった。
これでは、子どもの行動や言動が手に追えなくなった大人が白旗あげて、告解でもするかの如く自分語りをしているだけで情けなくなってしまう。
他人の感情なんて、当事者にならない限り分からない。
どんな苦しい経験も他人にとっては「へぇ、大変だったね」と社交辞令で返事するくらいしか感情移入してもらえない。
ペラッペラなエピソードを重ね、一息ついて振り返った時に初めて、分厚い本のようになった自分の感情が鎮座している。
ただ、そこにあるだけで時間は刻々と先に進み続ける。先へ。先へ。
果たしてこの解釈であっているのだろうか。
間違っているのだろうか。
少なくとも、映画を観た感想や受け取り方は千差万別。良いも悪いもさまざまな意見で溢れている。
他者の意見をありのまま受け入れる寛容さが平和な日常を送る秘訣だと言っていたし。
思うことも受け取ることも自由であるからこそ、人と関わることを楽しめるのかもしれない。
口に出すことで伝わる対話
ホアキンフェニックスが不器用ながらも優しく穏やかに子供達と向き合うラジオジャーナリストを演じた本作。
前作主演ジョーカーからは到底イメージできない心優しい中年のジョニーを演じたホアキンの本作での演技は圧巻だった。甥っ子のジェシーの予想のできない振る舞いや核心に迫るような難しい質問に戸惑いながらも誠実に応えようとする大人の葛藤や悩む弱さを繊細に表現していた。
また、少し風変わりで繊細な甥っ子ジェシーの自身の欲求を通したいためにジョニーを困らせたり、純粋な素振りだったりと子供ならではの表現が自然で作中で重要な役割を担っていた。
子供と接することの難しさ、人と人の対話がいかに難しいかを観客に投げかけており、今までの自分のコミュニケーションや姿勢を自然と振り返るようなきっかけとなる作品だった。
相手を理解し切ることはできない。しかし、心を開き、相手に対して誠実に向き合うことが心と心の対話を生み出すということを本作は伝えたかったのだと思った。
沁みる
妹夫婦のとある都合で9歳の男の子ジェシーを預かる事になったラジオDJのジョニー。
最初はギクシャクした二人が距離を縮めて行くストーリー。
ありきたりの物語かと思っているとこの作品は
9歳と47歳の二人の男の会話劇となってるのが
面白い。
あのジョーカーを演じたホアキンとは思えない位の
優しい眼差しと共に淡々と物語が進む。
ラジオの録音機材を使った演出が見事!!
途中途中に挿入されるアメリカの子供達への
インタビュー。
コレはホントにインタビューしてるのか?
子供たちのポジティブな言葉は大人達は心に留めて
おかないといけない。
モノクロと言うのも納得な静かで沁みる作品
子育てには、大人も育つことが含まれている
おじと甥っ子の一時的な暮らしを綴った作品。
甥っ子の抱える家庭の問題を親でもなく、祖父母でもない少しだけ客観的な立場であるおじと暮らしていくことでセラピーになっていくという構図の作品だと思っていた。しかし、その逆でもある作品だった。子どものピュアだけど本質的な言動、行動によって、おじが甥っ子と暮らすことによって、目を背けていた問題と向き合い前に進み出すという物語であった。
「カモンカモン」というタイトルは
「目を背けないで向き合って!」というメッセージなのではと私は感じた。
そんな両者にとってのかけがえのない時間を
モノクロの映像により、2人の関係性に注力して鑑賞ができる。
ストーリーの合間合間で流れる子どもたちのインタビューはドキュメンタリーらしい。
その回答がどれも素晴らしく、知らぬ間に考えが凝り固まり、知らぬ間に大人になってしまっていた自分にハッとする体験だった。
良作ですが期待してたほどでは
ホアキン、子役の演技が素晴らしく良質な映画でした。とくに子役がきちんとホアキンとの会話、コミュニケーションが取れていたり、取れていなかったりが感じられ、危うい性格も表現できており常に緊張を感じさせ飽きることはなかった。
しかし、都合の良いこともあり、ホアキンの仕事。あんな時間に融通がきき生活出来ているのがすごい。フリーなのかもしれないけど。それと一定の険悪さからそれ以上悪化しない展開、同じようなトラブルが2度起きる事もちょっとつまらなさを感じた。
しかし、ある程度子供との接し方を心得てる設定、再生の土地デトロイトから始まるところ、ポイントで挿入される街の風景。何よりモノクロの映像がとてもよいと感じた。
ホアキンが更に好きになり、子役がこれからどうなって行くのかが気になりました。(マコーレーみたいになっちゃうのかな?とか)
やっかいな、大切な、贈り物
最近監督の名前あまり覚えないので観ていて「20センチュリーウーマン」に似ている、と思ったらマイクミルズというのはまさにその人だった。
何を思ったかというと、ロケーションや美術、空撮、衣装などのセンスはいい、役者も自然で、脚本も自然となるようなシチュエーション中心にしてドラマっぽくなるのを排除してる。だけどもうちょっとドラマ的膨らみもあっていいんじゃないか、と思うくらいにフラットな数珠繋ぎで話が進むのが似ている。小津とかロメールとかホンサンスとかとも違う。
とても質の良い空間ぎ繋がってゆくのだけど初見では乗りづらい。ただ、少年が異様なくらいにかわいくて、大人びて、うん、モンスターに思える。いい意味で。知的な大人の男からすると、最も手に負えない生き物としての存在感が異様。いい子でも悪い子でも、ましてや自分の子供の頃というサンプルも相手にならない、けれどどこかで通じ合ったりもする、脚本で書かれててもその正体がわからないものが映画に映っていた、と思う。
と、思ってまとまりに入った振り返りのナレーションでボロボロ泣けてくるのだから映画はわからない。なんでもない、なんとも説明のつかない時間が確実に存在したのだと、そういうのに弱い。
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