「ぺらっぺらでもいいよね?」カモン カモン ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
ぺらっぺらでもいいよね?
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圧倒的な多幸感って言われると、そんな映画だったか?と思ってしまう。
ジェシーがやる自分は施設の子、両親やジョニーは子を失った親という設定の遊びは、ジェシーの抱える不安の現れ。でも不安を抱えてるだけではなくて、ちゃんと未来を恐れつつ、不安がりつつ、それでも進まなきゃってわかってるジェシーの繊細さと勇気の両方が愛おしくなる。
子供はまるで哲学者のように雄弁にインタビューに答える。インタビューされるということは確かに尊重されることなのかもしれない。注目され問われ自分に問いかけ、そして答える。ジェシーははじめそれを拒むけど、最後には一所懸命密やかに答えてみる。
心の奥底にしまってある本音を語るのは子供だけじゃなくて大人にとっても容易ではなく問いかけすら自分にしなくなっていることに気づく。ぺらっぺらでもいいじゃないか。たまには、自分に問い、そして誰かに語ることもいいのかも。
まるでドキュメンタリーを観てるような自然な作品で、おそらくそう仕上がったのはモノクロであることも影響しているのだろう。モノクロによって雑味がとれるというのはなかなか興味深い。ジェシーのウッディ・ノーマンももちろんホアキン・フェニックスも素晴らしかったと思う。
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