「本と人に関わる切なさと優しさ」マイ・ニューヨーク・ダイアリー Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
本と人に関わる切なさと優しさ
私も文学部で学んだので、本と著者、そして出版に関わる人々のストーリーは大好きである。多くの作家志望の人たちの採用されなかった原稿の山、多くの愛読者たちの読まれなかった手紙の山の中で、本は生まれることをこの映画は思い出させてくれる。主人公は詩人志望の出版エージェントの秘書だが、サリンジャーへのファンレター処理係として手紙を読んでいるうちに、本と人の関わりの優しさ、難しさ、切なさのなかで、もう一度、詩人たろうと自分を再構築していく。本と文学、それに関わる人々への愛が詰まった良い映画である。
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