「インテリアやファッションからも眼福を得る」マイ・ニューヨーク・ダイアリー あささんの映画レビュー(感想・評価)
インテリアやファッションからも眼福を得る
1990年代のニューヨークが舞台、憧れの大都市で憧れの職業を夢見て、がむしゃらに奮闘するジョアンナに、かつての自分自身を投影してみたり…。
大都市の片隅で「何者かになろうと」もがく姿、夢と現実との狭間で葛藤する姿には、国や場所は違えどきっと多くの人が共感することだろう。
本作は原作のジョアンナ・ラコフの自叙伝「サリンジャーと過ごした日々」を映画化。ジョアンナは1972年生まれで、まさにインターネット黎明期世代。今じゃ当たり前のように人々の生活に溶け込んでいるパソコンが、そりゃ当時ではジョアンナの上司にとっては奇異なもの扱いだよね。
当時はスマホなんて誰が想像していた?逆にタイプライターが新鮮でオシャレ、それにカセットテープの録音機も今じゃ貴重。オフィスの雰囲気も、衣装もオシャレでエレガント、映像だけでもハッピーになれる。
新社会人の人、大都会で懸命に生きている人たちが見ると、より響くのかな。
ところで「出版エージェントってなんやねん?」って、私も何度も気になったのだけど、著者の代理人として出版社へ企画を持ち込んだり、著作物の権利管理を代行する仕事なんだとか。しかも欧米では一般的(初めて知った)。
さらにホームページを見ると、ジョアンナが勤める出版エージェンシーは、1929年に設立の「ハロルド・オーバー・アソシエイツ」。マーガレットのモデルとなった人物は、サリンジャー 担当と経営を引き継いだ女性エージェントのフィリス・ウェストバーグ。
サリンジャーをはじめ、アガサ・クリスティ、ウィリアム・フォークナー、F・スコット・フィッツジェラルドなど数々の文豪の 作品の契約・著作権の管理などを行っていたという。
サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」に関連する作品で「ライ麦畑でであったら(2018)」を思い出した。あの作品も、自然豊かな土地に隠居するサリンジャーに少年が会いにいくとという物語だったはず…。
実は私も「ライ麦畑でつかまえて」を未読、これは読まねば!
あささん、コメントありがとうございます。
もし、思春期のお子さんがいたら、ぜひ読まさせて下さい。
私が高校生の頃、庄司薫の「赤ずきんちゃん 気をつけて」がサリンジャーのような作品で大ベストセラーになりました。もう、話題にもなりません。それに比べると、ライ麦畑は永遠の青春文学かもしれません。
私が中学生だったのは、50年も昔のことです。これから大人の世界に入って行くのが嫌でした。高校生の時はもっと嫌悪感が強くなり、自殺を考えたりしました。高校2年生の時に、クラスメイトが本当に自殺しました。
原作の主人公ホールデンは、そんな青少年の代弁者に思えます。それで共感を得たと思います。
識者によるとサリンジャーは第2世界大戦に従軍し、精神を病んでしまったそうです。「ライ麦畑でつかまえて」で掴むのは、亡くなった戦友達のこころだと解釈する説もあるそうです。
あささん
まだオードリー見てないのですが、こちらの映画でも、ケーキと紅茶(かコーヒー)飲んで帰る時に、ムーンリバーが流れてませんでしたっけ?
あ、聞き覚えあるぞ❗️という気がしたのですが。
「ライ麦畑でつかまえて」は、アメリカのティーンエイジャーの必読書となっています。
私もいつかは読んでみたいと思っていて、60歳を過ぎてから読んでみました。主人公の世界観に全く共感できませんでした。もし、この作品を中高生の時に読んでいたら、共感できたでしょう。第2反抗期の時期に読むべき小説です。
あぁ、私の純真なこころは何処に行ってしまったのだろう。