劇場公開日 2022年5月6日

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「文系の高度な知識が要求されるが、今週では本命枠。」マイ・ニューヨーク・ダイアリー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0文系の高度な知識が要求されるが、今週では本命枠。

2022年5月6日
PCから投稿

今年129本目(合計403本目/今月(2022年5月度)6本目)。
ということで、「チェルノブイリ」から5分違いでこちら。

こちらも、ここの特集およりホームページにあるように、実在した人物を描く内容なので、あることないこと描けないし、現在(2021~2022)では非常識かなと思えることもそのまま描かれています。とはいえ、30年ほど前(1990年代)なので、「極端に思想・考え方が根本に違う」ということはありません。

どう見るかは大きく分けて2つあるかなと思います。一つはジョアンナ(ジョアンナ・ラコフ)の自叙伝的映画と見る考え方、もう一つは、1990年ころから少しずつ芽生えてきた男女同権思想の先駆けとなる、「単に家で家事育児をするだけではなく、会社などで立派に働く女性の姿」を描くというもので、私はもっぱら後者の考え方でみました。ただし、実話がベースであるため、「ライ麦畑でつかまえて」などに代表される作品等の知識はほぼ前提にされてしまいます(ただし、それらの小説の細かい知識までは要求はされない)。

実はここのホームページやレビューよりも、公式HPのほうが非常に丁寧に当時の(女性の)作家レビュー事情やジョアンナやサリンジャーについて説明されているので、そちらを参考にされたほうが早いのでは…と思います(公式パンフもありますが、パンフを買わなくてもわかるくらいに丁寧に書かれていて良心的)。

上記通り、「自叙伝的映画とみる立場」と「女性の独立の先駆けとなった一つの出来事」とみる立場の2つがあり、私は後者でみましたが、前者とみる立場や半々的に見る立場、両方あると思います。それは映画内でも特に誘導などないので、どちらの見方も可能かなというところです。

とくに表現や字幕などわかりにくい点はないので、フルスコアにしています(まぁあえていえば、ジョアンナやサリンジャーのことは知っていたほうが良いかもしれません)。

yukispica