ケイコ 目を澄ませてのレビュー・感想・評価
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今までにない岸井ゆきのが見られるが、主人公の心情がよく分からない
始終、不機嫌な顔をして、怒りを溜め込んでいるかのようなヒロイン像は、確かに、今までの岸井ゆきののイメージからかけ離れたものであり、まさに、新境地と言えるだろう。
だが、その怒りなり、不満なりの理由や原因がよく分からない。
手話でも筆談でもいいから、彼女に、もう少し、自分の心情を語らせてもよかったのではないか?
日記の内容から、ようやく、彼女が、ジムの閉鎖に心を痛めていることが分かるのだが、どうして、それほどジムやその会長に愛情を寄せているのかが、これ又、よく分からない。
彼女が、あのジムで、ボクシングを始めることになった経緯を、回想シーンでもよいので描いてくれていたら、もう少し、その無念さを実感できたのではないだろうか?
何よりも、この映画のポイントとなる「耳が聞こえない」という設定そのものが、ストーリーやボクシングの試合等に、うまく活かされているとは思えない。
作り手が、この映画でやりたかったことが、今一つ伝わってこない「歯がゆさ」が残った。
岸井ゆきのの代表作確定?!
ケイコ演じる岸井ゆきのの
まさに体当たり、渾身の演技には
目を見張るものがあった。
どこか投げやりな彼女が
ストレス発散だけにボクシングを
しているとは思えず
そこにはジムの会長(三浦友和)や
トレーナーたちとの静かだけども
しっかりと繋がった信頼関係に
よるものだとは思う。
が
他ジムへの移籍に奔走する会長、
トレーナーの林(三浦誠己)
松本(松浦慎一郎)の思いを
汲み取れず、自身の都合だけで
断ろうとしたケイコの本当の気持ちや
彼女がボクシングをやる本当の理由
なぜ休会をしなければみんなに迷惑を
かけることになると思ったのか?
その辺が全然読み取れない。
.
.
それでも彼女の無言の訴えと
声にならない叫びに
背中を押される者もいるだろうと思う。
外れ無き拳闘映画に果敢な新味。
立つんだジョー、エイドリアーン、で盛らず、
スポ根と血と涙をこそ極力廃す拳闘映画史上最固茹でを果敢な新味と買う。
松浦に一歩演らせ過ぎ、題が一言多いのが惜しいが。
部外者の会長妻(仙道敦子!)に語らせる脚本の正しさ。
私的年テン入り。
またも拳闘映画に外れ無し。
研ぎ澄まされた感覚
実在の元女子プロボクサー・小笠原恵子さんの自伝を基にした作品。岸井ゆきのさんが主人公である生まれつき耳の不自由なボクサーを演じている。
岸井さんとは縁がなくて、名前は知っていても動いている彼女を観た覚えがない。実際、出演リストを眺めても、鑑賞済みのものはほとんどなかった。本作の演技に驚嘆し、ファンになってしまった。
デジタル全盛の時代に16mmで撮影したり、音楽が一切なかったりと意欲的な試みをしているが、肝心のケイコの内面がいまいち伝わってこない。聴こえない=喋れないのはわかるが、彼女は手話もできるし文章も書ける。なにかしら方法はないものか。
……と書いてきて、まさにそれが彼女の状態なのかと気付いた。伝わらない、理解されないもどかしさ。それがこの映画の一番の本質なのかもしれない。
生まれつき耳の聞こえないケイコ。 ハンディを抱えながらもプロボクサ...
生まれつき耳の聞こえないケイコ。
ハンディを抱えながらもプロボクサーとして活動する。
コーチや家族、友人にも恵まれているように見える。
ただ、本当にボクシングがしたいのか?充実しているように見えるが、何がしたいのか、逃げ出したくなる思いが鋭く伝わってくる。
会長の姿を見て気持ちに変化が生じるシーン、
最後の感情が大きくなるシーンにグッときた。
岸井ゆきのちゃん
結構、大変だったでしょうね。あのミット打ちはなかなか大変だったと思います。ただ、試合では体が小さい上に、構えると猫背になるので、強さが感じられなかったです。実話が基なので仕方がないかもしれませんが、話の盛り上がりが無かった感じが…。
劇的なドキュメンタリー
を見ているようだった。俳優さんが結構豪華な。淡々とあっという間に過ぎていった。淡々となのに、早く終わらないかなぁとは思わなかった。不思議な感じだ。
余談だが、けいこがKー15の座席で見た。
メ~テレ、ボクシング映画、そして岸井ゆきの。
私は映画を観る前に前情報を殆ど入れません。勿論、劇場に行けば本編が始まる前に多くの公開予定作品の予告編を目にしますが、最終的に選んで観ている映画(邦画)が始まり気づくのが「あ、これもメ~テレ(名古屋テレビ)なのか」という件です。敢えて付け加えれば「それらの全てが必ずしも好みというわけではない」のですが、その実力とこだわりは否定のしようがありません。
また、必ずしも選定基準にはしているつもりのない「ボクシング映画」というジャンル。私、スポーツとしてのボクシングも殆ど興味がないと言って過言はないのですが、「ボクシング映画」を観終わって否めない「打たれ弱さ」、もう所々「めろめろ」になって涙腺が刺激されます。
そして「岸井ゆきの」という俳優。私自身は遅ればせながら2015年頃から彼女を認識をし、初の主演作品『おじいちゃん、死んじゃったって。(17)』の頃には「Check in (on)」の一人として注目をし、今では引っ張りだこな存在で「さもありなん」と思いつつも、今作における「ケイコ」役は跳びぬけて素晴らしい。正直、「ろう者」「ボクシング」いずれにおいても当事者がどう見るかは判りませんが、少なくとも彼女の演技のベースに確実な「努力」が見て取れ、感動に輪をかけているような気がします。観逃している作品も多いですが、私の観た作品中、2022年最優秀賞主演女優賞確定です。
最後、ケイコは『私もありがとう。』って伝えたかったんだ。
最後、ケイコはきっと『私もありがとう。』って伝えたかったんだと私は思いました。
素直で実直にボクシングに取り組む彼女の姿勢が、痛いほど胸に突き刺さり、現代日本が忘れかけている大事なものを彼女の澄んだ目を通して改めて教わったような気がします。
夜電車が走る陸橋の河川敷の背景構成や雨の中のジムは、交わっているようで交わっていない葛藤のそれを表しているようにも思えました。
鑑賞後の家路は、とても優しい気持ちに包まれて、勇気をもらいました。
俺も頑張ろうって。
ケイコみたく、リングでわぁーーーーって叫ぶ人生を送ろうと思いました。
三宅監督が君臨する日本映画の未来は、とても明るいです。
次回作がとても楽しみです。
素敵な映画をありがとうございました。
言葉がなくとも伝わる意志
全編を通して音楽がない作品。
ジムの音、河川敷の音、生活音が敏感に伝わってくる作品であった。
言葉を発しない主人公のケイコの感情がわかりづらいと感じていたが徐々になんとなくわかってくる。
何かに打ち込む、頑張る理由は人それぞれだし変化していくものだし、その理由がどんなものでも尊重されるべきものなのだなと感じることができた作品だった。
表情や佇まいのみで伝えてくる岸井ゆきのの演技が素晴らしかった。
三宅唱×岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」いや、本当に素晴らしかっ...
三宅唱×岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」いや、本当に素晴らしかった。岸井ゆきのは勿論、三浦友和、仙道敦子、三浦誠己といった脇を固める出演者も素敵で、欠けた部分を持ちながらも魅力的なキャラクターをそれぞれ演じていた。孤独と苛立ちを抱きしめながら、人はそれでも繋がりあえる。
ハンディキャップがあっても…。
その世界には、評価子はまったく無知なのですが。
ボクサーにとって、耳が不自由であることは、致命的に近いハンディキャップのようです。
ゴングが聞こえない、セコンドのアドバイスが聞こえない…。だけでなく、相手選手が反則行為をしても、それをレフリーに訴えることすら、ままならない。
それでも、プロにまでのし上がった彼女は素晴らしいと思います。手放しで。
しかし、そんな勝負師(プロボクサー)でもある彼女を支えていたのは、実は基本的な練習メニューであったのですね。
毎日のように「ロード○キロメートル、サンドバッグ○ラウンド、ミット打ち○ラウンド…」
そのことにも、頭が下がりました。
己の技量をただひたすらに磨こうとするかのような彼女の日常を、是非とも我がものにもしたいものです。評論子も。
笑わない岸井ゆきの選手。ケイコの心情が伝わってくる。
ケイコはボクシングが好きで、このジムにも愛着がある。何よりも会長(三浦友和さん)を慕っている。後半、ケイコと会長が鏡の前でやるシャドーボクシングの場面がいい
下町のさびれゆく小さなボクシングジムの悲哀がよく描かれていた
映画は一般人の密着ドキュメンタリーみたいな内容だ。生きてれば誰にでもある日常的な出来事や、人間関係のあれこれが描かれるだけだ。だから何も起きずに淡々と進み静かに終わる。しかし、ケイコの心は雑音だらけ(ポスターより)で揺れに揺れる。その心の迷いを岸井ゆきのさんがみごとに好演
持ち前の演技力に加え、腕力も手に入れ更にパワーアップ。マシンの筋トレの場面はマジきつそうで笑えた
(追記)結構おすすめの映画なのだが、私のように映画にエンタメ性(ドラマ性)、感動を第1に求める人は、期待値のハードルを下げて見たほうがヨイ。ラーゲリ、スラダン、アバター、コトー系ではない
とてつもなく凄い映画を観た感覚
耳が聞こえない女性ボクサーをモデルに描いた物語です。
サイレント映画に近い内容で、セリフはほとんど手話でなされ、音楽が全くありません。また、新型コロナの関係か、マスク姿が時々映り、表情が読み取りにくい部分もあります。
まさに無に近い状態で、主人公のケイコ(岸井ゆきの)の迫真の表情やボクシング姿に圧倒されます。
胸や目頭が熱くなり、とてつもなく凄い映画を観ている感覚に陥ります。
ゆっきーの非凡な映画センスに、改めてただ者ではないと感じました。
人間の心の叫びを聞いたような、映画の素晴らしさを味わうことができた秀逸な作品です。
なんだろうなあ、人間としての器量があるんですよ。
岸井ゆきの、やってくれるねえ。聴覚障害がある役なので、ほぼセリフなし。そして、ほぼ笑顔もなし。世間から距離を置いて生きているけれども、けしてはみ出しているわけではない。つまり、人に頼ることを拒否して生きているようだ。ボクシングは彼女にとってどんな存在なのだろう。どうも、強くなりたいってだけじゃないみたい。勝ちたいって気持ちは、対戦相手にじゃなくて、自分に、じゃないかと思えた。人間関係も極力避け、甘えることも捨て、まるで、媚びない野良猫のように。
音楽のないエンドロール、生活音だけが雑音のように聞こえてくる。ケイコの世界はこんな様子なのか、と思ったが、いやいや、本当のケイコの世界はこんな音さえも聞こえてこない無音の世界なのだ。いま、自分のいる世界から音が消えたらどうだろう?と想像した。そのぞっとする世界にいて、ケイコはさらにボクシングに挑んでいる。挑んでいるんだよ、ひるむことなく。器量、というか人間としての了見というか、なけりゃできないよ。すごいよ。そんなケイコを体現した岸井ゆきの、彼女もすごいよ。
岸井ゆきのの好演につきます。
聴覚障害の主人公ケイコの精一杯生きてる日常、仕事とボクシングの両立、個人的に仕事だけの生活はストレスが貯まる。
彼女はボクシングがあったからこそ仕事とのバランスが取れてたのかな?
一旦休みたくなったが、やはりボクシングの無い生活はストレスであり、それを障害者の偏見なく受け入れてくれたジムの会長は親よりも親であり、自分を一人の人間として認められた場所を会長を家族のように思うケイコの思いが台詞のない岸井ゆきのの演技が際立たせてます。
トレーナーとのミット打ちは見応えがありました。
かなり良い映画でした。
もの凄いカウンターパンチ😇
ケイコこと岸井ゆきのさんが試合中食らったカウンターパンチでノックダウンするシーンはボキの心をぶち抜く凄まじい一撃でしたデ
ゆきのさん🫶ワイは完全に恋に落ちたわ😳
それから世界一素晴らしいエンドロールも「聴き」逃せないよ、エンドロール自体に感動を覚えたのは初めてかもしれないネ
明るくなるまで席を立たない事をオススメします
あとからじわじわ来る
途中までジムとアパート、職場の淡々とした生活描写が続くが、オーナーの奥さんが主人公の日記を読み、それに沿って主人公の回想シーンになったところで、感情移入させられ、最後に向かってぐっときました。久しぶりにパンフレット買って解説と岸井さんの写真みたいなと思ったら売り切れていて、やっぱり、、と思いました。
“人間の器量が大きいんですよ”とは、人間やっている限り一度は言われてみたい台詞だなァ。少なくとも二度観るべき映画。一度は一観客として。二度目はケイコになったつもりで(ってまだ一回しか観てないけど)。
①ボクシングはあまり好きではない。ケイコの弟みたいに“頭おかしいんじゃない?”とまでは思わないけれど、“殴り合いして何が面白いの?”とは思う(『ロッキー』が好きなのもボクシング映画だからではなくラヴ・ストーリーとして秀でているから)。だから、何故ケイコがボクシングをやりたいのか正直わからない。でも音が聞こえないのにボクシングするのはとても怖いだろうことは分かる。怖がりの方が強いボクサーになると聞いたことがあるけれども、ケイコの場合はちょっと違うだろうし。
②《2023.01.09. 二回目の鑑賞》
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