劇場公開日 2022年12月16日

「目で演技している」ケイコ 目を澄ませて ちんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0目で演技している

2023年2月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

岸井ゆき作品は今回が初。

朝のアラームは扇風機、ドアチャイムはフラッシュライト、コンビニ店員との会話、ぶつかったおっさんのイライラ、映画の中で耳が聞こえないゆえの日常生活のハンデを垣間見て、ハッとするシーンがたくさんあった。

ケイコの役は耳が聞こえないのと、上手くしゃべれない分、表情と身体で表現を広げないといけないので、難易度が高いのに、目で心情表現できてて、観ている側にも、ケイコがどんな気持ちなのか伝わった。
目で演技をしていると感じた。

周りからは気持ちが強いケイコという印象だが、内面はそんなに強くないのがよく描かれている。
お母さんからボクシングを辞めるよう説得されて、死ぬほど悩んでモチベーションが落ちてしまったり、ジム閉鎖を聞いて悲しんだり、会長がケイコの試合動画を熱心に観ているのを覗き見てしまって、辞める手紙をしまったり、、、
ケイコが会長とシャドーボクシングしている姿がとても楽しそうな点からも、ケイコがボクシングを続けるモチベーションの一つには会長の存在があり、だからこそ新しいジムへの移籍はしたくないと言ったんだなぁと思いました。

気になったのは2点。
最後の試合で負けたときに三浦友和が「よしっ」って言ったような気がしたような。
単に車イスを動かすための気合いなのか、ケイコに向けたものなのか。

最後の負けた相手と鉢合わせして、悔しそうな表情をした後、思い立ったようにランニングを再開するケイコ。何を思ったのかが気になる。

ボクシングは続けるのだろうかあ〜〜〜〜〜

ちん