クリエイション・ストーリーズ 世界の音楽シーンを塗り替えた男のレビュー・感想・評価
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【”ポップカルチャーは死なない!”トレインスポッティング、クリエイション・レコーズ創設者アラン・マッギーバージョン。90年代ブリット・ポップを愛する男には沁みる作品。名バンドテンコ盛り作品でもある。】
ー 今作は、アラン・マッギーを「トレインスポッティング」のジャンキー、スパッドを演じたユエン・ブレムナーが演じた点が奏功していると思う。
彼が、セックス・ピストルズに憧れ、バンドを結成するも才能の無さに気付き、新人アーティストを多数見出す”目“と”耳“と”感性”を思ったいたが故に、ジーザス&メリーチェイン、プライマル・スクリーム、マイ・ブラッディ・バレンタイン、そしてオアシスを見出し大スターにしていく中、彼自身が徐々に疲弊し、ドラッグと酒に溺れていく過程を見事に演じているからである。-
◆感想
・今作では、「オアシス」の”ワンダー・ウォール”と、少しだけ「マイ・ブラッディ・バレンタイン」の”ラヴレス”「ジーザス&メリーチェイン」の”サイコ・キャンディ”などが流れるがそれだけで嬉しい。
更に、当時のファッションやカルチャーも盛り込み、ブリットポップが生まれていった舞台裏をも楽しめる。
・映画のトーンも、当時のハイハイハイなナイトクラブシーンや、その中でアラン・マッギーが反骨精神で自分の遣りたいことを貫き、当時破竹の勢いだった「クリエーション・レコーズ」を創設する中、破天荒な生活により、ドラッグと酒に溺れていく過程を「トレイン・スポッティング」の監督、ダニー・ボイルが制作総指揮を手掛け、見事に描いている。
<白眉は、彼がラスト近くTVのインタビューで、自分が行って来た音楽活動が、如何にイギリスの(当時の)腐敗した政治に対し若者達の怒りを掻き立てて来たか、如何に政治的影響を発信していたかを涙を浮かべながら熱く語るシーンである。
だが、我に返った彼はそれを自らカットさせ、普通のインタビューに応じて行くのである。
今作は、90年代のブリット・ポップを愛する者には懐かしいし、(「マイ・ブラッディ・バレンタイン」等は、今でも車内で大音量で聞いている。)「トレイン・スポッティング」の作風が好きな方にも響く作品ではないかなと思った作品である。>
雰囲気味わえて楽しい
この頃はBTSとかYOASOBIとかバカ売れしてる音楽を普段から好んで聴いているから世間一般で流行っている音楽もイイんだろうな、などと何となく思ってたけど、先日何気なくテレビから流れてたミュージックステーション特番見てたら、出てくる音楽のあまりのダサさにやっぱり無理!という気分になった。いや、どこの国だって色んな趣味嗜好の音楽シーンがあるんだろうけど、アラン・マッギーの伝記映画とか見ちゃうと、やっぱりホントにポップミュージックそのものを好きな連中が作ったシーンが映画になるぐらい拡がっている国が羨ましくはなってはしまうよ。
というわけでこの映画、そんな羨ましいシーンが拡大していく様をポップにテンポよく描いていて、かなり楽しかった。ジザメリもプライマルもマイブラもそれぞれ映画に出来るぐらいの濃いバンドばかりなので、この映画の登場シーンでは物足りなさは当然あるが、伝説的なマイブラのスタジオ籠りなど、なんとなくミュージシャンのこだわりの武勇伝的な雰囲気で捉えていたものが、レーベル側から見たらケヴィン・シールズの所業はホント最悪だなという新たな発見(?)があったりして面白かった。
あと短いながら強烈だったのはトニー・ブレアのパーティに登場するジミー・サヴィルで、ここで彼の漂わせる醜悪さがなかなか凄くて気持ち悪い。ジミー・サヴィルは芸能界の重鎮だが死後に未成年者への性的虐待などが明るみに出た人物で、ジャニー喜多川みたいなやつ。この映画の時間軸では芸能界、メディアがこぞって彼を庇護していて、映画でも言及されているようにジョン・ライドンのような告発者もいたが、握りつぶされていた。しかし日本と違うのは現在ではちゃんと断罪されて、メディアも誤りを認めていること。この映画でトニー・ブレアと並んで彼を登場させたのは、パンクの精神で音楽の世界に入ったアラン・マッギーが成功した先に見てしまった、ポップシーンを利用だけしようとする政治家や、政治的な利益に寄生した芸能界の象徴とするためだろう。こういうファクターを入れ込んでくるあたりも、映画に反骨のインディレーベル魂を与えていて、作品に相応しかった。もっともここらへんはアーヴィン・ウェルシュの意向が前面に出てるらしいが。
電車に乗り遅れることでオアシスと運命的に出会うなど、そんなアーヴィン・ウェルシュの創作部分も物語のスパイスとした良い塩梅だし、エクスタシー流行下の狂騒の雰囲気や、レーベル初期のパンクな雰囲気も映像で表現されているなど、アラン・マッギーの映画として楽しむのに申し分なかった。まあ、クリエイションレコードの映画としては、ボビー・ギレスピーをもっとフューチャーしても良いのでは?とは思ったけど。
バンドの面々にテンションあがる
いきなりPrimal ScreamのRocksで映画が始まる。
椅子から立ち上がってしまいそうなほどテンション上がった。
なぜかポスターにはMy Blooday Valentineの名前が無いけれど、
まさか出てこないはずがないよねと期待大で映画館へ足を運んだ。
大丈夫だった、期待はまったく裏切られなかった。
いろんな偶然が重なって、Creation Recordsとバンドたちの出会いがあったんだなとわかるストーリー描写で楽しめた。
途中まで、はちゃめちゃなアランの人生録のような感じなのだけど、
最後はなんかほっこりハートウォーミング感さえ漂う感じで、
映画らしい構成だな。と思った。
少しだけおセンチに。
土曜にチネラヴィータ仙台で観ました。
Twitterで上映してるのを知り、翌日急いで劇場へ。
観客は自分含めて4人だけ。他にも音楽好きが多いのか、サブポップ・レーベルのパーカーを着たお兄さんが居たりやはりな、って感じでした。
自分が90年代の時は中〜高校生くらいで、ちょうどセカンドサマー・オブ・ラブ…マッドチェスターが終焉し、ブリットポップ全盛期へと移行した時だったのかな?自分の青春そのものでした。オアシス、プライマル、ジザメリ、他にもブラー、パルプにスウェード、ローゼズ …まだまだ沢山。
この日も映画を観に行く、ってよりかは何かのライブでも観に行く感じがして珍しく面白い感情。
多少は盛ってるんだろうけど、その中心に居たアラン・マッギー氏のハチャメチャな人生が、エクスタシーやらのドラッグと音楽とで彩られて、憧れていた10代の時が蘇ってくるよう。これまた10代に観たトレイン・スポッティングのスタッフが製作に携わる事によって、画はスタイリッシュでどこまでもMV的。
日本にはドラッグ文化がないから、当時のイギリス文化なんてアルコールで代用して分かった気になるしか無いけど、あの時の憧れは今でも自分の中に多少なりともある。
映画としてどうとかはもう置いておいて、何だか嬉しくて懐かしくて、憧れた過去が目の前にあるような気がして少し感傷的になった週末でした。
パンフも雑誌的でカッコよかった。
あぁ言うムーブメントは日本には無かったし、他国でももう来ないんだろうなぁ。。
〜劇終〜
リアムの顔にてる
トレインスポッティングのチームが作ってるだけあってドラッグシーンの絵作りが最高だった
途中でアランの俳優が変わるのがキツかったな〜
いい映画だったけどもっとバンド青春映画だと思ってたからちょっとがっかり、もっとぶっ飛んでて欲しかった
リアムまじで俳優さん顔そっくり
ドラッグ擬似体験ムービー
普段邦ロックしか聴いていないので、このレーベルの存在自体知りませんでしたが、勉強がてらに鑑賞。
んードラッグまみれな映画でした。常にドラッグや酒を浴びまくっているので画面自体が酔い始めて、カラフルになって、回り始めてで、とにかく酔いました。
レーベルのボスの伝記なので、音楽がどうこうよりかはその人物の生き様を見せられるんですが、この人の人生客観的に見るとそこまで面白くない…という感じでした。
音楽はどの楽曲も素晴らしいです。
鑑賞日 10/31
鑑賞時間 20:00〜22:00
座席 C-9
イギリスの音楽レーベルを作った人だとさ。
音楽は詳しくないため、いつも映画で楽しみながら知識を得ている。
アラン・マッギーという人も私は知らなかったので、どんなものかと観てみた次第である。
波乱万丈な人生を、伝記映画というより、コラージュのように、ポップなイメージで描いている。
アラン・マッギーの人生は、この映画では少しわからないところがあるが、音楽に詳しい人が観ると面白いのかもしれない。
ノリで観る映画とも言えるのでいいのだが、もう少しアーティストとの関係性などを描いて欲しかったと思う。
音楽を題材にした映画としては、まあまあとも言えるし、少し物足りなさも残るかもしれない。
#175
ロック系伝記映画の新たな名作誕生
中学生の時から洋楽を聴き始めて、いろんなバンドやアーティストにハマってきたが、その中でもオアシスは特別な存在の一つ。そのオアシスやプライマルスクリームが所属していたレーベル「クリエイション」の話となると期待感はかなり強かった。
いきなりプライマルの「ROCKS」が流れてテンションが上がる。アラン・マッギーがボビー・ギレスピーと同級生だったなんて驚いた。その他にもあらの周りでいろいろと破天荒な出来事が起こる。多少は盛ってるんだろうけど、それでもとにかく面白かった。めちゃくちゃな部分もあるし、運に助けられたときもある。オアシスとの出会いなんて、どれだけのラッキーが重なったんだ。本作のクライマックスとも言える重要なシーンだった。リアムやノエルを演じた若い俳優たちの雰囲気がとてもよかったのも高評価。あの感じはまさにギャラガー兄弟だった。ジザメリやマイブラはそれほど好きではなかったが、クリエイションのすごさを存分に楽しむことができる映画だった。
さらに、母、そして父とのエピソードもいい。伝記映画ってこういうのが重要な要素だよな(このあたりが意外と「ボヘミアン・ラプソディー」と同じ流れだなと思ったりするが)。最後にヘッドフォンで聴いてたのがあの曲で、うんうん!いい曲だよね!なんてニヤニヤしながらホロリと来ちゃったり。あんなに破天荒な内容だったのに、最後少し感動させちゃうんだもの。
でも、アラン役の俳優が少年からいきなりおじさんになるのは違和感がありすぎた。こういうところも伝記映画の難しさだな。
感謝
1990年代のブリットポップを牽引したイギリスの音楽レーベル、「クリエイション・レコーズ」の創設者アラン・マッギーのお話。
というわけで、オアシスで育った世代としては、ホント彼に感謝してもしきれない。
反抗することは時に必要だってゆー。
リアム役に立って俳優さん、似てたなぁ🤣
ドキュメンタリーではないからなー。
もっと、クリエイションのバンドがフューチャーされてるのかと思ったのだけど…
クリエイション・ストーリーズというより、
アラン・マッギーの歴史みたいな感じでした。
あと、まぁ、オアシスメインになりますわな。
個人的には、もっと、彼ら以外のバンドたちの何かしらを観たかったんだよなー。
まぁ、ドキュメンタリーではないから、こんな感じですよね。
アラン・マッギー役が、ちょっと、瘦せぎすのオジさん過ぎで、イメージと違ったなー。
でも、やっぱり好きなレーベルだったし、好みのアーティストばかりだし、
単純にクリエイション・レーベルファンは楽しめるんじゃないかなー。
予備知識がないと厳しかった
oasis発掘の時の表現がガチでエルヴィスの大佐のリアクションに近似値だったが、あんなに気持ち悪くはなかったので良かった。←言い方
要所要所で大切なエピソードが語られる一方、あまり楽しめなかったのは自分にそこまでの基礎知識がなかったことが敗因。
これ、サントラ無いんすか?
クリエイション?聞いたことあるな? あ、オアシスの? くらいの認識...
クリエイション?聞いたことあるな?
あ、オアシスの?
くらいの認識で見ました。
あの頃のイギリスのミュージックシーンって
やっぱりあつかったよな〜って思った。
全く飽きずに最後までずっと興味を持って見られた。
【ロンドンに行きたい】をまた読みたくなった。
とにかく評価には困るけど、音楽好きならぜひぜひ。
今年312本目(合計587本目/今月(2022年10月度)26本目)。
どうしても見たかったので3時間コースのRRRから40分の移動で視聴。というかこの映画、大阪市では2つの映画館でしかやっていないのですよね…。
なお、私自身は今は音楽はやっていないものの、15までエレクトーンをやっていた(6級)程度の知識ですので、さすがに演奏はもう無理ですが楽譜は読めるし音楽は好き、というくらいの知識量です(そういう知識を授けた親には感謝しかない)。
さてこちらの映画。
特定のアーティストにスポットを(極端に)あてたわけではなく、タイトル通り、クリエイション・レコーズ(→レコード・レーベル)を扱ったというかなり変わった映画です。そのような事情もあるし、最初に「本映画は史実にほぼ基づくが、個人の名誉にかかわる点は人名などを変更してある」などと出ますので、結構後からおいかけて調べるのは難しいです(パンフレットなども存在しない)。
音楽映画といえば、実際のアーティストやバンドや演奏技術などにスポットをあてた映画が多いところ、このような「影役」を扱った映画というのは斬新に感じました。この点は明確によかったですね。
一方で、やはりこういう「地味な」活動であること、さらに、(上記の事情から)多少は変えてあるとしてもほぼ史実にそっているという関係上、かなり淡々と話が進むうえに、突然時間軸が動いたり(ただ、時間軸はたくさんない模様。おそらく2つで、最大3つ?)、そうかと思えば音楽映画なのに薬物シーンがあったり大人の営みがあったり(なお、この映画はPG12に過ぎない)、やや趣旨がわからず混乱する部分は確かにあります。
なお、他の方も書かれていますが、ところどころ「マニアックな音楽ネタ」が入っているのは確認しました(が、それを一部ないし全部追えるのは、ある程度の音楽ファンだけな気が…。もっともこの映画、音楽の「お」の字も嫌いという人はいかないと思うけど)。こうした「サービス的な要素」はよかったですね。
私はこの映画は(広い意味での)音楽映画だと認識していたので、大阪市では2つしかない映画館の中で小さいほう、それも前列という一番「音が感じられる場所」を選びましたがそれもよかったです(こういう映画は、映像ももちろんだけど、音の聞こえ具合もやはり(一般の映画よりは明確に)ポイントになるからですね)。
特に減点対象とすべき点はないので(まぁ、大人のシーンだの薬物のシーンだのは、史実通りに描かれているなら仕方がない)、フルスコア扱いにしています。
独特なドライブ感でグイグイ進む
オアシス等を輩出し世界ナンバーワンと言われた(らしい)インディーズ・レーベル"クリエイション・レコーズ"の創設者、アラン・マッギーの半生を描いた作品。
自分はあまり洋楽どっぷりなタイプではなかったので知識が浅いままに観たが
過去現在を自在に行き来しつつスピーディにグイグイ進むので流れに身を任せる形で楽しめた。
ダニ―・ボイル監督の『トレインスポッティング』と共通するキャストやスタッフが多いこともあり、トレスポ感は強い(ドラッグの描写も多い)のだが、音楽業界の実話という地盤の映画であるためか鑑賞後感は異なり、家族や夢を追うことに関するところに帰結するのが共感にもつながる気がした。
正直なところ丁寧に説明するような映画ではないこともあり一度の鑑賞で全てを消化できておらず、観た直後は感想に困ったのだが、一緒に観た知人の解説をうけて理解が深まった。
音楽に詳しい知人から言わせると、かなり細かいネタが散りばめられているらしく
音楽ファンは更に楽しいだろう。
レーベルの音楽はほとんどサブスクで聴けそうなので、聴いてまた観たいと思った。
(カリコレ先行上映にて)
ダニー・ボイルorガイ・リッチーフォロワーなドラッグ・サクセスストーリー
オアシスやプライマル・スクリームなどを見出したアラン・マッギーの半生を映画化…との事だが、正直彼のことは全く知らずに、何にも情報を入れずに鑑賞。
プレイヤーとしてではなく、マネージャー(裏方)として頭角を現していくアラン。いわゆるはみ出し者のサクセスストーリーではあるが、彼の内面の脆さや儚さが伝わりにくく、感情移入がし辛い。『エルヴィス』のトム・パーカーも実在した胡散臭いマネージャーだったけど、それと比べるとアランのマネージメント能力の卓越さがイマイチ伝わらなかったのが残念。
テンポ良く進む構成から、ダニー・ボイルorガイ・リッチーフォロワーの作品かと思ったら、製作総指揮をボイルが、監督を『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』の俳優ニック・モランが務めていたと後で知って納得。もはやボイル&リッチー作品は映画作りのテンプレートとなっているんだろうけど、このフォロワー作にも終始ノレなかったのは、やっぱり彼らの作風が苦手だからだろうか。
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