劇場公開日 2022年7月1日 PROMOTION

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リコリス・ピザ : 特集

2022年6月27日更新

【人生に迷う女性】が、年下の男の子と出会った――
そこから始まる、まさかの【恋のマウント・バトル】!
海外のあの人も、日本のこの人も、みんなドハマり中!

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「僕は・この映画が・大好きだ」。エンドロールの最中に立ち上がり、そう叫びたい気持ちを抑えるのにひどく苦労した。

7月1日から公開される「リコリス・ピザ」は、物語のクオリティはもとより、観る者の「好き」を引き出す特別な力に満ち満ちている。監督は、世界中の映画ファンから特に愛されるポール・トーマス・アンダーソン。主演はこれが初主演となる瑞々しい若者2人――。

映画.com編集部はもちろん、日本、いや、世界中の映画ファン・映画人が絶賛の声を寄せる本作。その魅力は何なのか? あらすじや感想、解説を交え、明らかにしていこう。


【予告編とあらすじ】

1970年代、ハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。高校生のゲイリー・ヴァレンタイン(クーパー・ホフマン)は子役として活躍していた。一方、アラナ・ケイン(アラナ・ハイム)は、社会に出て働くも、将来が見えぬまま過ごしていた。

ゲイリーは、高校の写真撮影のためにやってきたアラナに一目惚れする。「君と出会うのは運命なんだよ」「僕はショーマン。天職だ」。未来になんの迷いもなく、自信満々のゲイリーに、アラナは「自分の将来? 夢? 分からない」と力なく答える。それでも、ふたりの距離は徐々に近づいていく。

目がくらむほど眩しくても、君から目をそらすことができなかった。誰もが「あの頃の気持ち」を思い出す、ある夏の記憶――。


【世界中で絶賛、絶賛、絶賛】魔法の力を持つ
青春の物語…あの海外セレブも“意味不明”なほど感動!

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アラナとゲイリーの恋を、彼らが「僕/私のほうが上手」とマウントを取り合う姿を交えて描き出す本作。年上女性と年下男性、ふたりのシーソーゲームのワクワクとドキドキを、観客も共有し甘酸っぱい気分になる――。

この項目では、まずは鑑賞した海外セレブの反応をご紹介していこう。


●マドンナのハートに“クリティカルヒット”! 鑑賞後に掃除しちゃうほどドハマり

“世界で最も成功を収めた歌手”のひとりであるマドンナも、本作を鑑賞済み。映画館で観たとのことだが、あまりにも本編に感動しすぎたため、独特の感情表現でその興奮を語っている。

自身のInstagramアカウントで「『リコリス・ピザ』を観た。オーマイガー! インスパイアされたから、劇場をきれいにしなければ!」とコメント。いかに「リコリス・ピザ」にハマったかがよくわかる。

参照…https://t.co/Bmv3in65iZ

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●クリステン・スチュワートも“主演女優のカリスマ性”にメロメロ!

主演の1人であるアラナ・ハイムへの評価も爆上がり中。ゆえに、彼女と実際に会った人は「アラナがいる!」と強く感銘を覚えるようだ。

それはクリステン・スチュワート(「トワイライト」シリーズなど)でも同じ。スチュワートはアカデミー賞授賞式のアフターパーティーでアラナを見かけ、興奮のあまりダッシュでハグ! 彼女たちのかわいらしさと微笑ましさも相まって、海外では話題となった。

参照…https://twitter.com/KSBRSite/status/1508451849724170242?s=20&t=Rb2BQs9UZaC63m9eLBTPwQ

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●トリビア:劇中に、レオナルド・ディカプリオ(の父)が出演している

作中にはさまざまなイースターエッグが隠されているが、調べていて驚いたのが、レオナルド・ディカプリオ……ではなく彼の実の父が出演しているということ!

劇中でウォーターベッドを売っている人物を、父ジョージ・ディカプリオが演じている。面白いのはここからで、ジョージは実際にウォーターベッドを販売していたことがあるとのこと。さらに、オファーを出したポール・トーマス・アンダーソン監督は、このことを知っていたわけではなく(有名な話ではないため)、まったくの偶然で出演が実現したそうだ。

これには息子レオも大喜び。「父が出演してるんだよ! まだ映画は観てないけども!」

参照…https://people.com/movies/leonardo-dicaprio-dad-cameo-licorice-pizza-director-explains-how-happened/

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【もちろん日本でも最高の評価!】映画ライターや
評論家、監督たちが語る“最大の魅力”とは?

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では、日本ではどのような評価になっているのか? ひと足先に鑑賞した著名人のコメントを基に紐解いていこう。


●「桐島、部活やめるってよ」吉田監督らも心酔「簡単にノスタルジーとは呼ばせない」
・オカモトコウキ(ミュージシャン/OKAMOTO’S)

全てが終わった瞬間「完璧じゃん」と呟いた。
なんでもないシーンの連続なのに
全てをずっと覚えていたくなる魔法のような映画。


・吉田大八(映画監督/「桐島、部活やめるってよ」など)

ホワイトジーンズのヒップの汚れと、
最高に眩しくブサイクな日々を
高解像度に定着させて容赦なし。
簡単にノスタルジーとは呼ばせない。


・伊賀大介(スタイリスト)

“傑作しか撮らない男” ポール・トーマス・アンダーソンがまたやりやがった!!
『ブギーナイツ』の懐かしくも切ない70sの景色と感触に『パンチドランク・ラブ』の色彩と笑いを足したら『マグノリア』級にグッとくる、恋愛&青春映画が出来上がったというオハナシ。
恋愛ってヤツはとにかく複雑で、面倒だ。
だからこそ素晴らしい。


・Licaxxx(DJ)

そういえば恋のプレイリストを作ろうと思っても照れちゃって上手くまとまりませんでした。
代わりに作ってくれてありがとう、ポール・トーマス・アンダーソン。

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●気鋭の映画ライター・児玉美月は明かす「私たちを純然たる映画の旅に連れ出してくれる」

次にご紹介するのは、新進気鋭の児玉美月(「キネマ旬報」「映画芸術」「ユリイカ」などにも多数寄稿)によるレビュー。果たして、どのような視線で本作を見つめたのか?


青春映画では、とにかく恋する若者たちが走る。「リコリス・ピザ」もまた、そんなセオリーの例外ではない。

本作はゲイリーが恋するアラナをデートに誘いながら同じ方向に歩く彼らを、おだやかなトラッキングショットで追うオープニングシークエンスで幕を開けるが、やがてふたりがお互いめがけて走り出すラストシークエンスへと向かっていく。

唯一無二の存在感を放つヒロインのアラナがその姿を初めてスクリーンに現すとき、列を成して歩いている群衆の流れに逆らって威勢よく歩いてくる。そんな演出が体現するように、本作はあらゆる常識や時代の風潮に抵抗するエネルギーにみなぎっているのだ。

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描かれるのはいまここから見れば、差別も暴力も野放しかのようなかつての世界。しかしそんな混沌のなか、ゲイ男性と人生に迷うアラナが「みんなクソ」と言い合いながら友愛の抱擁を交わしもする。若く恋するふたりの顔にはニキビを隠すメイクも施されておらず、剥き出しのまま未熟な感情を暴発させていく。

アラナは他人のバイクに乗せられれば転げ落ちもするが、ガス欠の大型車だって自分でハンドルを握れば走り切る。ポール・トーマス・アンダーソンはそうして歩く/走るといった運動に加えていくつかの乗り物を扱いながら、カメラの速度を自由きままに操ってみせる。まるでコントロール不能な青春期の時間そのものであるかのように。

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同じくロサンゼルスを舞台に実在の人物を織り交ぜたクエンティン・タランティーノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のように複数のエピソードに寄り道を繰り返す構造ながら、それでもゲイリーとアラナによるロマンスの一本の糸は途切れることがない。

「リコリス・ピザ」はときに加速し、ときに蛇行運転しながら、わたしたちをジェットコースターさながらの純然たる「映画」の旅へと連れ出してくれる。(児玉美月)

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【なぜ、こんなにも夢中に?】秘密は[監督]にアリ!
唯一無二の物語生む天才PTA、感性全開で渾身作を創出

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さて、ここまで著名人の興奮の声をお伝えしてきたが、最後の項目では、映画.com編集部が「リコリス・ピザ」の魅力の源泉を解説していこう。


●監督:ポール・トーマス・アンダーソン(通称PTA) 物語と演出に秀でた“世界最高”のひとり

ひとつめの魅力は、監督が“世界中の映画ファンが愛してやまない”人物であること。ポール・トーマス・アンダーソン、PTAの通称で呼ばれる巨匠である。

「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「ザ・マスター」で知られ、世界三大映画祭(カンヌ、ベネチア、ベルリン)のすべてで監督賞を獲得している稀有なクリエイター。そこまで作品数は多くないものの、ほとんどの監督作がアカデミー賞など、錚々たる映画賞に輝いていることからも、その偉大さがよくわかるだろう。

しかも、彼の出世作「ブギーナイツ」と同じ1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーが舞台。世界最高の才能の1人にして、新作が待ち望まれるPTAの新作こそが「リコリス・ピザ」なのだ。

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●“映画の波に身を任せる”体験…クールな恋のマウント・バトル、瑞々しい心情描写、心浮き立たせる音楽

ふたつ目の魅力は、本作で得られる映画体験の豊かさにある。

一言でいえば、まるでおだやかに、しかし確実に打ち寄せる物語の“波”。ボーイミーツガールの甘酸っぱさから始まり、子役の悩みに触れ、変化する時代のなかで新たな事業を起こそうとする少年たちの姿を描く。かと思いきや、気になるあの子の気持ちがわからず、ヤキモキする青春の1ページもあり、一方で映画界のスターの破天荒な生活も盛り込まれていたり……。

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物語は刻一刻と表情を変え、元に戻り、さらにまた表情が変わる。気まぐれに見えて、絶妙に計算された転調に逆らわず、ゆらゆらと浮かぶように身を任せれば、やがて映画が最高の瞬間に導いてくれる。論理よりも、心を直接(かつ心地よく)動かしてくれるタイプの作品なのだ。

なお、ゲイリー役はクーパー・ホフマン。PTAの盟友である故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子が、映画初出演で初主演を飾った。さらにアラナ役は、サンフェルナンド・バレー出身の3人姉妹バンド「HAIM(ハイム)」のアラナ・ハイム。

ほかショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディら、錚々たる面々が名を連ね、監督自身が選曲した全38曲の音楽が時代を彩り、物語を白昼夢のようなテンションで盛り上げていく。

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●世界中の映画人がゾッコン…結果、アカデミー賞ノミネートほか数々の映画賞に輝く

最後に、人々を魅了した結果をお伝えして特集を締めくくろう。他のPTA作品の例に漏れず、今作も実績は十二分! 世界最高峰の映画の祭典である第94回アカデミー賞では、作品賞・監督賞・脚本賞にノミネート。第79回ゴールデングローブ賞でも、最優秀主演男優賞・女優賞含む4部門にノミネートされていた。

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さらにさらに、ナショナル・ボード・オブ・レビューでは3部門を制覇。作品賞やPTAの演出への評価、そしてアラナ・ハイム&クーパー・ホフマンのフレッシュな演技に高評価が集中する結果となった。

作品の中身も、そして映画賞という客観的な評価も、どのアングルからも「観るしかない」と訴えている「リコリス・ピザ」。ここまで読んでくれたあなたは、おそらく観に行くことは決めていると思う。残る問題はただひとつ、「何回観に行くか」だ。

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