天上の花のレビュー・感想・評価
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詩人・三好達治のドキュメンタリー
天上の花 大阪十三の映画館「第七芸術劇場」鑑賞 2023年11月7日 詩人・三好達治のドキュメンタリー 詩人・萩原朔太郎の娘である萩原葉子の小説を映画化。 1966年に発表した萩原葉子の小説「天上の花-三好達治抄-」を題材にしている。 太平洋戦争真っ只中である。 達治と慶子は越前三国でひっそりと新婚生活を送り始める。 気に入らないと、慶子を殴る、何度も繰り返されてしまう。一途な愛と憎しみを制御できなくなっていく。 「ことばが弾になって、敵を倒すことができないけれど、国民を励まし、勇気づけられるんじゃないかと思って」達治は述べる 「あなたがどんな詩を書いたって、日本は戦争に負ける」と慶子は泣きじゃくる 慶子演じる女優「入山法子」の迫真の演技に感動した。
みんなが見逃した邦画の佳作
久 し ぶ り に 切 れ 味 の 良 い 純 正 で 無 垢 な 邦 画 を 観 た 。 イ ン パク ト の 強 い 濃 厚 な 魅 力 を 感 じ さ せ て く れ る 充 足 感 が あ っ た 。 「 天 上 の 花 」 は 、 舌 に 苦 み が 残 る ビ タ ー テ イ ス ト な 仕 上 が りで 、 決 し て 観 終 わ っ て 心 地 良 い 映 画 と 言 う 類 い で は な い 。 だが 作 り 手 が 意 識 し た か ど う か は 分 か ら な い が 、 こ の 作 品 は D V 、ハ ラ ス メ ン ト 、 ス ト ー カ ー 、 ジ ェ ン ダ ー な ど の 現 代 的 な 社 会 問題 を 想 起 さ せ る 表 現 が あ る も の の 、 そ れ を 持 っ て 不 快 な 映画 と 片 付 け る の は あ ま り に も ナ ン セ ン ス で あ る 。 こ う し た 表 現 は 、そ の 必 然 性 が 観 客 に 伝 わ る こ と で 初 め て そ の 意 味 を 成 す 。 そ れ は こ の 作 品 が 原 作 の 中 で 最 も イ ン パ ク ト の 強 い 一 部 分で あ る 美 好 達 治 と 萩 原 朔 太 郎 の 妹 ・ 慶 子 の 愛 憎 劇 に 絞っ た と こ ろ と 戦 中 か ら 敗 戦 直 後 に 時 代 が 限 定 さ れ た こ と に ある 。 極 寒 の 荒 れ 狂 う 日 本 海 に 面 し た 港 町 を 舞 台 に お 互 いに と っ て 不 幸 な め ぐ り 合 わ せ と し か 言 い よ う の な い 男 女 の 葛藤 が 繰 り 広 げ ら れ る 中 で 、 三 好 達 治 の あ ま り に も 純 粋 す ぎる 極 端 な 特 異 的 な 性 格 が 為 せ る 技 と は 言 え 、 戦 中 の 日 本の 男 性 が 女 性 に 手 を 上 げ る こ と 、 女 性 は こ う あ る べ き と 箸 の上 げ 下 ろ し か ら 夜 の 生 活 の ス タ イ ル ま で 口 う る さ く 言 う な ど とい う こ と は 日 常 茶 飯 事 だ っ た に 違 い な い 。 負 け る は ず の な い日 本 が 敗 戦 を 迎 え る こ と で 、 そ れ ま で の 価 値 観 が ガ ラ ガ ラ と崩 れ る 様 、 そ の 喪 失 感 が 戦 後 の 闇 市 の 女 に 達 治 が 女 性上 位 を せ が む 場 面 に 見 事 に 表 現 さ れ て い る 。 同時期に 観た 製 作 費 が 5 4 0 億 と 言 わ れ る 「 ア バ タ ー 」 の 続 編 が 、延 々 と お 互 い に 殺 戮 を 繰 り 返 し な が ら 、 身 内 の 死 だ け を 情緒 的 に 描 く こ と で 感 動 を 誘 う の に 対 し て 、 片 や 、 そ の 制 作 費の 爪 の 垢 ほ ど で 作 ら れ た こ の 映 画 の 潔 い と こ ろ は 、 登 場 人物 の 誰 に も 感 情 移 入 し た 描 き 方 を し て い な い と こ ろ だ 。 そ の客 観 的 視 点 が 、 逆 に こ の 映 画 に 重 み を 与 え て い る 。 か つ て 市 川 崑 が 映 り も し な い 茶 箪 笥 の 中 の 器 に こ だ わ っ た と い う 逸 話 が あ る が 、 こ の 作 品 が 邦 画 と し て の 品 格 を 持 ち 得た の は 、 映 画 美 術 の 功 績 が 大 き い 。 成 功 の 原 因 は 時 代 や舞 台 設 定 が 限 局 さ れ た こ と で 、 時 代 考 証 が 散 漫 に な ら な かっ た か ら だ 。 こ の 映 画 の エ ピ ロ ー グ 、 達 治 が 慶 子 へ の 想 い を捨 て き れ ず に 死 ぬ ま で 後 生 大 事 に 抱 え て い た 色 艶 や か な 上質 な 着 物 の 美 し い こ と 。 そ れ を 眺 め て 「 今 更 こ ん な も の 」 と一 蹴 す る 慶 子 の セ リ フ に 戦 後 か ら 更 に 十 数 年 経 過 し た 時の 流 れ を 感 じ さ せ る 秀 逸 な 幕 切 れ で あ る。
詩人が主人公というのはかなり珍しい
三好達治が主人公で萩原朔太郎も重要な役回り、詩人が映画に取り上げられるのはとても珍しいと思う。戦前の日本の封建的価値観、第2次世界大戦中の戦争詩の問題など、おそらくは原作にかなり忠実なのだろうが、三好達治という詩人の生き方を正面から描いている。 演出も抑えが効いていて(一度だけ三好達治が叫び回るシーンが残念)、構成的にも終盤に描かれる妻に離婚を迫る場面、戦後の娼婦との場面など効果的だと感じた。少し残念に感じたのはケイコはもう少しコケティッシュというか妖艶な感じでも良かったのではないだろうか。食べ物やお金へのこだわりなど庶民的な印象が強かった。まあ、時代を考えればあれでも十分革新的な女性のイメージなのかもしれないが。
狂気を感じるような凄い映画でした。 原作をかの有名な萩原朔太郎の娘...
狂気を感じるような凄い映画でした。 原作をかの有名な萩原朔太郎の娘の萩原葉子の小説「天上の花 三好達治抄」とした文芸映画で、まさに日本映画という感じで日本映画好きの自分としてはとても面白かったです。 映画の内容自体も凄いですし、それを令和のこの時代に実際に映像として表現されているのを見てとても目が覚めるような、狂気を感じました。 言葉では言い表しにくい、感情や心を掻き立てる強い印象に残る映画でした。 また監督の片嶋さんや東出さん、入山さんが出席された舞台挨拶に実際に参加できて、生で俳優さん達から実際の言葉を聞けたのもとてもよかったです。
昔の詩人や小説家はワガママだったのだろう
萩原朔太郎を師と仰ぐ三好達治は、朔太郎の妹で出戻りの慶子と出会い一目惚れしたが、慶子は別の男性と再婚してしまった。十数年後、慶子が夫と死別したことを知った三好は、妻子と離縁し、慶子を福井の三国に呼び同居を始めた。潔癖な人生観を持つ三好は、慶子に対する一途な愛と嫉妬で自分を制御できなくなりDVを繰り返すようになる、という話。 三好達治が慶子を拘束しDVを繰り返したのは男尊女卑、当時の家に縛られる考え方で観ないと、現在の価値観じゃあ理解できないだろうとは思った。 昔の小説家や詩人はホントにワガママな人達が多かったのだろうと思う。それくらいの感性がないと素晴らしい小説を書いたり、詩を作ったり出来ないのかもしれない。 入山法子の慶子は美しかった。
芸術家、詩人のある一面を活写した作品
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降り積む。 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降り積む。 「雪」のタイトル、三好達治の詩とは知らずとも、何となくどこかで見聞きしたこともあるのではなかろうか。 作品中にも登場人物が、この詩を通じて三好の一面を語っている。 三好達治、抒情詩の名手として文学史に残る詩人だが、その実暴力的な狂性を持ち合わせた男――として映画は彼を描く。 私は、詩と現代詩を2年前から読み、そして自分でも書く(note 町谷東光で検索してね)ようになり、初めて三好や本作にも登場する萩原朔太郎の詩に触れた。 たかだか2年、しかも還暦間際になってそんなことを今もやっている男である。 この映画については、映画としての評価はギリギリ★4つ、こういう地味なテーマに光を当てて作品化、公開した関係者の努力、さらにいうと価格1000円ながら、読みでのあるパンフレットを評価して、★5つをつけたい。 鑑賞日は日曜日の午後。東京ではもう公開も終わりに近いこともあって、80席余りの館内には年齢高めの映画ファン、詩の愛好者(?)が30人余り入っていた。 芸能人としては、いろいろとやらかしてスキャンダル俳優の色がついてしまった主演の東出だが、もともと柄も顔もいいんだし、この手の役柄にはぴったり。 あの演技をうまい、とまでは言わないが、表現者というのは表の部分だけでなく、全体から漂う、漂わせる雰囲気も非常に大事。現状の彼にはそれがある。 テレビでは使われない(当面? 当分?)役者だけに、ギャラもそこそこであれだけの働きをする、制作者側には使い勝手のいい俳優なのかも、といういじわるな見方も個人的には抱くけれど。 東出といえば、来年3月公開予定の「Winny」(試写で鑑賞した)でもなかなかの怪演ぶりを見せている。表世界で再び活躍できる日が来るかどうか…。 一方、本作で初めて私が認識した女優、入山法子。どこかで見たことある風貌、スタイル――。 1980年代に人気のあったモデル、甲田益也子(こうだみやこ)かと思った…(笑)。 入山もモデル出のようで、しかもそこそこ長く女優もやっているというのに、まったく私は知らなかった。 長身の東出と釣り合う、これまた柄のよい入山。もうちょっと人気、認知度が上がってもよさそうなもんだが…。 おっと、ちょっと脱線した。 三好や朔太郎などの、昭和戦前期の詩壇に関心がなかったり、知識がなかったりしても、一人の芸術家、詩人がもつ凶暴性がどう存在したか。それをスクリーンから読み取り、感じ取れる良作だ。 冬の日本海の景色、てっきり福井で撮ったものかと思ったら、福井から結構距離のある新潟・柏崎というのは残念だが、海の景色、空、森などロケ場面も含めて、映像もいい出来栄えである。 いずれにせよ、もうちょっとうまくプロモーションできなかったろうか。映画好きでも詩に関心がない人には手が出にくい、足は運び難い作品。 凶暴な男とそれでも生活を共にしていた女――。今の時代なら、いや今の時代にも結構存在する男女の関係。そう、暴力による支配と被支配。そんなものを作品のフックにできなかったろうか。 描く世界はまったく違うが、時代的にはヒット中の「ラーゲリより愛を込めて」(僕も★4つつけて褒めたが)と同じだろうに。 公式HPのメーンコピーは、 「あなたがどんな詩を書いたって、日本は戦争に敗ける」 になっているが、これじゃ、客は呼べんでしょう。 まだ、予告編の中にある 「時代に翻弄されつつ、詩と愛に葛藤しながら 懸命に生きてきた者たちへの鎮魂歌」 こちらのほうが、まだ近い。何も訴えてこない下手なコピーだが。 せっかくの作品も、売り方(宣伝)の力不足で浸透せずにフェードアウトという印象である。 寺脇研さんも、官僚ぶってカッコつけてんじゃなく、捨て身の宣伝をしなきゃ…。←蛇足。 もう一つ蛇足。 久々に新宿武蔵野館に行ったが、あそこは館内に金をかけていろんなものを展示している。映画ファンの気持ちをくすぐってくれる。本作の大きなパネルや、出演者のサインとかも、ファンにはうれしい展示だ。プログラムを入れる袋もタダだし。 TOHOシネマズなんか、極力行かないようにしよう。
花はどこへゆく
幾年も同じひとを愛し続けていく。 その愛は、やがて暴力というかたちでしか伝えられなくなっていく。 痛い。辛い。苦しい。 東出昌大さんは愛し愛されたいのに、その表現の仕方が分からずに朽ちていく、まるでゴーレムのようでした。
戦争を詩人から考える
たまたま時間があったため、事前知識なしでトークショー付きで鑑賞。 「詩人は結婚しない方がいい」トークショーでの一言。 頭の中で理想がある中で、それが現実と乖離した時に耐えられない、ということ。 戦時中の愛国教育をうけて凝り固まった思想がそれを助長する。 三好にとって、愛国者であり、ケイコを愛する自分を否定されることが存在意義を否定され、許せない。 詩人とはこういう人間だと思うとともに、理解できないと否定するのではなく、詩人の観点から戦争について考えるという映画でもあった。 作品として 東出昌大の怪演?不器用でまっすぐな印象と合致する。 俳優は現代っぽく時代に合っているとは言い難いが、演技は自然であった。
ぎぃ子
三好達治が好きになった萩原朔太郎の末の妹アイ(映画では慶子)は姉たちとは違ってはなやかなタイプの美人で性格が悪く、23歳で2度の離婚を経験していた。結局バツ4ですか?あの時代に凄いですね。よっぽど色っぽい美人だったんだしょうね。そりゃ、16年くらい想い続けても不思議はありませんね。東京帝大の文学部仏文学卒の三好達治はすでに雪(太郎を眠らせ 太郎の屋根に雪ふりつむ 次郎を眠らせ 次郎の屋根に雪ふりつむ)を発表していたようである。佐藤春夫の娘、智恵子がこんな優しい詩を書くあなたの子を産みたいと、ぎぃ子が言う場面が好き。
雪上の赤。
詩人三好達治。妻子を捨て16年4ヵ月思い続けた慶子を後妻として迎え、越前三国で隠れるように静かで質素な暮らしを始める。 日本が戦争へと突入してゆく中で自分は金の為に愛国心を詠む。詩人としての葛藤と空しさ。人としての弱さと捨てられない自尊心。やがて身も心も堕ちてゆき、慶子に暴力をふるうことで精神を保とうとするようになる。でも達治が一番憎悪を抱いていたのは他ならぬ自分自身に対してだろう。 長過ぎた16年4ヵ月。その間に愛情はただの執着に変わっていたのかもしれない。男尊女卑の思考が強く、堅物で神経質。とてもじゃないけど今まで不自由なく暮らしてきた慶子の手には負えない。 東出昌大は心を病んだ役がうまいと改めて思った。詩の朗読も心地良かった。入山法子の雰囲気も時代によく合っていたし何より美しかった。終わりがちょっとくどくどしてしまってそこが残念でしたけど、文学的で良質な1本でした。
僕はあなたを16年4か月想い続けてきた。
舞台挨拶付き。 この時分の文化人には、女にだらしなく金銭感覚がずれている人間がそこそこいて、今でいえばコンプライアンスにひっかりまくっている評伝ばかり。ここにでてくる三次達治もまたその一人と言える。ただし、本人の名誉のために書き添えれば、映画のすべてが真実ではない。そのエクスキューズとして人物の名も変えてあるのだろう。 あくまで映画の中の三次達治評として。 ただ、"美しい"だけで慶子に惚れこんでしまった達治。「やはり野に置け蓮華草」の典型的な悲しい展開が、三国湊で同居を始める二人に待ち受ける。想いに沿わない慶子に暴力をふるう達治も悪いが、もともと(世間的なものは別として)純粋に慶子を愛した達治の言動が変わっていった原因が彼女に一切ないとは言えない。あなたを想って、と渡した詩集『花筐』を、今読まなくちゃいけないか?って突っ返したら、それは詩人としての彼の存在を否定したようなもの。捨てセリフのように「あなたがどんな詩を書いたところで日本は戦争に負ける」と言われたら達治には刃物で切り裂かれたようなもの。「一万円あげたら戻ってきてくれますか?」なんてサイコパスな願いを言うのも、慶子自身が作り上げたようなもの。だから、いつまでも慶子を忘れがたく、のちに娼婦に「上に」と願う心情も哀れですらある。 この役を東出昌大が演じる以上、観客には観る前からすでに何かしら(言わずと知れたスキャンダルの)バイアスがかかっていて、そのおかげで客の脳裏で作られるキャラクタ形成に深みが増す。東出は、それをむしろ武器にしてる気もする。個人的には、どこか文芸的な下地も漂わせながら、世間にへつらうことのないその姿勢は好きだ。だから、達治がときどき生身の東出ではないかと想像してしまう。「太郎を眠らせ、・・」と謳いあげながらそのもう片方の手で他所の女を抱き上げるような達治はまた東出本人のようでもある。それは、裏切りと映るかもしれなけれど、そいう二面性こそ表現者の資質なのかと思う。肯定はしないが。実際、舞台挨拶の壇上での彼は、着飾ることがなくてもそこはかとないオーラがあった。 挨拶の中で、劇中に引用した誌についての解説もある、というのでパンフレットを買う。 プロデューサー寺脇氏と元日本教育学会会長の広田氏の対談を読むと、戦争詩を書いたり、慶子を殴る達治の精神構造の根っこが見えてくる。軍の学校生活を過ごした経験のある達治だからこその行動なのだと理解(だからといって支持ではないが)できる。自分の言葉が通じない慶子に対する苛立ちも間接的に伝わってきた。叩く(手を上げる)と蹴るの違いもうなずけた。 落語家の林家彦三さんの寄稿もある。もともとこの映画を観るきっかけはこれなのだが、その文の中で「愛情もかなわない力がある、それは時間だ」というハイネの言葉を引用し、原作の、「時間さえ止まってしまえば、この愛は変わらない」、の言葉につなげている。その感情は分からなくないけれど、そんな、凍結しなければ手から放れてしまうような愛など、とても辛いことだとも思う。むしろ"時間"が絶対的な力を発揮するのは、"悲しみ"に対してだと思う。それも、時間を止めるような不可逆的な切望ではなくて、抗うこともできずに流れていく時間にただ身を任せることで、"悲しみ"は薄められ、その力は発揮される。つまり達治にとっては、叶うことができなかった愛を受け入れる服薬としての"時間"こそが必要だったのかな、と思う。ただし、消えることはないのだよな。その代わり、それが美しい思い出に変化していくことはある。晩年、大事にしまっておいた慶子の着物を時々眺めていたであろう達治の姿を想像するにつけ、ぜひそうであってほしいと願うし、その表情は穏やかであってほしい。 そしてこの文中で彦三さんが言うのは、寄稿するにあたり、人に、恋や愛について尋ねた際に一様にして「誰しもが中空を見上げるようにして、語りはじめた」らしい。その下りを読んだ時、突然にぎゅっと胸をつかまれた気分になった。そのとき、僕の胸にもいくつかの、かつて美しかった花が開いてみえた。
キャスティングが良かった、 と思わせるのは 俳優が頑張ったからなの...
キャスティングが良かった、 と思わせるのは 俳優が頑張ったからなのか 知らない人の話だったけど 調べてみたくなった
詩人三好達治が暴力夫だったとは驚きです。
詩人が主人公となる日本の映画は珍しい。この歳になっても、詩はよくわからない。 以前NHKBSで田村隆三らを主人公にした「荒地の恋」がたいへん面白かった記憶があるので、鑑賞してみた。私は口語自由詩で最高の詩人は萩原朔太郎だと考えているので、その興味もあった。 あの三好達治が暴力夫だったとは知らなかったし、萩原朔太郎の妹と結婚していたことも知らなかった。そんな程度の知識しか持っていない。 抒情詩で有名な三好達治の狂気(肖像写真からは想像できない)が垣間見えて私には面白かった。が、一般の方にはどうだろうと思えた。
先行レビューが無い。悲しい。純文学ではあるがわかりやすい、構成も工夫されている。
イヤ、確かに、お客さんは公開直後週末午後で6人だった。確かに地味ではあるので星は⭐️厳しめ しかし結構面白かったよ。音楽がほぼ使われてないが、作品自体の構成・テンポで勝負している。 客が少ない。 確かにコレは予測してたが先行レビューが無いことは誤算。 まあ純文学離れというより 詩人離れ だね 今の感覚では 詩は「学校で習うもの」であって 大人になって食いつく人はものすごい少ないだろから かくいう自分も、詩集なんて買う以前に、図書館や店頭で手に取ったこともない。小学校中学校の国語教科書だけ。 もちろん、ある程度 学のある人は 主人公 三好達治、師匠の萩原朔太郎は知ってる。 チト佐藤春夫は、ワシは名前知ってたが、ほぼ知名度は無い。 劇中、詩が何本か文字と共に朗読されるが、なんか難解で、言葉遊びに感じたワシ なんか今後も詩人で生業は厳しいねぇ。 しかし、本作、戦中の地方の描写と 昭和の【男尊女卑の男】の描写は面白い。 三好達治が、婚前と結婚後で豹変 イヤイヤワシの親の世代【昭和一桁生まれ】でも【女、妻に手をあげる】は少数派 ましてや現代は、女性の方が👩🍼強いから! 違和感MAXなのだけど 騎乗位・・が許せん。とは理解に苦しむ❗️ しかし、東出昌大 入山法子 が長ゼリフを好演。特に入山さんは化粧も髪型も戦前の女性そのもの 【ラーゲリより愛を込めて・・北川景子が美人なのはいいが明らかに戦前の人では無いのと好対照】で大健闘。 戦中の田舎町の閉塞感【ただし、空襲、食糧難の都会よりマシ】が良い。 多分、主人公が陸軍幼年学校とか在籍した影響はデカいと思う。 でも飽きないように、画面構成、展開、時系列を行ったり来たり工夫されてる好作品。
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