劇場公開日 2022年2月25日

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「元ネタありの映画である点に注意。趣旨がわかりにくいところもいくつか。」ハード・ヒット 発信制限 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5元ネタありの映画である点に注意。趣旨がわかりにくいところもいくつか。

2022年2月25日
PCから投稿

今年51本目(合計324本目/今月(2022年2月度)23本目)。

まず、「発信制限」という語が(映画をチョイスする段階から)わかりにくいです。日本語でいえば、「子供などが悪用しないように、着信はできるが発信はできない設定の電話(のモード)」くらいですが、映画内ではちゃんと「非通知」と併記されます。

 ※ なので、「そんな電話出る必要ないだろ」と、日本でいう非通知拒否にすれば映画のストーリーは0分で終わるという話ですが(韓国にも同じようなものはあると考えるのが妥当。非通知対策はリアルストーカー等に対して必要なので)、それを言うとストーリーが成り立たないので…。

 ストーリー自体は90分というコンパクトな設定ながら、予告などでわかるのは最初の30分くらいで、残り60分はどうやってもわかりえないような展開に飛びます。ここで元ネタがスペイン映画という点がポイントで、さらに韓国映画(どうも、ドイツ語リメイク版もあるらしい)→日本公開ときたところ、いくつかの語は固有名詞程度に見ないとハマリます(突如、連帯債務がどうだのとか言ってくるあたり。日本では2020年以降の改正民法で連帯債務の規定も変わっているので(相対効、絶対効、相殺援用時の解釈等)、本気で解釈を考えるとはまります)。

 もっとも、元ネタがある以上、それを大きく超えることはできないので、日本基準で見たとき、日本と最も近い法体系の韓国で類推しても趣旨が理解しがたい点がかなりあるのですが、それは元ネタがあるからであり、その部分はもう無視するしかないかな…と思います。
その上で、90分ほどでさくっと観られるという観点では、それはそれでありだと思うし、特殊な事情(「発信制限」が意味する語が理解困難など)を知った上で見るのなら、今週は本命以上には来るのでは?と思います。

 上記にも書いた通り、元ネタありの映画だし、残りの60分くらいは絶対に予告編からではわからない展開に飛んでしまい、その辺の話(ここも怪しい字幕はあるが…)をすると一気にネタバレであり、正直書きにくいです。

 もっとも、ストーリー的には理解が難しい語が出るのは元ネタありという事情であり、一部のわかりにくい法律用語も解釈を考えると本当にはまるので、それらは全部無視してなかったことにして、まぁ元ネタありですが、よくあるタイプの映画の韓国版なのだなと見たほうが良いかな…と思います。

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 (減点0.3) 要は、スペイン→ドイツ(?)→韓国→日本となっており、韓国版のこの映画もオリジナル設定などは入れてはいると思うのですが、元ネタがある以上、あることないこと書けないので、そこを配慮した結果、「発信制限」という「タイトル自体の意味理解が難しい」という妙な状況になっています。

 また、日本では一般指定扱い(G指定)という事情から、そこまで表現をきつくすることもできない事情もあるため、アクション部分も描写は抑えられているという部分はあります。この部分に関しては、だからといって(日本でいう)R18相当な描写に書き換えるのも変な話ですが、韓国版それ自体も、(日本でいう)PG12扱い程度にはしても良かったのでは…と思います(G指定が故に表現・字幕がわかりにくいという妙な論点もある))。
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yukispica