劇場公開日 2022年2月18日

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「世界の命運はあの死体にかかっている」オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0世界の命運はあの死体にかかっている

2022年2月22日
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鑑賞方法:映画館

敵国ナチスの能力を高く買っているからこその作戦。極上の罠だ。しれっと気付いていないふりして誘い込み、二重スパイ三重スパイを駆使して裏の裏をかく。イギリスらしいスタイリッシュさが、会話や風景や服装やらからにじみ出てて、戦争もののわりにスマート。精神論横行の日本軍ならこんなゆとりなんか感じないだろうなあと思う。ただ、やはりこれは映画であり、その素材となり得るエピソード。狙いが外れたらどうしようとかとハラハラするのはするのだが、主役がコリン・ファースなせいもあって、なんだかんだと上手くいくんだろうと安心感が駄々洩れしてた。
1943年、この時代の通信技術の最高水準がここあたり、という確認ができる楽しさはある。それに各国のナショナルカラーがよく出てる。ドイツの忠実なほどのスキルの高さの信用度、ソ連の抜け目なさへの警戒感、そしてスペイン独特の緩さ。そんな隣人との付き合い方を熟知してる英国のしたたかさ、だな。
ちなみに、この作戦の発案者として出てくるイアン・フレミング少佐は、なんと「007」シリーズの作者という。ジェームズ・ボンドの生みの親は、その筋が本職だったっていうわけだ。唸るしかない。

栗太郎