映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズのレビュー・感想・評価
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物語を見つめる視点を複数化することで見えてくるもの
本作のユニークポイントは、動物に見えるキャラクターは実は・・・という点にあるが、劇場版はその視点によって異なるという点をより重層的に掘り下げる構成になっていた。事実は視点によって異なる、世界認識すら個々人によって変わる。世界(世界認識は)は可塑的にいかようにも変容し得るということを、テレビシリーズでは動物キャラの擬人化という手法で示していた。劇場版では、登場人物たちが証言するという形式でテレビシリーズの物語を振り返る。物語を見つめる視点を複数化することによって、視点が代われば事実も変わるということがさらに活きるようになっている。世界はいかようにも解釈しうる。あるイメージは誰かにとっては「A」という意味でも別に誰かにとっては「B」という意味になり得る。誰かにとって人間に見える人たちが、別に誰かには違って見える。事物の意味は空洞化し、原形質的に変容してしまう。映画で語りの視点を多数化したことで、さらに本作の持っていた深みが増している。新規カットは多くないが、見事な構成力によって新たな魅力を深堀している。
❝初乗車❞でも楽しめる本格的なミステリー映画。動物アニメでも、実はそれにも意味のある良く出来た作品。
本作は、2021年4月から6月にテレビ東京系列で放送され話題となった作品の映画化です。
そのため、テレビアニメを見ていないと厳しそうですが、この映画についてはテレビアニメを見ていなくても十分に楽しめました。
それは、128分の中でテレビアニメ版を自然に「再構築」しつつ、最終回の❝その後❞も映画の中で描かれているため、「一本の作品」としてすんなりと見られるからです。
本作の主人公は「個人タクシーの運転手」で、セイウチの格好をした「⼩⼾川(オドカワ)」。
ある人物をタクシーに乗せたことで「練馬区女子高生失踪事件」に巻き込まれます。
そして、各キャラクターがインタビューを受けながら、事件の真相に迫っていく構成となっています。
最初の方は、登場するキャラクターがどんな位置付けか分からないため、やや混乱しますが、だんだん事件の真相に辿り着くような感じで、キャラクターたちの相関関係も分かってきます。
ただ、登場キャラクターの中にゲラダヒヒの「ドブ」という悪人がいて、言葉の響きが主人公の「オドカワ」(「オド」と略される時も)と似ているので、ここは混乱の基になるため事前に押さえていた方が無駄な混乱が減り良いと思います。
正直なところ最初は、動物キャラクターのパッと見から「あまり面白くなさそう」と思ってしまったのですが、この動物キャラクターは記号に過ぎず、あくまで本作の面白さは「作画のクオリティー」ではなく「脚本」にあるので、私のようにパッと見でスルーしていた人も是非、見てみてほしいです。
私は❝初乗車❞だったので、まだ見落としている部分があるのかもしれませんが、十分に本作の面白さや真相が理解できました。個人的にはアルパカの⽩川さんと⼩⼾川のシーンが気に入っています。
本作を見て、テレビアニメの方も見てみたくなりました。きっと、テレビアニメの方も見ると、さらに作品の評価は上がると思います。
とにかく本編はおすすめ
動物たちが織りなすほのぼの日常系アニメかと思いきや、本格ミステリーだったという話題作。
作画で損してるとか、食わず嫌いしてはいけないとか、いろいろ教訓があるが、とにかくおすすめのアニメ。
これが原作無しのオリジナルアニメなんだからさすがだよ。
やっぱり1クールに特化して作られたアニメというのは強い。まどマギ然り。
ミステリ好きとしてはばっちりハマった。
さて、そんなアニメにまさか映画があるとは、6話ぐらいまでみてから知った。
その時にはもうハマってたから、アニメ全部見終わったら必ず見るつもりだった。
完結まで見た二日後に、満を辞して映画版を見た。
うん。
はっきりいって蛇足だった。
ここだけはまどマギのようにはいかなかったようだ。
あっちは蛇足という不安を吹き飛ばす完成度の続編映画を作ったが、こちらはダメだ。
結局ただの総集編。
ダイジェストを流しながら、そのときのキャラたちの心情を話していく。
新規カットはほぼなし。
新たな視点から事件の輪郭が見えてくるとか言っていたが、そんな大層なものじゃない。
最後の希望で、本編の続きも見られたが、それもちょっとだけ、しかもこれ必要か怪しいぐらい。
本編通り余韻を持たせたままで良かった。
結論から言うと、本編が好きな人ほど見ない方がいい。
でも、面白かったのなら何を言われても映画も絶対見たいわけだから、結局この罠にハマってしまうので、いくら言っても無駄なのだ。
本編は本当に面白いので、映画のレビューをみて気になった人は是非見てほしい。
視聴のきっかけになるのだとしたなら、この映画にも意味はあるのだろう。
14話目という感じ
ほとんどダイジェストだということを見る前に知っていたので、特にがっかりはしなかった。
それを知らず映画館へ行っていたら結構不満だったかも…
せっかく別の人の視点で語られるなら、
だからこの時この人はこういう行動を取ったのか、こういう言い方をしたのかなどもっと新しい発見が散りばめられる形にしたら面白かったのになぁと思う。
オッドタクシーの作者さんならできたと思うのに、ほとんどアニメのあらすじをなぞる進み方となったのは、アニメを見ていない人もターゲットとして考えたからなのか?
それにしては、初見で内容を全て理解できる人がいたら天才だと思うくらい早回しで内容が詰め込まれていた。(決してまとめ方が下手なわけではなく、13話分を説明する構成に無理があるんだと思う)
また、せっかくインタビュアーが誰か分からない状態で進んでいき、誰だろうと考えさせる作りにも関わらず
その正体はよく知らないキャラクターで(キャバクラの従業員に似た人がいたっけ…?)
タエ子に雇われているのは一応分かるが、タエ子の目的にも触れられず終わるのはもやもやした。
プライムビデオでアニメを一気見した流れで映画を知ったのと、新しい部分が最後に少しだけだったので
ただオッドタクシーの最終回、14話目を見たような感覚だった。
総集編感が強すぎる
8割くらいが総集編で、ちょっとな〜というのが正直な感想
アニメ本編はのんびり見るのにとても雰囲気が良くて好き、特に声優のスパイスがかなり効いている・芸人・ヒップホップ。
それもあってか映像のないオーディオドラマもよかった
だから映画はとってつけたような感がつよすぎる
総集編って知らなかったから…少し肩すかし。でもオッドタクシーは大好き
もっとアニメでやらなかった真実とか裏側とかが見れるかと期待して見てしまったので、正直肩すかしでした。アニメが好きで3回見返しており、you tubeのキリンのラジオも聞いていたので、正直見ても意味あるかな?と思ってしまいました。
新しい情報が少なく、残念です。
どうせなら他の人に焦点をあてたスピンオフとかだと良かったのにな。
ここからネタバレです↓
カキハナが最後に助けてくれたと解釈しましたが、どうせならしっかり描写して欲しかったです。アニメでは次の回を見る前に推理する楽しさがありますが、総集編でまとめているならアニメでは分かりにくかったちょっとした謎をしっかり描写してくれた上で、その後の後日談もしっかりまとめてスッキリさせて欲しかった。
オッドタクシーの色々考察できる所が好きなのだけど、総集編なら初めて見る人も分かりやすく単純にするべきだと思いました。
逆にファン向けなら総集編にせずに全くの別の物語にすればよかったのに。
個人的には大門弟が休んでいる間に何をしてたのか、などの裏の物語とか見たかったなぁ〜
というか、これから作って欲しい…オッドタクシーもっと色んな形で見たい。
テレビ編その後を期待して鑑賞したけど。
本当にオマケ程度で、きちんともう少し時間を取って欲しかった。
エンドロールの静止画で説明というのは、私と同じように最後が気になって映画を鑑賞した人には不足な気持ちになるとおもう。
最後がハッピーだったのは個人的にホッとしたけど。
テレビを見た人は知ってる場面ばかりを新しい視点で見せられてる感じ。
初鑑賞の人は、登場人物の多さとストーリーの小出し感に混乱して、リアルタイムで楽しむのは大変かも。
全体的には最後がずっと気になっていたから見れて満足。でももう一回見るとしたらテレビ編を見るとおもう。
アニメ見てたから良かったり物足りなかったり
別角度で物語が進んでいく
クライマックスはアニメと同じ印象
あのまま終わらずその先があってよかったのかどうか
アニメめちゃおすすめです
映画でネタバレしていますが、それでも見る価値があると思う。
当時BEASTARSも観ていたのでつい比べてしまって 気づいてしまった次第ですが
それはそれで衝撃でした。
存在意義をフル活用できる媒体ではない
テレビ版が面白かったからこそ、クライマックスに向けての前日譚、その後どうなったか後日譚は補完したいという気持ちにさせられたのですが、この手法でやる必要性はなかったでしょう。YouTubeのラジオも面白かったし、どうしても企画としてこなさなきゃいけなかったんでしょうか。
存在意義をフル活用できる媒体は映画ではないでしょう。
誰の向けて作ったの?
誰に向けて作ったんやろ?
オッドタクシーのテレビ版を観た人にとっては総集編でしかなく、未見の人にとっては掻い摘みすぎてストーリーを理解するのも難しい。
ただ、テレビ版を観てた人にとっては、その後が少しだけ明かされてスッキリする部分もある。
まあ、ファン向け映画かな。
がっかり
アニメが非常に面白かったのでとても期待していたのですが、正直がっかりです。
新規の方にとっては意味不明な部分が多すぎるだろうし、アニメ見た勢はほぼほぼアニメの内容を復習させられてつまらないだろうと思います。
映画の広告文が過大ですね。証言が真実の扉を開く、とありますが、警察の取り調べではなく民間人のインタビュアー(どうやってヤクザにインタビューできる状態に持ち込んだのか気になりますが、まあ演出だろうということでおいておいて)で、結局証言も大したことなく、新事実は特にないです。
映画館で見なくて良かったと心底思いました。(アマプラで見たのすら時間の無駄だったと後悔しました)
ラスト数分だけその後のことがわかって面白かったですが、それだけですね。
私の中で柿花が小戸川を助けに来たというのがちょっとキャラ的に急成長し過ぎでは?と違和感ありますが、タエ子ママが復帰して、真犯人がちゃんと逮捕されてよかったです。
アニメが面白すぎて期待してた分落差がすごかったので、最後が面白くてもやっぱりがっかり、という印象が強かったです。
劇場公開時観れなかったので尼プラで観た。
基本的には面白かったけど、前半のインタビュー形式部分はTVシリーズを
見ている人にはちょっと退屈で初見の人にはわかりづらいかな~
TVのその後を描いた新作部分は良い結末だけど、ミステリー的にはなくても
良いのかな~っておもた。
オッドタクシー
アニメはめちゃくちゃ面白かったけど、アニメの総集編って感じであんまり新しさがなかったな。
アニメのその後をもっと観たかった。
唐揚げ好きなあの子を乗せて時のシーンもっと欲しかったなー。
テレビ版の再編集だけど傑作
あーこういう見せ方があるのか?!と目から鱗。
テレビ版は2ヶ月前くらいに観て、映画版を観る前に再度見直した。
映画版は再編集だけど登場人物にインタビューをするって形式だがその時の心情などを深く掘っていく。
テレビ版を観た直後だったのでストーリーはわかってる。オーディオコメンタリーを観てるのに近い感覚か。これは途中でしんどくなるパターンか心配になったが、全くのそういう感覚はなかった。それより細かいニュアンスを汲み取るべく集中して観れた。面白い。
で、テレビ版のゾッとするラストシーンの後だ。これを観るために、ここに至る事情を理解する為に観たような物。これも良い頃合い、全部は見せない、どうなった?!
上手い、どうとでも取れるカットで後日談へ。ただこれも時系列通りかわからない。疑問を持ちながらエンドロールを観ると結末が理解できる。それもワンカット、数秒。コメントはなく、説明も最低限。それでも満足感が大きい。
シリーズを通して、連続して観ても満足できる。再編集という表現は正しく無いのかもしれないな。
商業主義的辛さも感じられるが良い出来の作品。
内容は、全11話からあるアニメオッドタクシーの総集編的物語。サスペンスアニメでもありながら非常にリズムの良い会話劇を楽しめる映画。好きな言葉は『身の丈以上の友達を持ったから何もいらないよ』主人公オドカワの見栄っ張りなどうしようもない友人柿原が九死に一生を得た場面を振り返り話す言葉。何よりも代え難い感謝と深い友情は生々しいほど無力感を覚え思い出すだけで嬉しくなります。これが最後の伏線となり物語の肝心なキーポイントになる辺りも上手に映画を仕上げたなぁと感じました。長いアニメを余す所なくインタビュー形式で、独自捜査し全ては事件に関係する人間の為の自衛の手段だったとは恐れ入りました。綺麗に纏まって丸く治った話なのにエンドロールで車内が荒らされた赤い車🚗のカットは謎が深まりましたが、全てが丸く収まり大団円でカタルシスの解放が充分感じられました。アニメやノベライズやラジオなどの独特の世界観の表現はこんな纏め方が出来るんだと脱帽しました。幾分、商業主義的に小出しのコンテンツや小物が多く全てを網羅する事に目的が変わってしまいそうで残念。でも仕方ないのかもしれません。時流に乗り一気見するものでは無く思い出しながら何回も会話劇を楽しむ事の出来る珍しい作品です。
わかったような、わからないような。
・TVを見てた人→総集編風で、驚きがない
・TVを見てなかった人→わかる?。
TV版を見てました。
内容はところどころ覚えていた程度ですが。
劇場版にする必要は、なかったのでは?。
TV版がユニークな作風だっただけに、期待はずれでした。
13話なら★三つ半。でも、こんなことをすると全てが作劇詐欺になる。
アニメ版13話を全て見た。私が言いたいことは第一に面白かったと言うことだ。約4時間という長い時間、これだけ楽しませてくれたのは非常に良かった。中途半端な尺で面白い作品を作り上げたのは画期的だ。また、スポンサーがショボそうというのも画期的ではないと思う。
第二に言いたいことは残念な点だ。
登場人物をたくさん登場させ、誰が誰なのかとか名前と立場を覚えることに視聴者を集中させるワザが上手く嵌っている。また一人ひとりがそれぞれ内面的な問題を抱えている。それも視聴者を惹きつけるための技術として成功した。・・・マズいのはそのまとめ方だ。ひとりひとり問題が深く掘り下げられず、本人の反省と気づき、成長といったものが浅すぎる。問題をいっぱいを提示して視聴者を惹きつけておいて、終盤になるとその問題を軽く処理してすませるというのは脚本家としていただけない。言ってみれば作劇的な詐欺。更に言ってしまえば主人公さえ上手く描けていない。あれで何故、彼の内面の問題が大きく改善するのか・・・? 人間ドラマとしての昇華が描けていないのだ。だから見終わってどうもスッキリしない。
また、テレビシリーズのラストシーンで、いかにもこの後で面白い盛り上がりがくる・・という風に描いて終わらせている。それでファンを映画観に誘いこむ。しかして、そこんところは一分たらずで簡単に終わらせてしまい、全編をテレビの総集編にしてごまかす・・結局、映画を見終わると不快感しか残らない。
こういったとこを深く反省し、次は本当にいいものを作っていただきたいものだ。
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