「映画音楽をアートにした先駆者」モリコーネ 映画が恋した音楽家 らららさんの映画レビュー(感想・評価)
映画音楽をアートにした先駆者
最近突然ニューシネマパラダイスの曲が聞きたくなり動画サイトで検索しモリコーネさん自身が指揮した演奏動画で号泣。
何か関連イベントないかな?と検索して今映画が上映していると知りました。しかも監督がジュゼッペ・トルナトーレさん…。見るしかないと映画館へ。偶然知れて上映期間中でよかった。
しかし把握しているのはニューシネマパラダイスの曲のみ。ジュゼッペ・トルナトーレ監督なら逆に自分の作品はあまり流さないかも…と思ったら予感はあたり。ニューシネマパラダイス自体はずっと心待ちにしてやっと来た!と思って涙ぐんだらすぐ終わりました(笑)そこは残念。オーケストラ演奏付きでもう少し時間かけてほしかった。作曲エピソード、監督とのエピソードももっとほしかった。
しかし知らないことを多々知れたのはよかった。聞いた事のある曲もありました。
ご本人は子どもの時からトランペットの仕事しながら裕福な子女に混ざって音楽学校で学んだ苦労人という異色の経歴。真面目で音楽一筋、妻一筋。学校で師匠につきクラシックを基礎からしっかり体系的に学ばれ。前衛的、実験的音楽にも取り組み、当時芸術とは見なされてなかった映画音楽の仕事に抵抗を感じつつ、どんどんオリジナルのアイデアが浮かび例え面白いと思えない映画ですら仕事を引き受けていく。映画音楽を音楽の一ジャンル、芸術に昇華されたのがモリコーネさん。
ニューシネマパラダイスの曲きくたび「こんな映画にぴったりの素晴らしく聞くだけで泣ける曲を作れるのはどういう訳か」と不思議なのだけど、才能はもとより多様な音楽の仕事をされ何十年も積み上げ重ねてこられてたのですね。
他のことは全て妻が引き受けて、音楽一筋でいられたことはちょっと羨ましい。
女性も同じく「他のことは全て家族任せでやりたい仕事のみできる」環境ならもっと世に出る人多かったかな。妻も素敵な人でモリコーネさんも離婚を繰り返したり女遊びが激しいとかそんな人じゃなくよかった。
2020年に亡くなられていますが今もまだ健在でどこかで作曲をされてるような気配のする映画でした。
(観終わった後また色々検索し前にあらすじをみてすごく観たいと思ったがDVDもなく諦めてたピエル・パオロ・パゾリーニ監督の「テオレマ」の音楽もモリコーネさんで、しかも2022年に生誕100年記念で映画館公開されてたと知ってショックでした。観たかった…)