「良く知らない私も涙した」モリコーネ 映画が恋した音楽家 alvoさんの映画レビュー(感想・評価)
良く知らない私も涙した
ドキュメンタリー映画普段は見ないし、モリコーネもなんならニューシネマパラダイスくらいしかすぐには出てこない。でもあれは映画音楽として頂点にあるんじゃと思っていたし、これを逃すとモリコーネを深く知る機会がないかもと足を運んだ。
前半、とにかく色んな人が褒めまくる感じ、この後人生再現ドラマになるのかなと思いきや創作一切なし、昔の作品を本人や周囲のコメントとともに振り返っていくスタイル。ちょっと最初寝てしまった。。が途中から引き込まれて何度か号泣。
映画音楽が音楽家としては邪道だと思われて偽名で作っていた時代、当時の師匠に認めてもらえないながら人生かけて新しいことに挑戦し、妥協を決して許さなかったこと。私がこの先一生見ることもない昔のイタリア映画音楽を何百本も作っていたこと。彼の音楽は一音目でわかる、深淵をのぞいている、と言われること。
映画の歴史を振り返るようで面白かった。
モリコーネがもたらした新しい手法:
-暴力的なシーンでも暴力的な曲にはしない
-BACH (シ♭ラドシ) を入れたメロディー
-四拍子の曲で三拍子のメロディー(ソミドソ/ミドソミ/ドソミド/ソミド)
-BGM音楽をかけながら役者に演じてもらう
コメント登場するのも、クリントイーストウッド、ブルーススプリングスティーン、パットメセニー、タランティーノなど知ってる人もたくさん。
ただ、途中「僕の感性sensitivityを分からなかったみたい」とのたまったアメリカの監督の直後には「エンニオは監督以上に映画のシーンを理解してる」というコメントを挟んで遠回しに貶めて?いたり。かなり神格化しているなとは感じた。
ひとまず、映画でも長く取り上げられていた、ワンスアポンアタイムインアメリカ、ミッション、ヘイトフル・エイト、そしてニューシネマパラダイスはぜひとも見ておきたい。そして各シーンでどのような思いで曲をのせたのか考えながら聞いてみたい。