劇場公開日 2023年1月13日

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「20世紀の映画史を観るようなドキュメンタリー」モリコーネ 映画が恋した音楽家 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.020世紀の映画史を観るようなドキュメンタリー

2023年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2023年初っ端の映画鑑賞は、2020年に91歳で亡くなった映画音楽家エンニオ・モリコーネの生涯を描くドキュメンタリー映画でした。2時間半を超える”超大作”でしたが、モリコーネが携わった数多の映画作品や、その作品を通じて関係のあった監督や音楽家らのインタビューをテンポよく繋ぐことで、冗長さを感じさせない作りでした。有名作品のオンパレードであり、言ってみれば20世紀の映画史を観たような感じでした。
最近の映画はよく観るものの、あまり映画史については詳しくない自分にとって、ややハードルは高いかなと思う部分はあったものの、曲を聴いただけで映画を観たくなるような作品が目白押しで、非常に興味深いところでした。

日本との関係で言うと、モリコーネの名前を世界に知らしめた「荒野の用心棒」が、黒澤明の「用心棒」をモチーフとしていたことから始まり、1987年のアカデミー賞作曲賞で「アンタッチャブル」がノミネートされながら、坂本龍一らが作曲した「ラストエンペラー」が受賞してモリコーネは惜しくも受賞を逃したことなども描かれていました。これは本作中には描かれていませんでしたが、パンフレットによると2003年のNHK大河ドラマ「武蔵MUSASHI」のテーマソングもモリコーネの作品だったことを知りました。

あまり映画音楽について考えたことがありませんでしたが、既存の曲をはめ込むパターンもあれば、モリコーネの作品群のように映画の内容に沿って作曲される場合もあり、当然後者の方が手間も時間も金も掛かるでしょうが、映画の価値は飛躍的に向上するんだと、今さらながら認識させられました。

鶏