「【屈辱と劣等感をバネに永遠不滅の映画音楽を作り続けた稀有な作曲家の半生を描いたドキュメンタリー作品。私は、モリコーネが関わった映画の半分も観ていないが、物凄く引き込まれた作品でもある。】」モリコーネ 映画が恋した音楽家 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【屈辱と劣等感をバネに永遠不滅の映画音楽を作り続けた稀有な作曲家の半生を描いたドキュメンタリー作品。私は、モリコーネが関わった映画の半分も観ていないが、物凄く引き込まれた作品でもある。】
- 年代的に今作品でモリコーネが関わった映画の半分も観ていない。が、今作品は私には大変面白かった。-
◆感想
・若きモリコーネがトランペット奏者だった父親から医者に成りたかったのに、トランペット奏者になる過程。
- 彼が入学した音楽院でも、秀でた存在ではなかった事には、驚いた。そして、彼の終生の師であったペトラッシも、最初は彼を軽んじていたという・・。ビックリである。モリコーネは、努力の人だったんだ。-
・そして、ペトラッシの指導で作曲家としての実力をつけながら、小学校時代の同級生だったセルジオ・レオーネの「荒野の用心棒」や、「夕陽のガンマン」での口笛が印象的なメインテーマや「続・夕陽のガンマン」でのコヨーテの鳴き声から着想した印象的なイントロのメインテーマなどにより、確固たる地位と築きながらも、映画音楽である事で当時のクラシック音楽界からは、認められなかった事。
・だが、その後も映画音楽を作り続け、到頭、世界の音楽家、ロックミュージシャンたちや、タランティーノを始めとする、アメリカの映画監督からの多大なる支持を得て行く姿。
ー ブルース・スプリングスティーン、ジョーン・バエズ、ポール・シムノンは分かるが、あの変態ロック男、マイク・パットンが登場した時はビックリしたなあ。フェイス・ノー・モアだよ!モリコーネの楽曲が如何に広範囲の人々から受け入れられて行ったことが良く分かる。
・だが、ナカナカ、アカデミー賞には手が届かなかった(というか、劇中ではアカデミーが彼の魅力に付いて行けなかったと語られる。)彼が、2007年にアカデミー賞名誉賞、そしてタラちゃんの「ヘイト・フル・エイト」で到頭、アカデミー賞作曲賞受賞である。凄いモノである。
ー 名誉賞を取った時の、妻マリアに対する謝辞のシーンは沁みたなあ。
あと、タラちゃんの「ヘイト・フル・エイト」のパンフレットに記載された”マカロニウエスタンどんだけ好きなんだ!”リストも懐かしく思い出す。-
■劇中、モリコーネは自身が作曲したどんな楽曲でも直ぐにメロディを口ずさむ。
又、曲調の幅広さにも、舌を巻く。
若き頃に、即興音楽に傾倒した事も、大きいのだろう。
<今作は、ドキュメンタリーとしては、異例の尺の長さの作品であるが、それを全く感じさせない実に面白き作品であった。
それは、勿論、エンニオ・モリコーネの曲が素晴しい事と、彼を称える多くの映画監督、音楽家、ロックミュージシャンのインタビューが面白い事。
そして、劇中に登場する数多くの未映画が魅力的だったからである。
明日から少しづつ、モリコーネが音楽を担当した未鑑賞映画を観ていく積りである。>
NOBUさん、共感と熱いコメントありがとうございます。モリコーネ作品はジャンルがマカロニだけでなく、ドラマ、アクション、オカルト、サスペンスと幅広いから、モリコーネ行脚は楽しいですね。