「最後にしか出ない力もある」生きる LIVING あっさり醤油ラーメンが好きさんの映画レビュー(感想・評価)
最後にしか出ない力もある
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楽しむ方法を知らない役所の市民課長ウィリアムズが余命を知って遊興にふけようとするも、自分が本当にしたいことは遊びではないと気づき、職場に復帰して散々後回しにしてきた下水汚染の解消と子供の遊び場整備を成し遂げ、寒空の下自らの手で整備した遊び場のブランコを漕ぎ満足そうに歌いながら逝った姿は、自分らしく生きることの大切さを教えてくれています。
ウィリアムズの死後、彼を見習い市民からの陳情をたらい回しにしないと誓いを立てた市民課の部下達は、やはりと言うべきか程なくして誓いを守らなくなりますが、単純な日常の繰り返しに心が麻痺してしまったというよりは、余命僅かだったウィリアムズと違いいくらでも先延ばしできる状況下で、困難な問題に率先して取り組むことがいかに難しいか、大きな感動によって奮い立った気持ちに正直でいることがいかに難しいかを、見るものに問いかけ、戒めているようにも思えます。
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