「良かったと思える人生を送るために」生きる LIVING たつのこさんの映画レビュー(感想・評価)
良かったと思える人生を送るために
生きて行く中で将来に夢や希望を持って行くのは当然ですよね。当然と言うよりそれは必然なのでしょう。若かりし頃に夢も希望も無い人の方がむしろ問題。でも人は慣れてしまうもの。若い頃の思いは叶わなくとも、日々を当たり前のように過ごし、何かに立ち向かう事も無い。そんな日常でも生きて行く事に支障は無く、いつも通り過ごす事に何の問題も無い。でもそれはただ生きているだけ。死んだように生きるのでは無く、もう一度若かりし頃の自分の思いを取り戻したい。癌による余命宣告を受けた役所の課長ミスター・ウィリアムズさんの残された日々を描く物語。名作「生きる」をリメイクしたもので、内容に大きな違いは無いと思いますが、こちらはこちらで実に心に染み入る作品だと思いました。ビル・ナイさんにはミスター・ウィリアムズが乗り移ったかのような演技、素晴らしいと思いました。人が覚悟を決めて何かを行動に移した時、それはまわりの人達をも動かす力になる事を見事に表現してくれました。そしてきっかけを与えた部下のミス・ハリス(マーガレット)。自らの病を告げ、彼女の若さと行動力に惹かれ、もう一度自分を取り戻したいと告白するシーンは心に残ります。亡くなったあと列車の中で役所の部下達が話すウィリアムズさんへの想いも印象的。でもしかし人は慣れてしまうもの。日常に流され、決意はどこかに置き忘れ。でもだからこそ、人は自身の存在を、生きた証を残したいと願うのではないでしょうか。決して大きな偉業を成し遂げたいと思うのでは無く、じきに忘れ去られるような小さな事でいいのです。大切なのはそう思い、それに向かって行動した自分自身なのです。若かりし頃の希望を忘れず、ささやかな喜びを力に変える。それが生きると言う事なのかな。そんなことを考えました。黒澤明監督の「生きる」をリスペクトしつつも、新しい事に挑戦したこの作品もやはり素晴らしい映画でした。
こんばんは♪
こちらこそいつも丁寧なコメントをいただきましてありがとうございます😊
映画が大、大、大好き💕😘❤
なんですね。コメントに滲み出ていました。
また感想をお聞かせくださいね🦁