「どのように生きるか」生きる LIVING kame-pukupukuさんの映画レビュー(感想・評価)
どのように生きるか
映画館にて鑑賞しました。リメイク元の黒澤明監督の「生きる」は未見です。
黒澤監督の「生きる」を見ていないため比較はできないですが、本作はとても見やすかったです。
主人公であるウィリアムズが自身のガンを初めて打ち明ける相手が、見知らぬ街の見知らぬ男というのはなんとなくリアルだな、と思いました。深刻な話だからこそ、身近な人に話しづらい、というのはなんだかよく分かります。打ち明けられたサザーランドはそんなウィリアムズと夜の街に繰り出すわけですが、吐血から戻ってくるウィリアムズを見た瞬間のサザーランドの表情もとても良かったです。この演技を含め、俳優さん達の演技がどれも素晴らしかったです。
余命をどう生きるかを悩むウィリアムズはマーガレットを映画に誘ったりしてマーガレットに寄りかかってしまう部分は、ウィリアムズが少し可愛くも見えました。寄りかかられる側はたまったもんじゃないですが苦笑。
なかなか息子夫婦に余命宣告について言い出せないウィリアズムと、奥さんの不満を父に言い出せないマイケルのシーンは2人は親子だなぁ、と感じさせられました。
時折リメイク元の映画を意識しているんだろうな、と思うカメラワークがあったりしました。(もし違っていたら恥ずかしいですが笑)
状況や心情の描写が丁寧に描かれているのに冗長になっていないですし、舞台設定が1950年代のイギリスなのにも関わらず違和感もほとんどなく、とても見やすかったです。普遍的な要素で作られているんだろうな、と感じました。
「ただ生きる」のではなく、「どのように生きるか」という意味を考えさせられる作品でした。黒澤監督の「生きる」も見たいと思います。
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