「「どう生きるのか」を穏やかに、軽妙に、真摯に問うて来る、英国だけに。」生きる LIVING ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
「どう生きるのか」を穏やかに、軽妙に、真摯に問うて来る、英国だけに。
1953年、ロンドンの役所の市民課の新人ピーターは、職場の同僚の無気力な仕事ぶりを実感していた。子供の為に広場の排水の改善をと言う女性たちの切実な陳情の申請書類を、課長のウィリアムズは保留の棚に置いてしまう。そのウィリアムズはがんの宣告を受けて、死ぬ前に本当に「生きて」みようと試みる……
黒澤明監督の「生きる」は未見で、雰囲気はかなり違うのでしょうが、それでもイギリス映画だからその味わいを再現できるんだろうと思います。映像もおしゃれでした。
自分の人生を充実させられるのは自分自身であり、人生にどう向き合うかなのです。
偉大な業績ではなく、やがて忘れ去られるような小さなことでも、その気持ちは誰かに伝わります。ロウソクの光のような灯火をそっと守って次の人に引き継いでいくような映画です。
今のハリウッド映画には出来ないでしょう。
ちょっと気になったのは字幕で、ミス・ハリスが「課長さん」と呼びかけますが、職場の役職にさん付けはおかしいので、「ウィリアムズさん」の方が良かったです。
<4/25追記>
オリジナル版も観ました。ストーリーはほぼ同じですが、雰囲気はかなり違います。
大きな違いは、日本版では主人公が周りから軽んじられていたが、本作では一目置かれていた事ですが、舞台が変われば改変は当然と思いました。
あとは、辞める女性が、日本版では働くのはお金のため、毎日面白おかしく暮らせればいい、という女性。本作のミス・ハリスはやりがいのある仕事をしたいのに、なかなかうまく行かず悩ましい。だから主人公の気持ちに寄り添えたのかなと思います。
本作では警察官の告白も印象的でした。
「映像もおしゃれでした」全くその通りだと思います。オリジナルの泥臭さやシニカルな面が少なく、ビル・ナイさんの雰囲気もあってのこの作品かなと思います。
私はオリジナルの「生きる」も、とても好きなのですが、「ゴンドラの唄」か「ナナカマドの木」の違いも大きいと思います。また、かっこいいビル・ナイさんに比べ、お店で歌い出すとみんな引いていった志村喬さんの違いもあります。
何より、短い時間にまとめた監督の手腕もあるでしょう。
今の若い人はこちらの作品の方が受け入れやすいかもしれませんね。
でも、もしオリジナルを見ておられないのならば、ぜひ一度は見てほしいと思います。
こんばんは~
コメントありがとうございます。
この作品いいなと思っても人それぞれ感性違いますしね。
この「生きる」の作品否定するつもりはないんですが正直この映画の世界観は合わなかったです。
たまにおふざけレビュー書いてますが
またよろしくお願いします!