劇場公開日 2023年3月31日

「「どう生きるのか」を穏やかに、軽妙に、真摯に問うて来る、英国だけに。」生きる LIVING ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「どう生きるのか」を穏やかに、軽妙に、真摯に問うて来る、英国だけに。

2023年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1953年、ロンドンの役所の市民課の新人ピーターは、職場の同僚の無気力な仕事ぶりを実感していた。子供の為に広場の排水の改善をと言う女性たちの切実な陳情の申請書類を、課長のウィリアムズは保留の棚に置いてしまう。そのウィリアムズはがんの宣告を受けて、死ぬ前に本当に「生きて」みようと試みる……

黒澤明監督の「生きる」は未見で、雰囲気はかなり違うのでしょうが、それでもイギリス映画だからその味わいを再現できるんだろうと思います。映像もおしゃれでした。
自分の人生を充実させられるのは自分自身であり、人生にどう向き合うかなのです。
偉大な業績ではなく、やがて忘れ去られるような小さなことでも、その気持ちは誰かに伝わります。ロウソクの光のような灯火をそっと守って次の人に引き継いでいくような映画です。
今のハリウッド映画には出来ないでしょう。

ちょっと気になったのは字幕で、ミス・ハリスが「課長さん」と呼びかけますが、職場の役職にさん付けはおかしいので、「ウィリアムズさん」の方が良かったです。

<4/25追記>
オリジナル版も観ました。ストーリーはほぼ同じですが、雰囲気はかなり違います。
大きな違いは、日本版では主人公が周りから軽んじられていたが、本作では一目置かれていた事ですが、舞台が変われば改変は当然と思いました。
あとは、辞める女性が、日本版では働くのはお金のため、毎日面白おかしく暮らせればいい、という女性。本作のミス・ハリスはやりがいのある仕事をしたいのに、なかなかうまく行かず悩ましい。だから主人公の気持ちに寄り添えたのかなと思います。
本作では警察官の告白も印象的でした。

ゆり。
大吉さんのコメント
2023年4月18日

ありがとうございます。
オリジナルぜひ。

大吉
ゆり。さんのコメント
2023年4月18日

Mさん、すみませんコメントに気が付きませんでした。オリジナルの「生きる」もいつか観ようと思っています。

ゆり。
大吉さんのコメント
2023年4月17日

関西では職場の役職にさんづけしますから違和感ありませんでした。(今はさすがにしないかな)

大吉
Mさんのコメント
2023年4月13日

「映像もおしゃれでした」全くその通りだと思います。オリジナルの泥臭さやシニカルな面が少なく、ビル・ナイさんの雰囲気もあってのこの作品かなと思います。
私はオリジナルの「生きる」も、とても好きなのですが、「ゴンドラの唄」か「ナナカマドの木」の違いも大きいと思います。また、かっこいいビル・ナイさんに比べ、お店で歌い出すとみんな引いていった志村喬さんの違いもあります。
何より、短い時間にまとめた監督の手腕もあるでしょう。
今の若い人はこちらの作品の方が受け入れやすいかもしれませんね。
でも、もしオリジナルを見ておられないのならば、ぜひ一度は見てほしいと思います。

M
SAKURAIさんのコメント
2023年4月9日

👍️

SAKURAI
2023年4月7日

黒澤明の生きるは、最近観たばかりですがそちらも意欲的なストーリーだったので見てくだされば嬉しく思います。

美紅
2023年4月7日

職場の無気力な仕事ぶりがMr.ゾンビと呼ばれる訳があり、イギリスらしい描き方、ジェントルマンが生き方を真摯に問いかける作品でした。

美紅
2023年4月7日

ゆりさんのレビュー拝見した感じだと丁寧さがあって私よりも細かい部分まで表現されている印象です。

美紅
SAKURAIさんのコメント
2023年4月7日

こんばんは~
コメントありがとうございます。

この作品いいなと思っても人それぞれ感性違いますしね。

この「生きる」の作品否定するつもりはないんですが正直この映画の世界観は合わなかったです。

たまにおふざけレビュー書いてますが
またよろしくお願いします!

SAKURAI
みかずきさんのコメント
2023年4月4日

課長さん、確かに、そう言ってましたね。
私はスルーしていまいましたが。
いつもながら、きめ細かく映画観賞をされていますね。

では、また共感作で。

ー以上ー

みかずき