劇場公開日 2023年3月31日

「人生における幸せとは」生きる LIVING bionさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人生における幸せとは

2023年4月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 自分が余命半年だったらどうするのか。その視点で作品を鑑賞した。
 ロンドン市役所の市民課課長ウィリアムズは、生真面目を絵に描いたような人間。仕事一筋でやってきたウイリアムズが、末期ガンであることを宣告される。
 ウィリアムズは、家族にも打ち明けることができず、今までやったことのない夜の遊びに浸る。
 ここまでの行動は理解できる。勝ち気な嫁の尻に引かれている長男に相談するのも気が引けるし、人生を楽しんだこともない。

 その後の展開は意外だった。そっちの方に人生の意義を見出すなんて、日本人的な価値観に近い。そりゃそうだ、オリジナルは黒澤明作品なんだから。

 蒸気機関車で田園地帯を越えて通勤する風景から始まり、場末の繁華街、公園のブランコ、全てが美しいショットで映し出される。
 ウィリアムズのゆっくりではあるが、芯の強さを感じる喋り方が心に響く作品でございました。

bion
Mさんのコメント
2023年4月2日

自分が余命半年だったらどうするか。あまり、意識しないで見ていました。
改めて、自分に問うてみるのもよいかもしれませんね。

M