「人生における幸せとは」生きる LIVING bionさんの映画レビュー(感想・評価)
人生における幸せとは
自分が余命半年だったらどうするのか。その視点で作品を鑑賞した。
ロンドン市役所の市民課課長ウィリアムズは、生真面目を絵に描いたような人間。仕事一筋でやってきたウイリアムズが、末期ガンであることを宣告される。
ウィリアムズは、家族にも打ち明けることができず、今までやったことのない夜の遊びに浸る。
ここまでの行動は理解できる。勝ち気な嫁の尻に引かれている長男に相談するのも気が引けるし、人生を楽しんだこともない。
その後の展開は意外だった。そっちの方に人生の意義を見出すなんて、日本人的な価値観に近い。そりゃそうだ、オリジナルは黒澤明作品なんだから。
蒸気機関車で田園地帯を越えて通勤する風景から始まり、場末の繁華街、公園のブランコ、全てが美しいショットで映し出される。
ウィリアムズのゆっくりではあるが、芯の強さを感じる喋り方が心に響く作品でございました。
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