「2022年。オリバー・ハーマナス監督。黒澤明監督「生きる」をリメイ...」生きる LIVING 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
2022年。オリバー・ハーマナス監督。黒澤明監督「生きる」をリメイ...
2022年。オリバー・ハーマナス監督。黒澤明監督「生きる」をリメイク。ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ脚本。死んだように生きていた役場の課長が余命宣告を受け、人生を楽しもうとするができず、仕事で人々の役に立とうと思い立つ、という話。
原作をロンドンに移し替えてかなりの程度忠実に描いている。主人公の死後、原作では葬儀の場で毀誉褒貶、喧々諤々の議論があったと記憶するが、それは葬儀から帰る汽車の中での同僚たちによる静かな振り返りに置き換わっている。いずれにせよ、物語の大筋は変わらないので、古今東西、官僚制の責任逃れと虚無感に襲われない人生の楽しみの見つけにくさと社会変革は身近な一歩からという発想とが共通しているということだ。黒澤版「生きる」によって70年前に全人類にその思想が普及したのでなければ。
どこかで感動したかといわれるとつまってしまうが。
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