劇場公開日 2022年6月3日

「スポーツではなく人間を描こうという姿勢は理解できるが・・・」東京2020オリンピック SIDE:A tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0スポーツではなく人間を描こうという姿勢は理解できるが・・・

2022年6月4日
Androidアプリから投稿

監督は、スポーツ・ドキュメンタリーではなく、人間ドラマを撮りたかったのだろう。スポーツそのものではなく、アスリートが背負っている人生を描きたかったのに違いない。
しかし、育児と仕事の両立を目指す女性や、生まれ育った国を追われた難民は、それこそ世界中のいたるところに存在しており、特段、東京オリンピックでスポットライトを当てるべきテーマであったのかという疑問が残る。むしろ、柔道やソフトボールのように、選手が競技に勝つために、何を思ってオリンピックに臨んでいたのかといったことに焦点を絞った方が良かったのではないか?
それから、人それぞれ、国それぞれで、思い入れのある競技が異なるため、どんな競技を取り上げても、あるいは、取り上げなくても、必ず不満が出てくるのは致し方のないことであろうが、それでも、この映画で描かれている競技には、物足りなさを感じざるを得ない。テレビ中継を観ていただけでも、もっとドラマチックで感動した競技がいくらでもあったと思えてしまうのである。
そして、せっかく歴史に残る特別な大会となった東京オリンピックを記録するのであれば、もっと、1年間の延期とか、無観客とか、厳重な感染防止対策とかが、アスリートに与えた影響みたいなところも描いて欲しかったと思う。あるいは、そうしたことは、SIDE:Bの方で描かれるのだろうか?

tomato