すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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教材のような映画
感動させられたというより、元から知っていた災害の凄惨さと登場人物とを結び付けて情が移ったという方が正しい。こちらの記憶や感性にここまで依存したアニメは初めて観た。ドントフォーゲット●●といった風に凄惨な記憶を呼び戻して、いろいろと繰り返してしまう人類を戒める目的が込められている。だから教材と呼ぶのが相応しい。
教材として魅せたいであろう部分同士をつなぎ合わせる要素(※つまりストーリーの本筋)に違和感が多くオリジナルアニメとしては星3つ。こちらの感性に頼らない部分が実に頼りない印象。普遍的なテーマがしっかりあるのだから、次回は教材と割り切ってもっと短い作品にしてもいいんじゃないかと思った。
死は常に間近にある
とりあえず一言素晴らしいかったです。
地震災害といった少し触れづらい題材を扱いながらも、地震大国である日本で起こり得る未来を表した作品でした。
被災された方々が多い日本で挑戦的な作品を作ったことで批判も多いかも知れませんが、地震被害にあったことがない方々にこそ観ていただきたい作品だと思います。
間接的にではありますが、被災された方の気持ちをアニメーションとキャラクターを通して味わわせてくれるのは、親身になって他人を悼み合うことのできる気持ちにさせてくれるイイ映画だと思いました。
途中にビビるシーンが多くありましたが、叔母さんが
心の中を晒すシーンは色んな意味で怖かったので、
お気をつけて鑑賞して頂きたいと思います。
改めましてとても素晴らしい作品をありがとう
ございました。次回作も期待しております♪
私には、響きました
人それぞれ、感じ方は自由なので酷評があることも理解出来ますが、私には素直に響きました。
廃墟を知らないかと聞かれ、気になったとは言えすずめの行動力ずっとすごすぎだろ、とか色々細かく突っ込みたくならないわけではないけれど、知らなかったにせよ自分が興味本位で引っこ抜いてしまったのが要石で、自分のせいでわざわいを呼び込んでしまったとなれば、そりゃ決着つけたいですよ、私がすずめだったとしても。
昔アルマゲドンを観て、いつかもしあんな場面があったらブルースウィリスになってやると思ったときと、何も変わってない自分に驚くけど、私も万が一のときは自分が要石になると叫べる人でいたいです。
何このレビュー、意味不明w
すずめの声優に抜擢された原さん、罪の声で大好きになりましたが、あのときは不幸な役、その後も真犯人フラグで散々な目に遭って、今回こそラスト幸せ真っ直ぐモードで何だか嬉しくなりました。
今後の活躍に期待してます。
相変わらずの映像美でしたが、私は所謂三部作では今作が一番好きです。
人々の何気ない暮らし、生きることを災いが断つ悲しみに、立ち向かっていくって素晴らしいストーリーです。
その、何気ない暮らしをとても美しく表現していました。
明日が幸せでありますように。
何年もこの幸せが続きますようにと、そんな気持ちを観ながら自然と実感させる映像は、今作が最高だと個人的には思いました。
また観に行きたい!!!
かなり心を抉られる
これは問題作
それぞれの土地、それぞれの世代でそれぞれのトラウマが掘り起こされる。
でも、新海誠の伝えたいことがヒシヒシと伝わってきた。
俺はメッセージ性の高いこの作品は好きです。
現実に目を背けず批判も覚悟でこの作品を作った新海誠の勇気を讃えたい
▼▼▼以外、ネタバレ
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神戸、東京、福島と過去の大震災の被災地を回って旅してるのもそうなんだけど、、なぜに宮崎?て。
宮崎から四国を通って新幹線で東海道を通って東京って、南海トラフ地震で予想されてる被災範囲なんですよね。
過去の震災だけでなく未来の災害も予見させて他人事ではないと感じさせる脚本がすごい
マルチバースでは無かった。
公開前のキャッチフレーズで「全ての世界と繋がってる〜」とかなんとかがあったから、新海誠作品のいずれかとクロスオーバー的な展開があると思ったけどそんな事は無かったです。
むしろ瀧君も帆高も出なかった。神木隆之介さんは良い歌声だったけど。
「君の名は。」や「天気の子」のように【災害】を作品内の面白さに変えれるのはやはり新海誠しかいないと思う。
下手すれば「不謹慎」とか五月蝿い連中が現れるから。
すずめの雪の中の描写で北海道のどこかと思ってたけど、東京から北上して、日記の日付が3/11で止まったのは少しゾクッとした。"アレ"を見たまんま絵に残すために黒く塗り潰す人を聞いた事があるから。
「いってきます」を最期に消えてしまった人達にお悔やみを。
「ただいま」と言える、「おかえり」と言われる現在に感謝を。
以下鑑賞ポイント
・揺れに気づかないバスケ部
・すずめの部屋に「赤毛のアン」
・インフルエンサーのダイジン
・入浴シーンはカット
・マクドナルドをこぼさない全自動AI搭載椅子
・ポテトサラダ+焼きうどん
・旅費がエグそうなすずめさん
・ミミズの上なら飛べる
・萎んだダイジン
・思ったよりデカいウダイジン
・「ルージュの伝言 神木隆之介ver」
・ショック療法のオープンカー
・黒塗りの3月11日
・???「おい その先は地獄だぞ」
・キンキンに冷えたソウタさん
・過去と未来の交錯
・ガムテープ補強 お別れのハグ
・再会の「おかえり」
今回は人間と椅子だったから、目に見えた恋愛描写が少なめだった印象。
次回はガッツリ恋愛物を見てみたいかも。もちろん「秒速〜」のラストみたいにならないような笑
土地を悼む物語。そしてダイジンお前…
鈴芽が環さんに言われたように、鈴芽に「うちの子になる?」と言われ、鈴芽の役に立とうとしたダイジンが最後の最後まで選ばれないのが切ない…(そして環さんが忘れていたのと同様に、鈴芽も自分が言ったことを忘れてるのがまた…)
過去の作品は映像や音楽が美しく綺麗という印象だけど、今作は非常に力強く、見応えのある作品となっていました。声優陣の演技も〇
小説も読みましたが、アクションシーンの多い今作は映像の方がおもしろい!
大筋の部分以外だと
芹澤「ここってこんなに綺麗だったんだな」
鈴芽「これが綺麗…?」
という被災者と非被災者の対比が印象的でした。
(芹澤がこんなにネットで話題になるとは思わなかったなぁ笑)
強い覚悟と意志を浴びて改めて向き合うあの日
まず最初にこの作品を世に送り出す決断をした製作者全員に敬意を払いたいです
きっと並大抵の覚悟や意志では完成させられなかった事と思います
東日本大地震を扱う重いテーマでしたが、適度に挟まるコミカルな描写と圧倒的なファンタジー描写ですんなりと観れる前向きな作品です
何度もクライマックスのような圧倒される展開が訪れ、その度に心が震えました
表向きは日本全国を駆け巡るロードムービー、裏のテーマは忘れられた土地にあった生活、感情などに想いを馳せ、悼む所にあると感じます
廃墟とされた土地の最後はきっと悲しいものが多いが、そこでは確かに様々なドラマを多くの人々が紡いでいたはず
美しく、活気あった景色が無かった事にはならない
そんな当たり前の事をこの作品に触れるまで私は忘れていた気がする
すずめは幼い頃に親を、街を亡くし、楽しかった思い出もあの日から燃え続ける悲しみに覆われ、いつしか忘れる事で前を向いて生きてきたのだろう
故郷というものは安心して帰れる場所であるはずだが、彼女にとってそうではなく、きっと同じような思いをしている方も大勢いる
すずめは日本全国を周り、様々な土地に、人に触れ、何も残っていない故郷で、あの日の感情と向き合う
かつて絶望や悲しみの感情を引き摺ったまま去った土地で、今度は澄み切った空のような晴れた気持ちでただ前向きに生きる強さと共に帰路につく
そんなすずめの姿に私はいつの間にか生きる事が怖くなくなっていました
生きるも死ぬも運でしかない
それでも生きていたいと強く思えるような作品でした
救いとは、悼むとは。
見終わった後、「すずめの戸締まり」「行ってきます」この言葉への印象が全く変わってしまいました。夢に導かれて始まった彼女の旅は、何だったのか。
「草太に恋をする」展開に、作品のメッセージが集約されていきます。これをきっかけとした出会いや試練から過去の出来事を受け入れ、生きることと向き合っていく。震災を経験した彼女が、特別な力によってではなくあくまでふつうに生きてきた震災後の12年間を通じて救われていく。明確に、東日本大震災で被災した人を悼む物語です。
空虚な毎日の中にいた鈴芽が自らの手で未来を切り開き、切実な思いで彼を救うべく危険を厭わず立ち向かう。誰かを好きになることをもって、生きる豊かさに触れていたように思いました。
前半は草太との絆が生まれる戸締まりの旅、中盤では大きな事件を経て物語の全貌が明らかになる。後半は、過去と向き合い草太を助け出す旅。共にする人が変わりながら、九州から東京へ、そして東北へと北上していくロードムービー。複数の物語と、ロードムービーという構造を交差させている点も新海監督ならではの演出の面白さでした。
本作を楽しめた大きな理由は、登場人物への好感と解像度の高さです。主人公鈴芽の、真っ直ぐで、嫌味がなくどうしようもなく切実な様、それを演技力で昇華した原菜乃華さん。独創的な閉じ師という設定、人間味のない美しい青年が椅子になった途端表情を豊かにしていった草太。不意に発するさりげない台詞の柔らかくて優しい声を聞くと、鈴芽が焦がれる切実さに納得してしまいます。そして物語後半に違ったリズムをもたらす深津絵里さんの環と神木さんの芹澤の存在感。お芝居の見応えにはしあわせすら感じました。主役を引き立てる存在ではなく物語の一部として息づいている描き方は、近年作品とは異なる点です。
ダイジンがヒールではなかった裏切りも良いエッセンスでした。同時に、あくまで私たちが戦ってきたのは、これからも戦わなければならないのは自然という不可逆的なものだと認識させられる。そして東京での大震災の前兆描写。やがてそれは解き放たれてしまうのだという暗示。そんな日常をどう生きていくべきなのか、そして起きてしまったものに対する救いとは、悼むこととは。そう向き合うきっかけをくれる。
集大成という言葉にも納得です。君の名は。、天気の子をつくってきたからこそ“辿り着いた”メッセージ。全く別の作品に3部作の側面を感じられる異次元性も奇跡のようで必然だったのかもしれない。閉じ師という斬新な設定によって悼むことを表現し、多くの人が改めて心を向ける。新海監督の品性や作家性、この題材を誠実に描いてくださったことに心から敬意を表したいです。
※IMAX先行上映会にて 【良かった点】 新海誠監督がさらにワンラ...
※IMAX先行上映会にて
【良かった点】
新海誠監督がさらにワンランク上の次元へ進んだ傑作。ボーイミーツガールにロードムービーにエンタメ要素も盛り盛りで息つく暇のない2時間。声優さんも皆さんお上手、何より終盤の子すずめの泣き演技上手すぎない?、もらい泣きしてしまった。劇中歌という武器をやめてもここまで面白いアニメーションを作れるという証明と監督の意地を感じた。EDのRADWIMPSの「カナタハルカ」が染み渡る。余韻も完璧な作品だった。過去にあった「さよなら」に向き合い、それに「行ってきます」をして前に踏み出し、今愛し愛される人の元へ「ただいま、おかえり」をする、そんな暖かいメッセージを受け取った。
【良くなかった点】
地震アラーム(結構頻発する)、3.11が盛り込まれているので、アレルギーやトラウマがある人は注意が必要か。特にそういう描写は予告では描かれていないので嫌悪感を示す人もいるかと。
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