すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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ふわっとしているのは多方面への配慮かそれとも?
終始、ふわっとしている。
登場人物の過去はまあ、一応描かれているが核心的な部分はかなり曖昧である。(と私は感じた)
震災を大きく取り扱っていることから、鑑賞者を意識しすぎて、詳しいエピソードや背景が書けなかったのだろうか。
映像や音声で、過去の震災を思い出してしまう方はいるだろうが、ストーリーとしてはなるべく誰も傷つかないようにと配慮した話に仕上がっていたと思う。
じゃあ何故震災をテーマにしたのか、疑問でもある。
もっと主人公たちの行動に信念があると感じられるような描写が欲しかった。
起承転結ははっきりとあるし、ロードムービーとして映像が綺麗なので凄く退屈というほどではないが、壮大なラストを見ても何も響いてこない。
ひとつだけ突っ込みをいれるとすれば、閉じ師だけでは食ってけないってそこにリアリティーはいらないし、逆に教師やりながらそんな大事な代々続く仕事を片手間にやろうとするのはどうかと思う。 おまけに高校生と付き合っている教師とは…。 どうしても教師という設定の必要性がわからない。
驚くほど何もなかった。
新海誠の真骨頂と言えば、アニメでしかなし得ない映像の魅力なのだろう。この映画は映像的な魅力で描いたシーンが連続しているだけだ。ドラマを語ることをついに放棄したかと感じる。ある意味正しい選択なのかも知れない。しかし、日本文化に親しんだ皆に分かりやすい共通理解と同義であるが、竜のように描かれる地震のエネルギーなど、想像し得るイメージを超える新鮮味やオリジナリティは乏しい。映像の魅力のみを追求したであろう作品で映像の魅力が足りない。
そしてドラマ性の欠如は明らかで、鈴芽がいつどのように草太を「居ない世界が怖い」とまで言うほどに好きになったのかまるで描かれないし(好きであるという状況が必要だったということだろう)、要石とか閉じ師がどういう設定なのかも明らかでない。そういうものだということに終始し、謎解きも求められていないのだろう。封印のようなことを成し得たのも、なんだか頑張ったからという以上のことは読み取れない。モチベーションがよくわからない中で感情で物事が動く、日本映画の悪癖である。
また、ロードムービーでもある訳だが、この魅力的な形式には大きな危険がある。移動と一体となって展開するドラマこそロードムービーであるが、旅路を進んでさえいればドラマが動いていなくて動いているかのように感じられてしまう。途上で出会った人たちはどんな存在だったのか?物語の初めと終わりで何が変わったのか?
境界の表現は「君の名は。」より意味を持って描かれたと思いますが、あんなに気に入らなかった「君の名は。」がそれなりに見どころあるものに思えてくる一本でした。
自然主義を体現した作品
新海誠監督特有の緑、青と黒、赤のコントラストが印象的でした。
ここまでかと言うほど自然主義的な映画の内容で、ジブリの作品みてるのかなと感じました。というかジブリ作品のオマージュだと思った。
緑から生まれた私たち人間が青の神聖な水に還って行く、唐突に人間の上に降り注ぐ、赤黒い神の怒りの渦。それは自然と共に生きると決意した人間に与えられた使命のように感じました。
特に扉の中の災害は地獄のようで、石が刺さった山は青い水が流れてたのが混沌としていてすごく絵が綺麗でした。災害のシーンは映画の後隣の女子高生が怖い怖いと言っていたのに同意します。
ドライブしている時、東北の景色をみて芹澤がきれいだと呟いたとき、私も東北に以前訪れた際、とても綺麗だと感じたので驚いた。すぐあとすずめが、綺麗なわけないと言っていて、震災を実際に体験したすずめからしたら忌々しい記憶を甦らせる景色でしかない訳で、当たり前で、申し訳ないなと思った。けれど、不謹慎な事は承知の上で、人間があれほどの時間をかけて作り上げた文明を震災が一瞬で全て破壊し、破壊された土地の上に新たな命が息吹き自然を作り上げる、あのなんとも言えない景色を目の前に、言葉に表すことが出来ないような感情になった、それをこの映画をみて思い出しました。この映画はあの震災を体験した人としていない人では感じ方がすごく違うと思います。
きっと未来を見て歩くことは難しいけど、人間はいつか必ず自然に身体をお返ししなければいけないから、今生きている自分という存在を大切に、いってきますと言いたいですね。
外だけ立派で中スカスカ
興行的には成功するだろうがこの映画に感動できるのは正直24時間TVと同じ感動層なのだ。
浅い感動層でしか感動出来ない人がいる。これをターゲットにしている敏腕プロデューサーが川村元気だ。深い感動層に生きている人は数々の疑問と違和感と矛盾点に苛まれる。注意して欲しいのは感動層の浅い深いに優劣はない。おそらく浅い感動層の人の方が人生を生き残る確率が高い。ただ、浅い感動層の人と深い感動層の人は残念ながら分断されていて分かり合えない。興行的には☆の分布率を観れば一目瞭然圧倒的多数が正義だ。新海誠監督の初期作品群は深感動層をメインにしていたが、今では浅い感動層をターゲットにしている。私は馬鹿だから過去の想い出に引きずられて公開初日に見てしまった。もしかしたら戻ってくるのではないかと期待してだが。残念だが彼はもう戻ってくることはない。
以下 本作品の所感
◆廃墟るるぶ?
ストーリーは凡庸です。骨格が凡庸なものに最高レベルのキレキッレの筋肉でマッチョにしましたが無駄です。ストーリーの凸凹を史上最高レベルの作画という高級パテで厚盛し綺麗にホワイトニングした作品。
全国廃墟るるぶトラベルといったロードムービーなので、映画早送りで観ない層の私には全てセリフで説明してしまう怠惰で楽ちんでたまにはこういうのもいいのかも思ってしまった。
映画マニアはターゲットにはしていないので、マーケティングの勝利だよなと自分をだます。
新海誠監督は映画マニア的には悪い方向へ進化、間を潰して絶妙な川村元気チューニングで浅い感動層へ受けがいいかもしれませんが、ひねりが欲しいストーリーなのだ。
映画見た後あなたの心に何が残りましたか。
漂白された廃墟るるぶトラベル、綺麗な景色と躍動する女子高生とイス
うおぉんキチィ!思わずうなってしまう出来、悪くはないが良くもない。
なぜ失敗してしまうのか。映画の難しさと面白さの不思議。
◆イケメンの呪いとは?
本当はみんな気づいているだろうな。イケメンの功罪を。
想像してみてください。あなたの大っ嫌いな同性の、顔がいい男バージョンがイケメンの正体であることを。
心ある優しい正直な男性は「私、イケメン大好きなの」という女の子には分不相応だと反省して自然と離れていく心理と真理を。
そうです。開始数分で私の心はヒロインから離れました・・・
新海誠監督よキャラクターのキャラ嗜好が古いよ、そして男のやっかみですよ「イケメン」発言は多くの非モテの暗い青春を想起させるため長年の新海誠監督の弱点です。
暗い青春を送ったこの非モテの恨み辛みがイケメンをイスに変え、荒ぶる神シシ神となったのです。
ココから面白くするには宮崎駿監督でも無理です。
◆セカイ系の限界?
選ばれた男女によるセカイ救世主論という言わばセカイ系の独善性にはついていけない面がある。
セカイの命運と選ばれた男女の色恋は別の世界線で等価ではない。別の関係ない色恋沙汰があたかも関係していて、結局いつも被害を受けるのは我々なのだ。
頼むから別の小世界で色恋をやってくれと云いたい。私なぞはタンスに押しつぶされて死ぬモブキャラなのだ。
ちっぽけな人生であるが、どうせ死ぬなら抗いがたい圧倒的大自然のパワーとメカニズムによって葬られるべきだろう。
死を覚悟している人間に災害トリガーの恋心は不要である。モブキャラとして他人の恋心に巻き込まれて死ぬのはごめなんなのだ。
本当はみんな思っている。もう世界を巻き込むな、世界を救うために色恋禁止でお願いします。
ここら辺がセカイ系の限界なのだ。
廃墟になった景色にはモブな人々の生活が横たわり、自分は選ばれた男女の外側、モブ人間なのだという感覚がある。
だから、ある種の反感がこの映画についてまわる。私は開始数分でモブで殺される側の人間だという実感がある。
この実感、他の映画で学びました。
例えるなら、養豚場のブタが食肉加工工場で豚肉が見事に加工されている過程を観て感動している状態なのだ。いつか我々も被災するかもしれないのに安全な位置でファンタジーとして感動していていいのだろうか?
◆この映画の本質とは?マッチポンプと人的要因
この映画の本質はマッチポンプ巫女ロードムービーといってもいいと思います。岩戸鈴芽の岩戸姓が九州宮崎県の天岩戸神話がモチーフだろう。
現代では天鈿女命(あめのうずめのみこと)の「うずめ」が「すずめ」に変換されているようだ。元来「うずめ」は舞踊をつかさどった巫女(みこ)の意とされるから、「君の名は」や「天気の子」に続く巫女三部作だろう。
巫女が誤って封印を解いて全国封印行脚という身も蓋もないストーリーだ。戸締りの原因はすずめの知識不足による過失により引き起こされ「後始末」をしたに過ぎない。これは壮大なマッチポンプだろう。
また、そもそもの大地震のはじまりの原因は「過去の巫女または閉じ師が戸締りに失敗した人為要因」であったということになってしまう。
天災は天災であった方がいいのでは?
ここら辺の疑問が常についてまわります。失われた命は天運、神の領域であったほうがいいと思います。
この考えがあるため私はなんともいえない気持ちになった。遺族の心情を慮るとまだ数十年しか経っていない。
もはや災害系ファンタジーを描くのは限界がある。
我々は災害大国の国民であり、まっさきに災害難民モブキャラになるのを分かってしまった。
それでも生き残っている側は明日を生きていかなければいけない。死人に口はないからモブキャラは養分となって支えろと悪魔的な冷徹な経営判断がされている。サイコパスでない限りこの興行は行えないのだ。叩かれ慣れている経営者としては一流だろうし、狂気の表現者なのだ。
つまり、新海誠監督のサイコパスな面が見えてくる映画だった。大人の事情かすごいスポンサーの数だな。
自己弁護のように劇場配布された新海誠本に「観客の中にも、この映画を観ても震災を連想しない方が1/3から半分くらいはいるんじゃないでしょうか」とインタビューで答えているが2/3以上は震災を連想せずに感動できる層だと思う。この見通しは正しいと思われる。
君の名は以降の新海作品は中空構造であり、中身は何もない。あるのは感動できる空間を提供することで中身は何もないゆえの自由がある。あるのは綺麗な空間という側だけで、物語も左大臣と右大臣がいて中心は「ない」のである。「ない」ことの強みは観客の感動したいという気持ちが置けるのである。だから、感動したい気持ちがあれば感動できるという非常に高効率な映画なのだ。異性に惹かれる心理面の描写が「ない」から、その証拠に「イケメン」という外側重視の言葉がたびたび登場する。あれだけ動き回っていたすずめも性格がよく分からない子になるのは中身が「ない」のだ。その中身は鑑賞者に委ねられている。実は震災も空間という構造物だけで「ない」のである。だから、当事者感がなく観れるのである。すずめの母親の死も「ない」ものとして扱い、イスを作った母の想いを描かなくてよくなったのである。深い感動層に生きる者はイスは母の思い出の象徴であるのに、イケメンにすり替わる理由は震災を「ない」ものとしたい制作者の企みに気づく。中空構造の物語は現世に生きる観客の気持ちを中心に据えなければ空中分解してしまう。母親の過去、亡くなった原因、亡くなった描写、幼いわが子を遺して逝く母の気持ちをノイズとして処理してしまう恐ろしい企みなのだ。震災を描いているようで描いていない欺瞞に気づく。すずめの母は看護師で亡くなったのは病院の患者を最期まで守るためだろう。容易に想像がつくのに中身が空っぽなイケメンにすり替えたのは冒涜と取られても仕方がない。
このように中心にあるのは現世に生きる移り気な観客の気持ちであり、浅い感動層に生きる人はこの映画という入れ物が耐えられる。反対に深い感動層に生きる人はこの映画という入れ物が耐えられないし、中空構造に気がついてしまう。評価が低い人のレビューが読ませてしまうのは中空構造の欠点を種明かししているからだ。ここまで「ない」ことの魅力をみせてくれる作品はそうそうない。しかも、上記のように円環構造にもなっていて奇抜な中空円環構造物語といえる。
例えるなら、ドーナッツ構造の物語は浅い海に住む人たち浮き輪となって楽しませるだろうが、深い海に住む人たちに届く前に水圧で圧壊してしまう。繰り返しになるが感動層の浅い深いに優劣はない。しかし、浅い感動層にいた方が圧倒的にコストパフォーマンスがいい。また、すぐに感動出来る方が生き残る確率が高くなる。深い感動層にいる人は浅い感動層にいる人がうらやましいのだ。だから、新海作品に苛立ちを覚える。その苛立ちも「ない」構造の新海作品には意味がないことが分かるだろう。あるのは移り気な観客の気持ちであるのだから夢や幻と同じだ。鑑賞後に奇妙な空しさを覚えるのは対象年齢を過ぎた幼児用おもちゃに似すぎた構造の種明かしから覚める感覚がその正体だ。それはもっと複雑な映画(おもちゃ)にステップアップするサインだ。
311への想い
まだ早いのかも知れないし、311を知らない世代も増えていて、今更なのかも知れないけれど、強く311への想いを感じた
人の命は有限で、必ずしも自分の思い通りにはならないが、人の思いや行動で変えられるモノもある
ただ、死が怖くないものの命懸けでは無く、死を恐れ1秒でも長生きしたいものの命懸けでしか、成し遂げられないものがあるのだと
そんな事を感じた作品だった。
ひとことReview!
今年度の最高傑作かつ最重要作品。作画、音楽、そして、俳優メインでありながらハズレ無しの各キャストの凄い演技に圧倒される。過去の震災で体験した人こそ避けてはならない一本。生きる為には、トラウマを乗り越えなければならない。
明日への希望は、掛ける言葉
災害と共に生きる。
これは、日本に生きる上で切り離す事のできない事象だと思う。
この島国には、4つのプレートに挟まれ、地震発生のリスクが高く、地震による津波の影響も少なくない。
3.11では都市が波に砕け、多くの人々が命と、その住処を失った。
今もその爪痕は残っている。
本作は災害の後、共に生きる事を、現実に起きた災害を題材に逸らさず描いていく。
もちろん前半部分の旅(冒険)パートや擬人化ラブコメパートも心地よく描かれているので、観ていてダレる事がない。
また、中盤から現れる芹澤くんは、かなり良いキャラであり、彼の存在が物語の軽快さを補助してくれる。
環さんの悲痛な叫びも、その後の自転車の上での二人の会話も、生きてきた証を感じる言葉だ。
ダイジン周りは説明不足感も否めないが、その分妄想が捗る。過去の人柱が要石から神となった……とか考えると、ダイジンの最後の台詞も悲しくなります。
しかし何と言っても本作の見所は、やはりラストシーン。
草太の台詞と、すずめの台詞だろう。
草太がみみずへと語る言葉。
この不安定な世界で、それでも生きたいと願うのは、きっと出会った人との繋がりが、そう思わせるのかも知れない。
小すずめとすずめの言葉。
辛さと無理に向き合うのではなく、共に過ごし、自分自身を救うような言葉は、過去の自分と今の自分を救い出してくれるような台詞だった。
この作品を見るのが辛いと思う方も少なくないと思う。
しかし、この作品が伝えたいのは、悲惨さや恐怖ではなく、明日に向かって生きると言う、ささやかな希望だ。
センシティブな内容の為、扱う事の難しかった題材。
そこに真摯に向き合い、作品を作り上げた監督とスタッフに感謝したい。
声優陣の演技も世界観とマッチしていて、違和感なく物語を楽しめた。(特に小すずめ役の三浦あかりさんの演技は涙が出た)
日本中の全ての方へ。
共に、行ってきます、行ってらっしゃい、ただいま、おかえり。
明日への希望を込めて、日々の言葉を大切にしよう。
それが広がると良いなぁと、思える映画でした。
色の鮮やかさに感動
色の鮮やかさに、草の風で揺れる音、描写一つ一つに共感しました。会えるのなら勇気を出して今会いに行くすずめちゃんの雄大に私も今会いに行ける少しだけど気持ち貰いました。私もお祖父ちゃんに嫌いで手を振りほどしてないと会いに行って言いたいです。お墓参りして(生きてるうちに伝えられなかったのが無念)届けたいです。届くと嬉しいなぁと思います!!
#79 3.11へのこだわり
今作も2011年の東日本大震災が軸になっている。
監督がここまであの日にこだわる理由は何なのか?
もし人々があの日の教訓を忘れずに自然災害時に行動すれば、人的被害を最小限に押さえられると信じているからか。
自然の脅威を常に胸に受け止め、過去の記憶を忘れないようにすれば戸締まり師は不要になるのか。
すずめのセリフじゃないけど、津波で家が跡形もなく消えちゃった人達の魂はどこに戻れば良いのかな。
その人達の魂を集めるためにも戸締まり師が必要なのかな。
元も子もないことなんだけど
災いを人が封じる。というのがどうしても受け入れられない。科学の子なので。
天気の子のようにうっかり手にしてしまった力で世界を狂わせた。というのはまだいい。(人間は愚かだよねだから愛おしいという帰結で)
まあ物語なので仕方ないのだけども、代々続く家業とか、鍵型のペンダントとか、ファンタジーとしてキツかった。天変地異の前に人間ができることは備えることだけ。
主人公も最初から余計なことするばっかで全然愛せない。
彼女のその行動が話を前に進ませるわけだけど、逆に言えばそれをしなけりゃソウタは試験間に合ってたはず。可哀想過ぎる。あんなに勉強してたのに。
ただ画面がそりゃもう最高に美しくて。
キャストがどれも完璧だったことは疑いようのない事実。劇場向き。
書き終わって気がついたので追記。
多分まだあの震災を、今も続くあれこれの地震による災害を、「選ばれし者の不思議な力で治めるエンタメ」にするにはまだ心が拒否してるんだと思う。
思ってたより私ってば柔軟じゃないな。
映像は良かった
「君の名は」は話題になっていたけれど新海監督の作品は全然観ていなくて、この作品の公開時期に合わせてAmazonプライムビデオでいく本か観てみました。
最初の小さい鈴芽ちゃんが歩いている場面から、映像が細かくてきれいでした。
テレビアニメなどではしゃべっている登場人物の後ろで他のキャラクターが固まっているなんてよくあるし、普通に人を動かすのにもスタッフの労力がかかるので削れるところで削っているようなのは珍しくありません。
でも、この映画は草原を描いたら一番手前の草花がひとつひとつ丁寧に描いてあって、それがひとつひとつ風に揺れているような、緻密できれいな映像でした。
観に行った劇場が体感臨場とかいう重低音の出るシアターだったこともあって、途中何度も音と映像に圧倒されました。
話の内容としては、なぜ草太さんが要石にされてしまったのか、最後までわかりませんでした。
猫のダイジンは実は悪い奴でなかったことはわかりますが、最後に再び要石になってミミズを押さえつけることになるのなら、なぜすぐにそうしなかったのか。
草太さんとダイジンが初めて遭遇した場面で草太さんはイスに変えられてしまったのだから、要石の役目が草太さんに変わったのはイスになったその場面でしょう?
なぜそうなったのか。
理由がわかる描写がなかったので、映画の基本的なストーリーに関わる重要な部分が結局ナゾです。
それに、鈴芽ちゃんが東北の震災で親を亡くしたこと、お母さんを探す途中で扉の中に迷い込んでしまったことはわかりましたが、親を亡くした3.11の時点ではミミズが地震に関係しているという表現はないのですから、映画の設定としても3.11は自然発生の地震でしょう?
まさか多くの命が失われた現実のあの地震を、映画の中の設定とはいえ「これは俺の考えたミミズというやつは引き起こしたことにする。ミミズがたくさん死なせたのだ」というのは、炎上必至なので無いと思います。
そうすると、3.11はミミズとは関係がないことになるので、なんらかの事件又は事故で親が行方不明になった子であれば鈴芽ちゃんと変わらずに主人公を務めることができて、海難事故でも山岳事故でも、良かったのではないかと思います。
なぜ、多くの命が失われた大事件を敢えて作中に登場させる必要があったのか。
現実の大災害は実際に多くの人が被害に遭って、今も悲しみを抱えている人がいるデリケートな話なので、必要がなければ敢えて映画の作中に登場させることはかえって炎上の危険があると思います。
それを、なぜ登場させたのか。
やっぱり、ナゾです。
ストーリーとしては色々と納得できない部分がありました。
終わった後に何も感情が残らない・・・
期待して観にいったが・・・・・結果から言うとがっかり
現世だか来世だか知らないが、全体を通して妙に宗教がかっているのが
何か新興宗教の宣伝映画でも見ているようで落ち着かない。
本来、人間の力ではどうしようもない大地震、自然の大きさを感じないわけには
いかないが、それを閉じ師一人で防いじゃう?! フィクションとはいえ
自然に対する敬意がないというか、お手軽過ぎ。じゃあ東北大震災も一人の力で
防ぐことできたの?って思っちゃう。いやフィクションっていうのはわかっていますけど
前半は1.ダイジンが移動しました 2.移動先の現地で見知らぬ人と触れ合いました 3.ミミズがでてきました 4.扉をふさごうとがんばりました。
このパターンを日本の西から東に移動しながら2,3回繰り返しているだけ。3回目からはさすがに「また同じパターンかよ・・・・」
「ダイジン」っていう猫をどうやって追いかけるんだろうって思ったら、twitterとかのSNSで
リアルタイムで大勢の人が発信しているのを見て追いかける。現代だなーって
思いつつ、普通の猫を誰もかれもがSNSに都合よくあげるか??
そもそも、この猫が大臣にみえるから「ダイジン」って愛称がついたらしいが
大臣にみえる????どこが???
道中で、すずめを引き取った叔母さんが「あんたを引き取ったせいで婚期逃した」
云々と叫んで、すずめも思いのたけをぶちまける。「そこまで言っちゃったら
大変だろ」ってスクリーンに向かって独り言をいう私。
現実問題、そこまでお互いに言っちゃったら
修復は大変だと思うんだが、あっさりとなかったようにストーリーが
進行して「へ?」
途中から「サダイジン」という猫が登場してきたが、「あんただれ?」
敵か味方かも全く不明のまま進んできて、最後に巨大化して
「ミミズ」と戦っているところをみて「ああ、味方だったのね・・・・」
草太の代わりに猫の姿から要石になったシーン
草太が要石になるシーンはあんなに寒そうでさみしそうに
していたのに、「ダイジン」には同じようなことさせてもいいわけ?
猫好きな私としてはかわいそうでした。
そもそもこの「ダイジン」、東京で地震が起こりそうに
なったときに「何万人も死んじゃうね」ってさらっと言うあたり
どんでもなく悪い奴だと思ってたんだけど・・・・結局
いい奴なのか悪い奴なのかすっきりしないまま終了。
フィクションというのはわかっているにしても、辻褄のあったフィクション
じゃないとフィクションの世界に入っていけない。ということで
この映画を通して何が言いたかったのかもよくわかんない。
震災のこと、色んな教訓・・・そういうことを伝えたいなら、別に
場所も時間も設定は何でもいいと思います。例えば古代ヨーロッパを
背景にした映画を見た後で、ハッと「あ、これは東北震災のことを
示唆していたのか?!」とこちらに気付かせる、その驚きと作者の深い意図
が感じることで、印象深くなる。震災の被害の同じ場所と同じ時間軸と
同じ人を出して震災の教訓を伝えるなら、ドキュメンタリー映画で十分。
難解なテーマを解読できる新海ファンには理解できるのでしょう。
なーんも予備知識もないもない私が見ても置いてけぼりでした
そういえば入場前に冊子をもらっていました。上映開始前には読まなかったのですが
足りないところはこの冊子を読んで補ってくださいってことでしょうか。私のように
わからない人にもフォローがあって、斬新な発想だと思います。
よかった
異世界で巨大ミミズが暴れると大地震が現実世界に及ぶ。それを女子高生とイスになった青年が防ぐために懸命に取り組むファンタジー作品。
親戚里親映画という側面もあって、主人公はおばさんに我が子のように育てられている。主人公は家出して、日本を縦断の旅に出ていて、看護師のおばさんを心配させる。主人公が行く先々で素晴らしく親切な人に出会い、お世話になる。非常に都合がいい展開で、悪人が一人もいない。
おばさんがおかしくなって主人公に「あんたのせいで私の人生は犠牲になった」ということを言う。僕自身里親を好き好んでしており、おばさんとは条件が全く違うのだけど、そんなふうに思ったことは一度もない。犠牲どころか救済されている。自分がもし若くて、自分のチョイスでなく子どもを養育するケースだったらそのように感じることもあっただろうか。
猫が憎らしく、なんだこいつと思っていたのだけど最終的に悪い猫ではありませんでした、というのが言い訳臭い。
主人公とイスになった青年、すごいイケメンなのだけど、二人のきずなが強すぎて、絶対結婚しなければおかしい、今後他の恋愛が許されない雰囲気だ。美男美女で人格者のカップルなのでとてもいい。
4歳の自分に高校生の主人公が非常に前向きな言葉で語りかける。それは、人に愛されており、その結果としての現在があるから言える言葉だ。しかし、誰からも愛されず見向きもされないまま育っている人にはきつい言葉だ。
風化させないということも大切
3.11はまだ10年くらいのことで、まだまた蓋をしている人が多いと思います。避けるというか、話題に出すのも何だか…という人も多い中、この題材を取り上げて上手く落とし込んだなぁと感じました。
最後のすずめの言葉で前向きになれる人とそうでない人と分かれるのは仕方がないことだし、賛否両論は起きるのは当たり前だなと感じました。
私は3.11ではなく、阪神・淡路大震災経験者です。小さかったので思い出したくないと言うより思い出せなくなってきていることが多くなりました。またその地震を知らない人が増えてきました。
こういうアニメで少しでもなにか感じて調べて学んでいくっていうのも大事なのかなと。
見終わってしばらく泣いてた、、
🪱は歪みエネルギーがどうのこうのと、あの爆発して出てきちゃう感じ、意味を成してるし分かりやすく怖い。あの🌀は、自然は規則性を持ち合わせてることを示してると思った、けどどうなんだろう。
地震は100%を予測できないからこそ、私たちは過去の震災を知り、悼み、学ばなければいけない。戦争と同じ。地震を題材に伝えていかなきゃいけないストーリーはある。
ラブロマンスについてはよく分からなかった、、
なぜ好きになったんだ?そうたさんのこと
量産型産業映画。ぺらぺらで若年層向け。これで震災を題材は軽率では
2年程度でポンポン出てくる程度の内容だなといった感じ
一つ一つのテーマは分かるが、特に真に迫るような題材でもないし内容でもないので、ペラペラ、軽いなーという印象以外は持ちにくい
新海誠作品は割とひどい評価なものが多いが、時間を経て間の取り方などだんだん映像技術は上手くなっている模様。靴の表現など分かりやすいものが多く、若年層向けとしては良いのではないでしょうか
ただ震災という被害者が甚大だった大災害を題材にしたのに、しょうもない恋愛物語を作ってしまうという無神経さには閉口してしまう
一応少女の成長の物語のような側面もあるものの、安っぽい内容でしかも恋愛要素付きっていうのを、実際の震災被害者がみたらダシにされたとカチンとくるのではないかと思う
とりあえず重そうな話題添えとくか程度の認識で作ったのかもしれないが、映画なんだから代替え表現すればいい話だし、さすがに軽率、正確に言えば安っぽい、安売りにしか見えないかな
どう考えても設定ありきのダイジンの名称もどうにかならんかったのか。まさに興覚めなんだよなぁ
いきなり椅子にされる件も、ご都合主義の中のご都合主義といった感じ
取ってつけたような叔母のブチギレシーン
丁寧さのかけらもない。巨匠に見せたら怒られちゃうね
歴史的に九州と東京にあった2本の要石を、
2本とも東北に刺してめでたしめでたしなのは、流石に草なんだよなぁ
暗に東北どうにかしろよと言っている悪意にも見えてしまう安易さ
お仕事でやるのはいいけどもうちょっと繊細な心持った方がいいんじゃないか
行ってきますはやたら強調するのに、ただいまは無いっていう
行ってきますとただいまはセットなのに、黄泉の国行ったら行きっぱなしで帰ってきたら男とイチャイチャ
流石に震災被害者に怒られても仕方ないね
人間に戻る意味も分からないし
まああれだ、芹澤はいいやつ
日本のアニメは素晴らしいです。
素晴らしい絵です、凄いリアルで綺麗な絵です、私には、
当たり前ですが、できません。(*≧∀≦*)。
現場の皆様素晴らしいです。音楽も素晴らしいできです。
テーマは地震ですが良く具現化しました。オリジナルのストーリーに敬服します。猫🐈🐱🐈⬛何ですが予告編が観ると悪者と思いましたが、、、やられました。
新海誠監督次回作も楽しみです。
この映画関係者の皆様お疲れ様です。
ありがとございました。
(o^^o)
王道?ファンタジーながらもとても考えさせられる映画
『君の名は』をテレビでを見たぶりの新海誠監督の映画でした。
正直なところ期待はしてなかったのですが、ヒロインが個人的好みだったのと、ジャニーズの方が声優やってて上手いな……と思ったからです。
そして今見た感想としては想像以上に大満足な映画でした。
正に王道なヒロインの成長ストーリー。
ヒロインはどんな事があっても「死ぬ事は怖くない」と話していたのが印象的でした。お母さんが地震で亡くなったこと、そして途中で草太が居なくなり、草太の祖父にすずめが泣きながら話していたのを思うと、誰かが居なくなるのが凄く怖かったんだなと……。
草太に関してはすずめに出会えた事や夢半ばで仕方ないと思っていても奥底では死にたくないと思っていたな……と、逆にすずめとはまた違う考え方だなと勝手に思ったりしながら見ていました。
何処かで仕方ないと思っていても誰かがor自分自身が死ぬ事が怖いのは誰でも思う事だと思います。
最後の最後で自分を犠牲にしようとしたすずめをダイジンが助けたところも印象的でした。ダイジンはダイジンですずめに死んでほしくなかったのかなと……
そして全てを乗り越えた2人にとても感動し、泣きました。
透明感があるような音楽と情景がとても素晴らしかったです。
水の表現が特に大好きでした。
また、演技が素晴らしい。
有名なアニメ映画だと芸能人の棒読みが気になってしまい、内容が頭に入らないこともあるのですが、全く気になりませんでした。
美しいロードムービーではある
ただ、そのなかに見覚えがあり、現状?それともイメージ?と思える景色。
景色の美しさに心がざわつき、見終わって気持ちの落としどころがわからなくなりました。
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