すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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地震速報が……
終始集中しすぎて見るのに疲れたかも……
もっと序盤は日常風景があると思ってたが最初からドンドンと話しの展開が早すぎる
閉じ師?みたいな伝承されてるような話、好きでしたし所々も刺さる台詞があって印象に残りました
環さん(左大臣登場のところ)との本音をぶつけ合うシーンはホラーみたいで怖かった
推しの神木くん(芹澤さん)の出演も嬉しかったなぁ😁
タイトルバックのところは鳥肌👍
あと個人的にはラストは草太の姿は見せずにすずめの表情のみでしめて欲しかったなぁ
ただ全体的に物語を見てるだけ感はあったかなぁと少し思いました(悪くはないんだけど物足りなさもあった)
LOCK
画像の緻密さ、写真のような背景は健在、新海節全開といったところである。特に"虹色な夜空"なんて一体どこでどの時間に観れるのかと信じられない程の自然の芸術を多用している点も然り。
只、所謂"死者の漂う場所"という架空での空だから当然と言えば当然なのだろう。
主人公の女子高生のロードムービーであり、里帰りでのクライマックスになるのだが、オープニングの伏線回収は、そこまでは注目できなかった。勿論感動的カタルシスはあるのだが・・・
それよりも、訪れる土地でのそれぞれのホストキャラ(旅館の娘、スナックのママ、閉じ師?の祖父)等が単に親切心だけではなく、キチンと労働という対価を主人公に払わせ、同時に素直にそれに預かる主人公の繋がりに、今迄の監督作品の進化を感じ取れた。
必要以上のカットの多さである、鍵を掛ける映像も、まるでサブリミナル効果のように、"鍵を掛ける、解く"という日常性を印象づけることで、ファンタジーのシーンを高く浮き上がらせる効果も感じられた。 約束されたヒットメーカー作品ということで、今後の解釈は多数のメディアによって明かされていくだろうから、その読み解きに注視したい。初見の感想とすれば、総じてサンプリング的な印象だったなぁと・・・
天気の子以上君の名は以下。
日本の危機という大きな問題がある中、各地の人々と交流して旅するロードムービー。
背景も緻密で、温かみのある良い作品。
それでいて、あの災害から経過した年月を描き、家族の問題も取り上げてバランスが取れている。
反面、恋愛要素の部分で、ヒロインの感情が急激に傾くなど少し突発的な印象を見受けられる。
それでも、明日へ未来へと歩んでいく綺麗なストーリーであった。
今年一番の最高傑作!
「君の名は」「天気の子」に続いての劇場での
鑑賞。テーマが「地震」なので、かなりハードな
描写もありますが、普段の何気ない生活がこんなにも幸せなのかを考えさせられました。
ダイジン、いいヤツで良かった。
ようやく距離を置けた今だからこそ
ネタバレを食らう前に急いで鑑賞。
日本神話系ファンタジーかつ、あいかわらず現実との絡め方も絶妙な新海ワールドだった。
「戸締り」設定が面白い。
ただ物語のあらすじそのものは、さほど目新しい所もなく典型といえよう。
それでも注目すべきなのは今、この時期にこのテーマを鑑賞することの意味にあると思える。
この作品には当時、直後すぎて不可能だったことが、
いくらも経ったことで振り返ることのできるだけの距離を得、
扱われるに至っている。
本作に心揺さぶられるのは、
「ようやく」その領域に触れることができたという思いからで
それはまさに「今」という時代を切り取っているに他ならない。
だからといって覚える感動は、当時を知っている人だけかと問えば
立場、年代を選ぶことはないはずだ。
むしろいずれは「あの頃の記録」として、
多くが普遍的な1本と知る事になるだろうと考える。
忘れてならない物事なら、生み出された本作の意義、役割もまた大きい。
その他、監督が日々気づき、思うところが、この作品には織り込まれているという。
編み上げられた本作は、今を生きる監督の視線に寄り添うもので、
その唯一無二の視点こそ作家性と呼ぶにふさわしい。
一見するとティーンズ向け、ファンタジーアニメだが、
いち文芸作品としても成り立っているなと鑑賞した。
今もどこかで鎮めているのかもしれない。
想像を広げることは楽しいし、思えばそんな「今」がかけがえない物だとも感じ取れる。
そして何より万が一にも上映中に地震が来たら、
映画のリアリティー百万馬力じゃね?
と鑑賞中、不謹慎ながらわくわくしつつ観た本作だった。
それにしても椅子が獅子奮迅する作画、恐れ入った。
また似て非なるモノだと思うが、「ドライブマイカー」とダブってる?
と思ったことも記録しておく。
(あ、ここの評論にもう書いてあった:追記)
日本の各地を悼む、良質なロードムービー
映画を見終わったばかりでぼうっとしてあまり言葉になりませんが、なんとか書き残してみます。
新海誠監督作品は「君の名は。」「秒速5センチメートル」がすごく好きでした。
その後期待して見た「天気の子」が私的にはちっともハマらず、「今回はどっちかなぁ」と多少ヒヤヒヤしながら公開を心待ちにしていました。
直前にAmazon Primeで公開された冒頭10数分間の動画を拝見し「めちゃくちゃおもしろそう!」と期待して映画館へ。結果、すごく良かったです。
まず、映像が美しい!! 日本各地を旅したような気持ちになれる美しい風景の数々だけでも、この作品を見てよかったと思えます。
主題歌の十明さんの声が印象的。劇伴も映像を引き立てていて素晴らしい。
過去作品ほどではないですが映像と音楽もマッチしています(過去作よりもミュージックビデオ感が薄れているので、ある意味良かったとも思います)
キャラもいい。ダイジンがかわいいけど小憎らしくて、タカタカ!といい音を立てて高速で走る椅子もかわいい。
各土地で出会う人々もイキイキとして、その土地で生活している感があります。
すずめの声の役者さん、とてもいい声ですね。演技も上手いし、わざとらしくない声がいい!(ナンバMG5の妹役の方ですよね?)
終盤で草太が「この命はそのうちなくなる、かりそめのものとは知っている。けれどまだ生きたい」というセリフで涙が溢れました。
人の命は、本当にはかない。あの震災のような災害や最近の疫病、戦争のようなものがあると改めて、日常は当たり前のものではないのだ、私たちの命は一時的なものなのだと思い知らされます。
パンフレットで監督も書かれていましたが、これはすずめが過去の自分を救う物語なんですね。
「君の名は」の瀧くんのような存在に会えなくても、誰もが自分で自分を救うことはできる。
人は必ず死を迎えます。かりそめの命とは知っている。
けれどそれを知りながら自暴自棄になるのではなく、すずめのように「あなたはちゃんと大きくなる。大丈夫」と過去の自分を救ってあげられる自分でありたいです。
確かに、地震警報のアラームや震災そのものにトラウマがある方は注意した方がいいとは思う。
ただ、それがあってもなお各地に悲しみがある日本だからこそ、観てほしい良質な映画だと思いました。
胸が熱くなる
何度も込み上げる熱い思い
出て来る人みんないい人で
優しい気持ちになれます。
最後まであっという間に終わってしまいました。
ネタバレになるのかもしれないけど
椅子になっちゃうの早くてビックリしたw
色々書きたい事いっぱいあるけれど
ネタバレになっちゃうから書け無い
これは見たほうが良い作品です。
ゆっくりもう一回見たいな
ダイジンムカつく!!(笑)
他のレビューでも書いた事ありますが、前情報一切(PV位は観ますが。)断って映画は鑑賞する派なので、まさか311震災を扱っているとは思いもしませんでした。
なので鑑賞後、作品の印象がPVから想像していたモノとは若干変わりましたね。
まあ、「君の名は」「天気の子」同様、映像、音楽等素晴らしく、しかしマンネリ感もあり。
次作は、ガラッと雰囲気変えていかないと飽きるかなあ(公開されたら観るけどね(笑))
今回実際あった地震を扱っている為、他のレビューを少し見た感じ、肯定、否定、賛否両論あるようですが、(被災者感情云々等)
私としては、正に観る側に委ねる内容かなと。描く描かないは、作る側の判断ですし作品そのものを否定するのは違うかと。
そんな事言い出したら過去にも戦争モノや災害扱った映画は、山ほどあって全部否定するのかと。
なので、純粋に作品に対する感想を言いますと私の田舎、宮崎がスタートだったので、「あのフェリー日向の港か?」「あんな廃墟あるの?後で調べるか」など地元扱いにちょっと嬉しく(笑)「今回の東京は、御茶ノ水かあんまり行ったことないな。」内容そっちのけで、風景観てました。愛媛、神戸、福島は、行った事無いので。(苦笑)
後、ダイジンは、実はいいヤツだったのノリですが、喋れるのだから説明しろと。何で草太そんな目の敵にしてんの?(笑)
新海作品は、脇役キャラも血が通っていて良いキャラが多く、ロードムービーとしても最高でした。
恋愛要素もありましたが、ほぼ全編イスだしなあ(笑)
良い作品で観て損はないです。震災の件も含めて若い人にお勧めします。
余談︰三宅坂ジャンクションの下にあんな地下あるの!(笑)
追記︰レビューの数が多いので全ては読めてませんが、追加の感想を・・
ヒロインの無鉄砲さを批判している内容があったのですが、あんな非現実的な事を目の当たりにして、学校飛び出す、フェリー乗る事のマズさは、ヒロインも理解している描写がありましたし、行く先々で事情があることを察して優しくする人々もそんなに変ですかね?(現実は、そんな甘くなく警察に通報されるかもですが。)
婚期逃した叔母(笑)との関係も感情的に言ってしまった事も互いに「それだけじゃない」と言ってるし、逆に内面的な描写としてもしっかりしてると思いましたが。
先に書いている通り、震災を描くにあたっては、観る側に委ねられる訳ですが、私の感想としては、「未来があるんだよ。」描いている所に希望と言うか、変に悲観的でないところに好感が持て、昔観た映画のセリフで「どんなに嘆き悲しんでも人は、腹も減るし、眠くもなる。生きている限り人生は続く。」という私の好きな言葉と近い表現だと感じました。(過去を忘れろと言う意味では無いよ。)
な~んか偉そうに書いてしまいました。
最後に、現代的な描写としてスマホだけで旅してますが、私にはサイフ無いと日本縦断できないよ(笑)
いかんねこれは
この人の映画は好きで何度か見たけど今回のはいかんね。
ストーリーや描写は独自性を守ってるし実際の震災をテーマにしてるのにも文句はない。
ただやり方が気に食わん。
災害をテーマにするのと実際に起きた災害をテーマにするのはアプローチの仕方に違いがある。
観て傷つく人もいるしね。
ネタバレになってもこれは実際の災害をテーマに作っていると大々的に告知するべきだった。
はっきり告知せずに濁した告知をしたのは後半の衝撃をより深くする為だろう。
まさか実際の災害をテーマにしていたとは!と。
結局この人は独自の方法では感動させるのに自信なかったんだろうな。
口ではそれっぽい事言ってちゃんと注意喚起してますとか保険もいっぱい作ってたみたいだけど正直観てたこっちは、正々堂々正面から戦おうぜ!と言われた後に後ろから撃たれた気分だった。
卑怯者のやり方。
まぁ監督だけじゃなく利益を優先した奴らがいたのかもしれないけどね。商売だし。
ただそいつらは間違いなく外道。
この映画自体は好きですよ。
ちゃんと告知してたら評価も変わってたと思う。
賛否両論が増えて被災者叩きしてる奴らも出始めたしマジでどうかしてるね。
観ない後悔より、観る後悔。とはいえ、、
IMAXで鑑賞。クライマックスでウトウトするくらい退屈でした。なんでこんなに評価高いんだろう?
冒頭から早急な展開で嫌な予感がしていました。
すずめ×ソウタ、すずめ×叔母、すずめ×母、すずめ×ダイジン、すずめ×震災、、、関係性が多すぎでは?
そもそも、すずめのビジュアルが可愛くない(これ大事)
この詰め込みすぎてどれも半端になっている感じ、細田守監督の「龍とそばかすの姫」を思い出しました。
人気監督として地位が確立すると、誰も忠言してくれなくなるのか?それとも聞く耳を持てなくなるのか?
きっちり時間とお金を払って鑑賞したんだから、これくらいのレビューはさせて下さい、、
ダイジンが好きすぎる
念願の新海誠監督の最新作
全作品を鑑賞している大ファン
ネタバレなしで見に行き、大正解
まず、キャスティングがよかった。
少し草太さんの演技が気になったけど本田翼よりはマシだった。(超上から目線ですみません)
RADの挿入歌が少ないのも良かった。
天気の子は音楽が多すぎると言う印象だった。
今回は車内の懐かしい音楽も大好きなものばかりで、芹澤のキャラも大好き!笑
キャラクターで言えば、ダイジンが何より可愛い!!!大好き!!!
私はあんなに可愛いダイジンに何されようと嫌いになれない...笑
ダイジンがすずめちゃんに嫌い?と聞いて激痩せしちゃうシーンなんかめっちゃ泣いた...。
可哀想...。
ダイジンはすずめのことが大好きで遊びたくて構って欲しかっただけなのに...。
ダイジンが開けたか分からないのに...。
芹澤は声優が神木隆之介さんなのに最後に気づいて納得した...最高。
聞いたことあるけど演技がうますぎて、作品に入りすぎて分からなかった。
すずめの声も良かった。
菜乃華さん、とっても可愛い!
ひとつ腑に落ちないのはやっぱり恋について。
一目惚れ?イケメンだから?数日旅しただけでこんなに好きになれる?と少しだけ思った。
私なら草太さんよりダイジンと生きたい。笑
ロードムービーとして、やっぱり日本は優しい国だと思いたい。
いや、日本人って本当に優しい人が多いと思ってるよ私は。
急に宿に泊めてくれたり、服を貸してくれたり、ご飯を作ってくれたり...。
高校生が学校休んでこんなに行きたいところに行けるできるいい時代?になったんだなと。
秒速5センチメートルではあんなに会うのが大変だったのに。
そう思うと今回も会うのが大変というか、そうか、会いに行くまでのストーリーだ。
そして家までの途中の芹澤とすずめの言葉が忘れられない。
生まれた場所、環境で感じることは違って当たり前。
つまり違う考え方や見方もあると...。
環さんの心配性で情緒不安定なのもわかる。
言ってたこともわかる。
惚れたが負けみたいな、愛が強い方が負けというか、連絡全然しないし説明しないすずめが悪いと思うけど、ここは落ち着いて話を聞い何かできないかサポートするべきかと。
最初の地震から始まって大地震を草太さんで止めてから、まさかあの場所へ行くとは思ってなかったし、この題材取り扱って大丈夫?って思いがあった。
この映画を見るのが辛い人もいるんじゃないかなって心配になった。
でも新海誠監督だから許されるのかなと思った。
見る中でジブリ作品を少し思い出した。
これはまた見た時に探したい!
最初は呪文に少し引いたけど、ファンタジー強めだけどリアリティがあって良かった。
最後のシーンなんか大泣き。
メイクめっちゃ崩れた。
パンフレットを読んでわかったけど、最初に日常の自転車とドアを開けるシーンがあって、また最後日常のそのシーンに戻ってくるのは凄いと思った。
椅子もまたループしてって、家に帰って冒頭シーンを見返したときは鳥肌。
本当に凄い。
私は君の名は。よりも良かったと思った。
最初からちりばめられている伏線と細かい設定を知るためにあと何回観に行くのかな?
あと、いきなりソダイジンが出てきてびっくりした笑
私は震災の日を忘れることなんかないけれど常に死と隣り合わせなのを忘れちゃいけない。
朝の行ってきますが最後の言葉になるかもしれない。
些細なことで喧嘩したまま永遠に会えないかもしれない。
大切な人や猫様がいるからまだ死にたくない。
でも災害はいきなりやってくるし止められない。
この意識が薄れた頃に見返したい作品になると思った。
新海誠監督が伝えたい、大事で忘れてはいけないことが伝わった。
そして私が1番この作品を見て共感できる世代だと思った。
次の世代には刺さってくれるだろうか。
重いと思われちゃうのか。
軽く心に響かないかもしれない。
生まれた環境と経験で捉え方が大きく異なる作品かもしれない。
美しく脆い世界
1人の少女の珍道中から、シリアスでおとぎ話のような展開まで非常に見ていて新海誠作品ならではの美しい現実感を味わうことができた。
ラストのここに繋がるのかあ!というところは思わず声が出てしまう。
巡る町で出会う人々も魅力的で温かく、なんだか地方を旅行してみたくなる気持ちになった。
おばさんの本音が爆発するところがリアルで痛みが伝わった。
深海作品の描く都会はなんだかリアルでしみじみとする。
内容的には文句はないが、これといってハードルを大きく越えたような感覚はなかった。
ふわっとしているのは多方面への配慮かそれとも?
終始、ふわっとしている。
登場人物の過去はまあ、一応描かれているが核心的な部分はかなり曖昧である。(と私は感じた)
震災を大きく取り扱っていることから、鑑賞者を意識しすぎて、詳しいエピソードや背景が書けなかったのだろうか。
映像や音声で、過去の震災を思い出してしまう方はいるだろうが、ストーリーとしてはなるべく誰も傷つかないようにと配慮した話に仕上がっていたと思う。
じゃあ何故震災をテーマにしたのか、疑問でもある。
もっと主人公たちの行動に信念があると感じられるような描写が欲しかった。
起承転結ははっきりとあるし、ロードムービーとして映像が綺麗なので凄く退屈というほどではないが、壮大なラストを見ても何も響いてこない。
ひとつだけ突っ込みをいれるとすれば、閉じ師だけでは食ってけないってそこにリアリティーはいらないし、逆に教師やりながらそんな大事な代々続く仕事を片手間にやろうとするのはどうかと思う。 おまけに高校生と付き合っている教師とは…。 どうしても教師という設定の必要性がわからない。
驚くほど何もなかった。
新海誠の真骨頂と言えば、アニメでしかなし得ない映像の魅力なのだろう。この映画は映像的な魅力で描いたシーンが連続しているだけだ。ドラマを語ることをついに放棄したかと感じる。ある意味正しい選択なのかも知れない。しかし、日本文化に親しんだ皆に分かりやすい共通理解と同義であるが、竜のように描かれる地震のエネルギーなど、想像し得るイメージを超える新鮮味やオリジナリティは乏しい。映像の魅力のみを追求したであろう作品で映像の魅力が足りない。
そしてドラマ性の欠如は明らかで、鈴芽がいつどのように草太を「居ない世界が怖い」とまで言うほどに好きになったのかまるで描かれないし(好きであるという状況が必要だったということだろう)、要石とか閉じ師がどういう設定なのかも明らかでない。そういうものだということに終始し、謎解きも求められていないのだろう。封印のようなことを成し得たのも、なんだか頑張ったからという以上のことは読み取れない。モチベーションがよくわからない中で感情で物事が動く、日本映画の悪癖である。
また、ロードムービーでもある訳だが、この魅力的な形式には大きな危険がある。移動と一体となって展開するドラマこそロードムービーであるが、旅路を進んでさえいればドラマが動いていなくて動いているかのように感じられてしまう。途上で出会った人たちはどんな存在だったのか?物語の初めと終わりで何が変わったのか?
境界の表現は「君の名は。」より意味を持って描かれたと思いますが、あんなに気に入らなかった「君の名は。」がそれなりに見どころあるものに思えてくる一本でした。
自然主義を体現した作品
新海誠監督特有の緑、青と黒、赤のコントラストが印象的でした。
ここまでかと言うほど自然主義的な映画の内容で、ジブリの作品みてるのかなと感じました。というかジブリ作品のオマージュだと思った。
緑から生まれた私たち人間が青の神聖な水に還って行く、唐突に人間の上に降り注ぐ、赤黒い神の怒りの渦。それは自然と共に生きると決意した人間に与えられた使命のように感じました。
特に扉の中の災害は地獄のようで、石が刺さった山は青い水が流れてたのが混沌としていてすごく絵が綺麗でした。災害のシーンは映画の後隣の女子高生が怖い怖いと言っていたのに同意します。
ドライブしている時、東北の景色をみて芹澤がきれいだと呟いたとき、私も東北に以前訪れた際、とても綺麗だと感じたので驚いた。すぐあとすずめが、綺麗なわけないと言っていて、震災を実際に体験したすずめからしたら忌々しい記憶を甦らせる景色でしかない訳で、当たり前で、申し訳ないなと思った。けれど、不謹慎な事は承知の上で、人間があれほどの時間をかけて作り上げた文明を震災が一瞬で全て破壊し、破壊された土地の上に新たな命が息吹き自然を作り上げる、あのなんとも言えない景色を目の前に、言葉に表すことが出来ないような感情になった、それをこの映画をみて思い出しました。この映画はあの震災を体験した人としていない人では感じ方がすごく違うと思います。
きっと未来を見て歩くことは難しいけど、人間はいつか必ず自然に身体をお返ししなければいけないから、今生きている自分という存在を大切に、いってきますと言いたいですね。
外だけ立派で中スカスカ
興行的には成功するだろうがこの映画に感動できるのは正直24時間TVと同じ感動層なのだ。
浅い感動層でしか感動出来ない人がいる。これをターゲットにしている敏腕プロデューサーが川村元気だ。深い感動層に生きている人は数々の疑問と違和感と矛盾点に苛まれる。注意して欲しいのは感動層の浅い深いに優劣はない。おそらく浅い感動層の人の方が人生を生き残る確率が高い。ただ、浅い感動層の人と深い感動層の人は残念ながら分断されていて分かり合えない。興行的には☆の分布率を観れば一目瞭然圧倒的多数が正義だ。新海誠監督の初期作品群は深感動層をメインにしていたが、今では浅い感動層をターゲットにしている。私は馬鹿だから過去の想い出に引きずられて公開初日に見てしまった。もしかしたら戻ってくるのではないかと期待してだが。残念だが彼はもう戻ってくることはない。
以下 本作品の所感
◆廃墟るるぶ?
ストーリーは凡庸です。骨格が凡庸なものに最高レベルのキレキッレの筋肉でマッチョにしましたが無駄です。ストーリーの凸凹を史上最高レベルの作画という高級パテで厚盛し綺麗にホワイトニングした作品。
全国廃墟るるぶトラベルといったロードムービーなので、映画早送りで観ない層の私には全てセリフで説明してしまう怠惰で楽ちんでたまにはこういうのもいいのかも思ってしまった。
映画マニアはターゲットにはしていないので、マーケティングの勝利だよなと自分をだます。
新海誠監督は映画マニア的には悪い方向へ進化、間を潰して絶妙な川村元気チューニングで浅い感動層へ受けがいいかもしれませんが、ひねりが欲しいストーリーなのだ。
映画見た後あなたの心に何が残りましたか。
漂白された廃墟るるぶトラベル、綺麗な景色と躍動する女子高生とイス
うおぉんキチィ!思わずうなってしまう出来、悪くはないが良くもない。
なぜ失敗してしまうのか。映画の難しさと面白さの不思議。
◆イケメンの呪いとは?
本当はみんな気づいているだろうな。イケメンの功罪を。
想像してみてください。あなたの大っ嫌いな同性の、顔がいい男バージョンがイケメンの正体であることを。
心ある優しい正直な男性は「私、イケメン大好きなの」という女の子には分不相応だと反省して自然と離れていく心理と真理を。
そうです。開始数分で私の心はヒロインから離れました・・・
新海誠監督よキャラクターのキャラ嗜好が古いよ、そして男のやっかみですよ「イケメン」発言は多くの非モテの暗い青春を想起させるため長年の新海誠監督の弱点です。
暗い青春を送ったこの非モテの恨み辛みがイケメンをイスに変え、荒ぶる神シシ神となったのです。
ココから面白くするには宮崎駿監督でも無理です。
◆セカイ系の限界?
選ばれた男女によるセカイ救世主論という言わばセカイ系の独善性にはついていけない面がある。
セカイの命運と選ばれた男女の色恋は別の世界線で等価ではない。別の関係ない色恋沙汰があたかも関係していて、結局いつも被害を受けるのは我々なのだ。
頼むから別の小世界で色恋をやってくれと云いたい。私なぞはタンスに押しつぶされて死ぬモブキャラなのだ。
ちっぽけな人生であるが、どうせ死ぬなら抗いがたい圧倒的大自然のパワーとメカニズムによって葬られるべきだろう。
死を覚悟している人間に災害トリガーの恋心は不要である。モブキャラとして他人の恋心に巻き込まれて死ぬのはごめなんなのだ。
本当はみんな思っている。もう世界を巻き込むな、世界を救うために色恋禁止でお願いします。
ここら辺がセカイ系の限界なのだ。
廃墟になった景色にはモブな人々の生活が横たわり、自分は選ばれた男女の外側、モブ人間なのだという感覚がある。
だから、ある種の反感がこの映画についてまわる。私は開始数分でモブで殺される側の人間だという実感がある。
この実感、他の映画で学びました。
例えるなら、養豚場のブタが食肉加工工場で豚肉が見事に加工されている過程を観て感動している状態なのだ。いつか我々も被災するかもしれないのに安全な位置でファンタジーとして感動していていいのだろうか?
◆この映画の本質とは?マッチポンプと人的要因
この映画の本質はマッチポンプ巫女ロードムービーといってもいいと思います。岩戸鈴芽の岩戸姓が九州宮崎県の天岩戸神話がモチーフだろう。
現代では天鈿女命(あめのうずめのみこと)の「うずめ」が「すずめ」に変換されているようだ。元来「うずめ」は舞踊をつかさどった巫女(みこ)の意とされるから、「君の名は」や「天気の子」に続く巫女三部作だろう。
巫女が誤って封印を解いて全国封印行脚という身も蓋もないストーリーだ。戸締りの原因はすずめの知識不足による過失により引き起こされ「後始末」をしたに過ぎない。これは壮大なマッチポンプだろう。
また、そもそもの大地震のはじまりの原因は「過去の巫女または閉じ師が戸締りに失敗した人為要因」であったということになってしまう。
天災は天災であった方がいいのでは?
ここら辺の疑問が常についてまわります。失われた命は天運、神の領域であったほうがいいと思います。
この考えがあるため私はなんともいえない気持ちになった。遺族の心情を慮るとまだ数十年しか経っていない。
もはや災害系ファンタジーを描くのは限界がある。
我々は災害大国の国民であり、まっさきに災害難民モブキャラになるのを分かってしまった。
それでも生き残っている側は明日を生きていかなければいけない。死人に口はないからモブキャラは養分となって支えろと悪魔的な冷徹な経営判断がされている。サイコパスでない限りこの興行は行えないのだ。叩かれ慣れている経営者としては一流だろうし、狂気の表現者なのだ。
つまり、新海誠監督のサイコパスな面が見えてくる映画だった。大人の事情かすごいスポンサーの数だな。
自己弁護のように劇場配布された新海誠本に「観客の中にも、この映画を観ても震災を連想しない方が1/3から半分くらいはいるんじゃないでしょうか」とインタビューで答えているが2/3以上は震災を連想せずに感動できる層だと思う。この見通しは正しいと思われる。
君の名は以降の新海作品は中空構造であり、中身は何もない。あるのは感動できる空間を提供することで中身は何もないゆえの自由がある。あるのは綺麗な空間という側だけで、物語も左大臣と右大臣がいて中心は「ない」のである。「ない」ことの強みは観客の感動したいという気持ちが置けるのである。だから、感動したい気持ちがあれば感動できるという非常に高効率な映画なのだ。異性に惹かれる心理面の描写が「ない」から、その証拠に「イケメン」という外側重視の言葉がたびたび登場する。あれだけ動き回っていたすずめも性格がよく分からない子になるのは中身が「ない」のだ。その中身は鑑賞者に委ねられている。実は震災も空間という構造物だけで「ない」のである。だから、当事者感がなく観れるのである。すずめの母親の死も「ない」ものとして扱い、イスを作った母の想いを描かなくてよくなったのである。深い感動層に生きる者はイスは母の思い出の象徴であるのに、イケメンにすり替わる理由は震災を「ない」ものとしたい制作者の企みに気づく。中空構造の物語は現世に生きる観客の気持ちを中心に据えなければ空中分解してしまう。母親の過去、亡くなった原因、亡くなった描写、幼いわが子を遺して逝く母の気持ちをノイズとして処理してしまう恐ろしい企みなのだ。震災を描いているようで描いていない欺瞞に気づく。すずめの母は看護師で亡くなったのは病院の患者を最期まで守るためだろう。容易に想像がつくのに中身が空っぽなイケメンにすり替えたのは冒涜と取られても仕方がない。
このように中心にあるのは現世に生きる移り気な観客の気持ちであり、浅い感動層に生きる人はこの映画という入れ物が耐えられる。反対に深い感動層に生きる人はこの映画という入れ物が耐えられないし、中空構造に気がついてしまう。評価が低い人のレビューが読ませてしまうのは中空構造の欠点を種明かししているからだ。ここまで「ない」ことの魅力をみせてくれる作品はそうそうない。しかも、上記のように円環構造にもなっていて奇抜な中空円環構造物語といえる。
例えるなら、ドーナッツ構造の物語は浅い海に住む人たち浮き輪となって楽しませるだろうが、深い海に住む人たちに届く前に水圧で圧壊してしまう。繰り返しになるが感動層の浅い深いに優劣はない。しかし、浅い感動層にいた方が圧倒的にコストパフォーマンスがいい。また、すぐに感動出来る方が生き残る確率が高くなる。深い感動層にいる人は浅い感動層にいる人がうらやましいのだ。だから、新海作品に苛立ちを覚える。その苛立ちも「ない」構造の新海作品には意味がないことが分かるだろう。あるのは移り気な観客の気持ちであるのだから夢や幻と同じだ。鑑賞後に奇妙な空しさを覚えるのは対象年齢を過ぎた幼児用おもちゃに似すぎた構造の種明かしから覚める感覚がその正体だ。それはもっと複雑な映画(おもちゃ)にステップアップするサインだ。
311への想い
まだ早いのかも知れないし、311を知らない世代も増えていて、今更なのかも知れないけれど、強く311への想いを感じた
人の命は有限で、必ずしも自分の思い通りにはならないが、人の思いや行動で変えられるモノもある
ただ、死が怖くないものの命懸けでは無く、死を恐れ1秒でも長生きしたいものの命懸けでしか、成し遂げられないものがあるのだと
そんな事を感じた作品だった。
ひとことReview!
今年度の最高傑作かつ最重要作品。作画、音楽、そして、俳優メインでありながらハズレ無しの各キャストの凄い演技に圧倒される。過去の震災で体験した人こそ避けてはならない一本。生きる為には、トラウマを乗り越えなければならない。
明日への希望は、掛ける言葉
災害と共に生きる。
これは、日本に生きる上で切り離す事のできない事象だと思う。
この島国には、4つのプレートに挟まれ、地震発生のリスクが高く、地震による津波の影響も少なくない。
3.11では都市が波に砕け、多くの人々が命と、その住処を失った。
今もその爪痕は残っている。
本作は災害の後、共に生きる事を、現実に起きた災害を題材に逸らさず描いていく。
もちろん前半部分の旅(冒険)パートや擬人化ラブコメパートも心地よく描かれているので、観ていてダレる事がない。
また、中盤から現れる芹澤くんは、かなり良いキャラであり、彼の存在が物語の軽快さを補助してくれる。
環さんの悲痛な叫びも、その後の自転車の上での二人の会話も、生きてきた証を感じる言葉だ。
ダイジン周りは説明不足感も否めないが、その分妄想が捗る。過去の人柱が要石から神となった……とか考えると、ダイジンの最後の台詞も悲しくなります。
しかし何と言っても本作の見所は、やはりラストシーン。
草太の台詞と、すずめの台詞だろう。
草太がみみずへと語る言葉。
この不安定な世界で、それでも生きたいと願うのは、きっと出会った人との繋がりが、そう思わせるのかも知れない。
小すずめとすずめの言葉。
辛さと無理に向き合うのではなく、共に過ごし、自分自身を救うような言葉は、過去の自分と今の自分を救い出してくれるような台詞だった。
この作品を見るのが辛いと思う方も少なくないと思う。
しかし、この作品が伝えたいのは、悲惨さや恐怖ではなく、明日に向かって生きると言う、ささやかな希望だ。
センシティブな内容の為、扱う事の難しかった題材。
そこに真摯に向き合い、作品を作り上げた監督とスタッフに感謝したい。
声優陣の演技も世界観とマッチしていて、違和感なく物語を楽しめた。(特に小すずめ役の三浦あかりさんの演技は涙が出た)
日本中の全ての方へ。
共に、行ってきます、行ってらっしゃい、ただいま、おかえり。
明日への希望を込めて、日々の言葉を大切にしよう。
それが広がると良いなぁと、思える映画でした。
色の鮮やかさに感動
色の鮮やかさに、草の風で揺れる音、描写一つ一つに共感しました。会えるのなら勇気を出して今会いに行くすずめちゃんの雄大に私も今会いに行ける少しだけど気持ち貰いました。私もお祖父ちゃんに嫌いで手を振りほどしてないと会いに行って言いたいです。お墓参りして(生きてるうちに伝えられなかったのが無念)届けたいです。届くと嬉しいなぁと思います!!
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