すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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閉じ師の青年と女子高生のロードムービー。
『すずめの戸締まり』鑑賞。
*声の主演*
原 菜乃華
*感想*
新海誠作品は、「君の名は」だけ観たことがあります。
かなり壮大だった。スピード感があって、ずーっと見入ってしまって、思わず呼吸を忘れてしまうほど面白かった!
新海誠作品は、街の風景、海の風景、山の風景、日常の風景、料理の表現が細かく作り込まれてて、久々に劇場で観ましたが、衝撃でした。
閉じ師の青年と災いの扉を開けてしまった女子高生が扉を閉ざす為に旅立つロードムービーとなっていて、日本の各地を巡り、色んな人々と出会いと別れを繰り返しながら進行しますが、退屈な場面が全然なかった。
登場人物は全員好きだな~。まさかあのキャラがこう活躍してくれるのは意外だったし、ファンタジー、ロマンス、ヒューマンドラマ、そして何より、頻繁に出てくる地震速報。あれはちょっと、アニメでもビビりました。
総じて、テーマがやや重めですが、かなり面白かったです!\(^^)/
ここの低評価を確認してから観ました
変な映画
圧倒的傑作!負の激情の発露で一気に深度を増したストーリー
圧倒的傑作でした!
しかも自然災害という難しいテーマを真正面から捉えつつもエンターテイメント作品として成立させているのは見事!・・・としか言いようがありません。
新海誠監督は「君の名は。」に続き、また新たな境地に踏み込まれたのではないかと存じ上げます。私自身も酷評した前作は無かったことで良いです(笑)。
鑑賞後、涙をぬぐいながらあまりに振れ幅の大きい激情のシーンをその選び抜かれた言葉(ことのは・・・と読むとカッコいい)、精緻に組み上げられた最高の映像表現と共に反芻いたしましたが、今回は特に、登場人物の負の感情も隠すことなく曝け出しているのが印象的でした。
極めて美麗だけどあまりにそれが過ぎて現実味がなくなり表面的に見えてしまう・・・というのが新海誠監督作のエンタメの最大の欠点でありましたが、「恨み」「嫉妬」「不安」「怒り」などの負の感情をストレートかつ非常に戦略的に表現することで、一気に物語の深度が増し、共感の軸がかなり太くなったと感じました。
この物語の深度の増強は、物語終盤に明らかになる日本史上における未曾有の大災害に触れる際に必然であったのだろうと思われます。
また、日本古来の伝承、八百万の神々の理解度という点で監督の知識の広さ、深さ、精緻さには脱帽です!正直フィクションの枠を超越しています。
当方あまりに心が揺さぶられ、お恥ずかしながら涙をこらえるあまり重要なシーンを直視出来なかったので近いうちに再度鑑賞したいと思う次第です。
またダメかもですが(笑)。
ジブリの系譜と新海誠のマッチング
ロードムービーとして強固なおもしろさ
新海監督の想いを詰めた素晴らしい作品だと思います。
注)本筋には触れませんが、全く情報を入れたくない方には、もしかしたらネタバレと感じるかもです。
新海誠監督の最新作。
今作も自然災害を軸とした作品。
隕石、豪雨に続き今作は地震。
地震は後ろ戸に潜む巨大なミミズが現世に現れる事で発生するという設定が面白く、現実的な世界観とファンタジーが上手く融合されているなと感じました。
相変わらずの圧倒的な映像美は素晴らしい!の一言。1シーン1シー本当に魅せてくれます。
また、今作は舞台が次々と変わる為、まるで自分も旅行しているような気分に。
ちょっとしたシーンの描写が本当に細かく、リアリティがあります。
また、リアリティがあるからこその地震警報の緊張感。
まさかとは思ったが、現実にあった大災害、東日本大震災をあそこまではっきり取り上げてくるとは思ってもいませんでした。(新聞なんかでも掲載されていたらしいですが、できる限り前情報は入れないたちなので、地震がテーマである事も知らなかった。)
わずか11年前の大災害。人によってはかなり刺激が強いのではと心配になってしまうのと同時に、よくぞこのデリケートなテーマを取り上げたなと感心。かなりの覚悟で臨んだのだと感じました。
映画としても、見応えのある非常に素晴らしい作品でした✨
一緒に行った小6娘
とても面白かったようです。もう一回観たいと言ってました。
小3息子
難しかったようで、ストーリーは全然理解していないようでした。
子供は高学年位からがおすすめですかね?w
その他
・過去2作はRADWIMPSをBGMにプモローションビデオのような演出が印象的であったが、今作は無し。その代わり?ナツメロがかなり流れてました♪まさかあの曲を使うとはかなり強気だなと感じたりw
・前作の登場人物がこっそり登場する演出。今作は気付けず。帆高くんと陽菜ちゃん、どこかにいましたかね?
RADWIMPS色が少ない作品でしたが、見て損のない作品です!
『君の名は。』、『天気の子』に比べると、RADWIMPS色の少ない作品で、
音楽が物語に与える影響が少なかったかと。
作品7:音楽3ってとこかな。
(『君の名は。』は、5:5。『天気の子』が、4:6。
ってとこかな)
主人公(鈴芽)の声が、
キャラクターの見た目(身長など)と
合ってなかったような気がしました。
特に冒頭は、キーーンっと変に際立ってしまってたかと。
所々で、
あのイギリスファンタジー小説のようなシーンや
兄弟が旅する国内マンガのようなシーンが。
さぁ~て、
2回目の観賞前に小説の方を読まなくっちゃ!
ダイジンって、
やはり【大臣】から来てるんですよね?
劇中でのセリフが、
うまく脳内で漢字変換できなくて【大尽】が浮かんでしまって。
モデルは、白豆と呼ばれていた右大臣三条実美かしら。
ストーリーが頭に入らない
正直、ガッカリしました
緻密な心理描写を描いていた頃の作品を作るつもりはないのかも
大味で映画を楽しみたい方には向いていると思いますが、、、
<よかった点>
・風景描写はやはり監督のお手のもの。綺麗でした。
・よくも悪くも、物語の起承転結がはっきりしているので、飲み込みやすい作品だと思います
・性的にきわどい描写もないのでデートだったり、家族で行っても嫌な思いをしないでしょう
<残念な点>
・主人公以外の登場人物の設定や心情に関する描写が極めて弱く、どういう行動原理でそうなっているのかがわからなかった。
そのため、考えてしまい、メインのストーリーに集中することができなかった。
・新海誠監督は、本来は心理描写が巧みな監督だと思っていたけど、少し変わってしまったのかもしれない…登場人物にあまり魅力を感じませんでした
・自然災害の神秘性、田舎と都市の対比、女子高生…過去数作で見覚えのある感じだなと感じました。はっきり言って新しさがない。
この映画とは関係ありませんが、金曜夜の都会の映画館はマナーがなってない方が多かったので、気になる方はお勧めできません。
空想的超現実な夢の交錯
最後は震災に対しての追悼的な内容が、あまりにも生々しくそれまでの涙誘うシーンが完全な絵空事になってしまい色々とは語れる感じではなくなりましたが、登場人物は皆親しみ覚えるキャラでストーリーの主題も展開もとても興味深く引き込まれ見応えありました。
追記
ストーリーは勿論のこと設備の違いによる音響も確認したかったので3回見ましたがやはり震災との関係性が収まり所の無い存在になっている。純粋で真剣に本気で作られた作品だと思いますが、真にこの状況にあられる方のお気持ちを考えずにはいられません。
慰めや癒しや希望を確かに必要としているかもしれませんが、モラルとして踏み込んではいけない境界線への配慮に欠けているとも思えてしまいます。
個人的には完全な無力さで遠くからひとつの人生を尊重し慈しみ敬う事しか出来ません。
計り知れないその方の体験や気持ちや痛みは永い一生を掛けてその生活の中で修復し慰められ時には何か意味を見いだしたりしながら完結に向かうのであって一本の映画での感傷的な泣く又は泣かすいう行為自体、失礼で不道徳とさえ思えてしまう。
すずめと叔母の関係性はとっても人の心情の機微に共鳴し揺さぶりグッと来る。
はまらず
意外なつまらなさに驚愕。過度の期待は禁物。
公開初日、早朝に鑑賞。前作『天気の子』も初日の朝に観ましたが、あの時は観客がギッシリと埋まっていて、凄い人気だった記憶があります。それと比較すると、本作は意外と空席が多めでした。
忖度無しに正直な感想を言うと、自分には余り響かない、つまらない映画でした。『君の名は』や『天気の子』の大ヒット作は、自分の好みでは無かったものの、映像美や娯楽性の高さの点で、それなりに楽しめたし、世間で大ヒットした事も納得の出来る作品でした。しかし、本作に関しては、映像美は良いのだけど、内容は、うーん・・・褒めたくなる要素が思った以上に少な過ぎて、手離しで絶賛出来るような代物では無かった。観ていて色んな疑問点ばかりが頭に浮かび、なかなか映像世界に入り込めない。幾つか面白い場面もありましたが、全体にどうも受け入れられないものを感じ、また不快に感じる場面も少なからず。作り手が何を伝えたいかという、映画において重要なメッセージ性自体が余り感じられなかったのが最大の難点で、感動する事も無く、私にはダメダメ映画でした。
キャラクターに感情移入しづらく、恋愛の描き方にも薄いものを感じます。主人公「すずめ」が、すれ違った後に少し関わっただけの赤の他人「草太」をまるで昔から深い付き合いの恋人くらいのレベルで必死に追いかけていく理由が分かりづらい。
説明不足のまま、どんどん勝手に進行していって、観客を置いてけぼりにする急展開もキツいというか、脚本作りの段階で、誰か助言をする人が必要だったんでは・・・、とも感じます。心をグッとつかまれるような名場面も余り無く、2時間が普段以上に長く感じ、最後まで観続けるのに気力を必要としてしまい、観終えた後の疲れがハンパない。
各地の鍵穴を閉じて回る設定が『キングダムハーツ』のパクリだとか、ジブリ作品のパクリが多いとか、既視感あり過ぎという見方もあるようですが、もしかすると新海監督は過去の大ヒット2作品の後、期待され過ぎた重圧に押し潰されて、自分で本当に描きたいものが何なのかが、分からなくなっているのかもしれません。
映画が終了後、客席全体を観察すると、明らかに満足してなさそうな暗い表情の人が多く、疲労感が漂ってる印象。ここのサイトでは嘘みたいに褒めちぎりの絶賛レビューが多くて驚きますが、実際の現場ではかなり白けた空気が漂っていて、場外に出る際、「何か中途半端な感じだったなー」と2人で来ていた若者がボソッと静かに言う会話も聞こえてきました。今年は映画館に180回以上行きましたが、これは今年観たマイベスト映画の100位にすら入れられません。
3.11震災が題材になってる映画なのですが、ああいうリアルでデリケートな問題をこういうファンタジー要素多めの映画にして、ああいうラスト・シーンにしてしまう事自体、何だかな~と、こういう事やっちゃっていいのかなと。震災の被害に遭われた人達がこの映画を観たら、余り心地良いものではないですね。思い出したくない悲惨な過去を反復させられて、映画の内容とは全く関係の無いところで、悪い意味での感情が揺さぶられる、そっちの面の方が多くなる気がする。こういう作風には余り共感出来ない自分がいます。
親しい人にオススメ出来る映画かと言えば、これはもうオススメなんて絶対に無理。これをオススメしたら、「映像が綺麗で、キャラも可愛かったけど・・・正直微妙だった」とか言われる可能性があります。
千と千尋を思い出す
新海誠の映画が本作でついに東日本大震災という現実の出来事に深く切りこむことになりました。
一つの町全体を破壊する隕石落下、都市を水没させる長雨……。近年、架空の自然災害を一貫して描いてきた新海誠の映画が本作でついに東日本大震災という現実の出来事に深く切りこむことになりました。
本作の大きなテーマは、滅び失われていくことを受けとめ、悼むこと。その点『君の名は。』でも災害を扱ってはいましたが、本作と大きな違いは、まだ災いを止めようとしていただけで、災い自体は受けとめていませんでした。『天気の子』では災いを受けとめるのですが、災害が起こってしまったことを認めるまででした。けれども本作では、災害によって登場人物にとって大切な誰かが亡くなってしった哀しみをに前面的に共感して、元に悼むことに初めて到達したのです。ただ東日本大震災というとてつもない哀しみを受け入れ、悼むことは新海監督にとってとても辛く、またそれを描くことに自信がなく、暗中模索してきたのです。それはまるで『喪の作業』といわれる、4つの段階つまり『無感覚』・『否認』・『絶望』・『再建』という各ステップを踏まなければ、次の段階へ進めないという大変時間がかかるこころの変遷が必要だったのです。
しかし既に若い世代には震災を知らない震災以降に誕生した世代が増えてきて、危機感を感じた新海監督はも今のうちに、この映画を作らなければいけないという使命感をもって生み出したのが本作です。
本作の大きな特徴は、これまで多用してきた自分語りのナレーションを封じ、主人公の鈴芽には彼方からの声に耳を傾ける役目を負わせていることです。そこには今までとは決定的に異なる果敢な挑戦を見てとることができました。
また本作では一段とアクションシーンの連続で、エンターテインメントの度合いが格段に上がったといえることでしょう。とにかく今度のヒロインは走ります!空も駆けます! 新海監督ならではの精緻で美しい背景はそのままで、しっかり泣かせてもくれます。期待を裏切らない出来上がりでした。RADWIMPSと陣内一真の音楽が、物語をさらに盛り上げてくれました。
九州の静かな町で暮らす17歳の女子高校生の岩戸鈴芽(声・原菜乃華)。彼女はある日の登校中に日本中の廃墟にある「後ろ戸」を閉じる旅をしている青年・宗像草太(声・松村北斗)に出会います。彼の後を追って山中の廃墟で見つけたのはある一つの扉でした。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばします。そこ扉の向こうにあったのは広い草原と、全ての時間が混ざりあった空があったのです。
実は草太は各地の廃虚にある扉に鍵をかけることを代々家業として親から受け継いだ「閉じ師」でした。
その後二人の前に人間の言葉を話す謎の白い猫、ダイジン(声・山根あん)が現れ「お前は、邪魔」と話した瞬間、草太は鈴芽がまだ幼い頃に使っていた3本脚のイスに変えられてしまうのです。
日本各地に点在するこの世ならざる世界に通じる「後ろ戸」。その扉の綻びからはパンドラの箱のごとく「ミミズ」という、赤黒い渦巻きがこちらの世界に侵入し大地震をひき起こしていました。その扉を閉じて地震を未然に防ぐことが「閉じ師」の使命でした。
そして日本各地でこの「災いの扉」が開き始めます。「後ろ戸」があいてしまい「ミミズ」が登場する廃墟には必ずダイジンがいたのでした。逃げ出したダイジンを捜し、愛媛や神戸、さらに東京へと“2人”の後ろ戸を閉める日本縦断の旅が始まります。
それは鈴芽にとって、大災害を未然に防ぐことばかりでなく、4歳の時に震災に遭ったとき、忘れてしまっていた大切な記憶を取り戻す、こころの旅ともなっていたのです。
かつて温泉街だった最初の廃虚、水たまりの上、光のきらめきの中に立つ扉が鮮烈でした。さらには陽光の輝き、街の明かり。穏やかで美しい風景描写が広がります。
鈴芽はいきなり、扉から出てくる災いの奔流に巻き込まれます。ダイジンを追う先々で扉は現れ、スペクタクルシーンが次々と展開するのです。その中で、彼女の成長が物語の縦軸となっていきました。旅では同世代の女子高生や子育て中の母親、死期の迫る老人と出会います。人生をたどるような道行きで、鈴芽は大人になっています。「スタジオジブリ」のあの作品へのオマージュが象徴的でした。
しかし災い=地震を引き起こす巨大ミミズが「後ろ戸」から出てしまい暴れているにも関わらず、人々にはその怖ろしい姿が肉眼には見えず、気づきません。作中、たびたび発信される緊急地震速報の警報は、「忘れるな」と観客に強く訴えているのでしょうか。
記憶の断絶は、鈴芽の身にものしかかります。
デビュー作「ほしのこえ」から、新海監督は内省的で繊細な少年、少女を多く描いてきました。それに比べて、本作の迷うことなく突き進む鈴芽でも、登場当初は「普通の」ヒロインに見えてしまい、物足りなく感じました。けれどもそうではなかったのです。彼女は震災で母を失い、故郷を離れ。叔母に引き取られた過去を持ちます。根っこを失い、「死ぬのが怖くない」と気持ちをさらけ出しもしますが、終幕、自分の内に隠された記憶に向き合い、再び生き始めるのです。国民的監督として広い期待に応えつつ、新海監督らしさは健在だったと述べておきましょう。仔細は本編で!
最後に、これまでの作品で日本神道との繋がりを臭わせてきた新海監督でした。本作ではかなり直接的に日本神道の神々との繋がりを描いています。例えば一旦開いてしまった「後ろ戸」を閉じることは容易ではなく、扉から出ようとするミミズの圧力には、草太でも力負けしてしまうのです。しかしそれで諦めてしまうわけにはいかない草太は、祝詞を唱えつつ、精神を集中。神さまと一体となって潜在意識下を解放し、「後ろ戸」を閉じてしまうのです。
またスズメの名前の由来は、鳥のスズメではなく、神道の神さまのおひとりである天鈿女命(アメノウズメノミコト)からインスピレーションをもらったとインタピューで答えていました。天鈿女命というのは天照大神が天岩戸に隠れてしまったとき、その前で踊って、岩戸を開かせるきっかけを作った神さまで、芸能の神さまとしても信仰されてきました。そのお名前のウズメからスズメにインスパイアされたそうです。
そして大事なことは、椅子にされてしまった草太に変わって、鈴芽が「後ろ戸」を閉じる役割を担うことになったのです。しかし鈴芽には信仰もなく、祝詞をあげることもできません。その代わり鈴芽は過去の人々の声に耳を澄ませることで、神さまと一体となり「後ろ戸」を閉じれるようになったのです。映画「線は、僕を描く」作品レビューでも指摘しましたが、「過去の人々の声に耳を澄ませること」とは、結局自分の過去で周りからどんなに自らが愛されてきたを思い起こすことにつながります。それは自己処罰の思いを克服し、自信につながるのです。自らを信じられる人は、自分の五感を超えた世界の神さまのお力も素直に入りやすくなるのです。なので特段神道の信仰のない鈴芽でも、神さまの応援が得られたのでした。神さまと一体となることで、人は火事場の馬鹿力を発揮できるようになるわけです。
新海監督は、本作でかなりはっきりと日本神道の神々のお力と、人間一人ひとりに宿る潜在意識下の無限の力を描いたのでした。
足で踏まれたい新海監督とは、うまい酒が呑めそう
川村元気氏と新海誠監督は、鈴木敏夫氏と宮崎駿監督の関係になるでしょうか。ジブリや細田監督がイマイチな中で唯一、期待を一身に背負わせての新作です。ただ新海監督も上記2名に違わずワリと振れ幅がある監督なので、関係者もヒッソリと心配はしてたかも? 川村氏を除いて。
映像/ビジュアルはもう何も言う事ありません。アニメ映画界では、現時点で最も彩度と質感を出せる監督ではないでしょうか。そして良く動く動画、しかもかなり自然に、それでいて面白く動かせるしシリアスにも動かせる。音響も然り、それもこれも資金とリソースの為せる技でしょうが、現代アニメ映画ではトップクラスです。
中の人も、今回はあまり違和感なし(一部やりすぎ・大袈裟感もありつつ)で、色んな大人の事情をも背負い込んだワリには、ほぼほぼ良好な仕上がりかと。それとも新海監督、一目置かれてダメ出しとかシッカリ出来たのかな?w
これだけ上々の仕上がりを持ってすれば、〝不自然〟〝ご都合〟〝あり得ない〟等のアレコレは凌駕され気にならなくなります。それが良作の良作たる所以です。
そんな概ね〝パーペキ〟な作品でも、気になる部分は幾つかあります。
まずスズメがソウタにアレする切っ掛けが結構チョロい気がします。若い男女の色恋なんて実際そんなモンかも知れませんが、アニメ作品とは言えソレを安直にピコーン♡とやるのは些か短絡的ですし、そもそもソウタは作品通して長いこと椅子でしたし。
また、ダイジンこと白猫の素行がイヤにカワイくない事もマイナスでした。自分だけかもですがイラッとするシーンとかあり、何か意図があったのかも知れませんが。なので後のショボクレ加減にも悲壮感を感じませんでした。
あとはオマージュと言うか、他監督作品での既視感のあるシーンがチラホラ‥‥
ところで昭和歌謡懐メロはどうなんでしょう? 当然知ってる曲ばかりですが個人的にはあまりピンと来ませんでした‥‥
ただ新海監督の趣味趣向によるものか、自分みたいな二次元ヲタが抱く〝理想の女子、かくありき〟なキャラを毎作描いてくるので、ミツハと言いスズメと言い魅力的だった、てのがワリと本作品の評価を押し上げる気がします。
でも新海監督は『言の葉の庭』がワリと本音路線なのでは?と個人的には分析してます。そんな趣味を今回の作品にもねじ込んでた様な箇所ありましたしwww
とは言え、本作も3桁億の興行収入は間違いないでしょう。自分の住む田舎の映画館でも初日20本回しでしたし、ローソンのキャンペーンに来場特典もドエラく力入ってて、街を上げて新海祭り状態でした。
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