すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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トラウマのリフレイン
災害をテーマにした映画で、トラウマ・感情を逆撫でするような描写が多い。テーマの重さに比して、登場人物の人物描写が非常に薄く、行き当たりばったりの出会いと別れの繰り返し。映像は綺麗だったため1.5点とした。
気まぐれは神の本質だからな。
地震を神の仕業としたのか。その姿「ミミズ」はほとんどの人間の目には見えない。人智の預かり知らぬところ、というわけか。そしてそれを封じることを生業に生きてきた閉じ師という人たち。こういう設定(特殊能力をもった一族が人知れず世の中のバランスを保つために命を賭けて働く・戦う)はよくあるスジ。「大事な仕事は人から見えないほうがいいんだ。」のセリフはまさにそれ。そして、そんな孤高の彼らに純心からの義侠心で手伝う主人公。これもよくある。だけど、どこか新しい感覚があった。それは、ダイジンが結局何者だったのか、の印象のせいかな。
世の科学者は、世の中の現象はすべて科学で説明ができる、心霊現象やら超常現象の類などはなく信仰というものも心の弱い者の逃げ道だ、とまで言う。だけど、たとえそれが真実であったとしても、自然界を敬う気持ちを忘れてしまっては、手痛いしっぺ返しを食らう。この舞台である東日本大震災のすべてがそうだ、とまでは言わないが、少なくとも過去の教訓をおろそかにした結果は各所にあらわれていた。そのメッセージを感じた。そして、その惨劇をトラウマとして心に抱えて生きている人のキズ。それを現世(うつしよ、現世)と常世(とこよ、死者の世界)を隔てる"扉"を登場させて表現する妙。また、死者の世界が美しいんだなこれが。心が弱っているとついつい誘い込まれていくのだよ。だけどそんな人は皆、ほんとうは答えは自分の中にある。だからスズメが「私、忘れてた。大事なものはずっと前にもらってたんだ。」と気付くのだ。
「君の名は。」では、民俗学やら天文学やらを巧みに物語に取り込んでいて上手いなと思ったが、この映画もその技はお見事。相変わらず、上質な画だし、ラッドウィンプスとの相性はいいし、クオリティーは高い。
個人的には、監督の最近の三作では一番好きでした。 もうこの手の映画...
個人的には、監督の最近の三作では一番好きでした。
もうこの手の映画で「いつ好きになったのか?」と分かりやすいイベントを求めるのは野暮というものですが、まさか早々に椅子になり、そこを完璧に放棄しているのは潔さすら感じます(笑)。
震災を取り上げるのであれば事前に言うべきだという気持ちもわかりますが、作品のネタバレを避けたいという気持ちもわかりますので、そこに関してはちょっと中立を保ちたいです。
そこを含めて、絶対的な天の時に恵まれた君の名はを越えることは難しいでしょうが、出来は決して劣っていないと思います。
廃墟の扉から出てくる地震のもと、ミミズを防ぐため、スズメが戸締まり...
廃墟の扉から出てくる地震のもと、ミミズを防ぐため、スズメが戸締まりする話(笑)
全く面白く無さそうに聞こえるだろうが、作画のスケール、美しさ、その他不思議な魅力でどんどん引き込まれていく。
笑いあり、涙あり、そして感動も。噂に違わぬ良い作品でした。その素晴らしさはもう書き表せない。そう、見るしかない。震災をあつかっているがゆえにか、評価が分かれる部分もあるようだが、だからこそ見るべき、と私は思う。
15:20スクリーン1、座席G-7 客足はまだまだ好調だが、比較的落ち着いて見ることができた。
点数はすべて映像のみ
まあお話が薄っぺらい💧
主人公はわざとらしいくらいワーキャー騒ぎ、大切にしてくれている育ての母をちょっと一目惚れしたくらいで蔑ろにし、とにかく感情移入ができない。あんな女子いない。
草太は説明が足りなさすぎるし、そこまでも魅力がない。むしろ友達の方が人間味があって良いくらい。
すずめが恋愛でもなく守りたいもののために走るならともかく、なんだそりゃの連続。意味が分からないだらけで、最後のシーンだけは素敵なシーンだと思ったけど、2時間しかないのに途中長くて寝そうになった。
そして実際の震災の場所を出すのは中途半端で、この映画には向いていないと思う。
何よりも一番残念なのはどこかで見たことのある感じと、観ていてワクワクしないこと。そしてキャラ設定と脚本が悪い。良いところは映像だけで、あとは残念すぎる。なぜ評価が高いのか疑問に思います。
泣いた、撮る動機の強い表出に。
9割の既視緩慢に飽き、巻末1割でキた。宮崎まどマギ幻魔をモロ引用し、災害への畏怖と個々の遺恨鎮魂の両極を地鎮概念で同時に語らんとする無理筋な撮る動機の強い表出にキた。令和旅映画はつまらぬと予め諦めた感も良し。事に向き合い整理封印して進め、か。泣いた。支持。
面白かった!過去作では1番かな?
新海誠監督の作品は話題作3作品以外にも
2作品ほど見てますが個人的に1番見やすかったです。
見やすかったのは
良くも悪くも新海誠の気持ち悪い部分が
1番抑えられていたように感じので。
ストーリー自体もよくあの物語を
ひとつの映画にまとめたなぁ!と感動でした。
少し説明が足りない部分や設定が浅いところも
ありましたが色んな人が楽しめる作品になっていると思います!
しっかり後半は泣けましたし
好きな作品にはなったのですが
震災を経験している身だったので
ちょっとその演出が多い分見る際には注意です。
娘と観に行きました。 観終わった後なんだか 娘が愛おしく感じました...
娘と観に行きました。
観終わった後なんだか
娘が愛おしく感じました。そして離れて暮らす両親にも何だか連絡したくなりました
感じ方は人それぞれなので自分にとっては今こうやってこの映画に出会えた事と親子で鑑賞できた事はありがたいです。
当時被災地で避難所生活をしており
その時にお腹の中にいた娘との鑑賞でした
絶対に風化させてはいけない
震災に向き合い被災者に寄り添った良い映画でした。
ネットニュースでつばめがイスに座るシーンにざわついてたようで心配でしたが、自分は特に気になる事はありませんでした。
とにかく新海監督の東日本大震災に対しての思いが痛いほど感じる映画なのでたくさんの方に見て欲しいです。
出来ればIMAXやドルビーで鑑賞されることをおすすめします!
無題
映像、とても素敵でした。
声優さんも、エンドロールを観て
素晴らしい方ばかり…( ߹꒳߹ )
ストーリー
謎解きや、最後に明かされる真実などがあれば
もう少しワクワクしたのかな?
予想の範囲内でした。
伏線回収が、私的にパンチが弱い?
スズメが旅する時に
家族や友達
意地悪な人誰もいない
結局、猫も意地悪じゃない
もどかしさと
ドキドキ感(古い)ありました?
ちょっと物足りなかったのは私だけかな?
最後に
ハッピーエンドでよかった。
それだけでした。
映像美は満点
新海誠は風景を描く天才だな〜と思うし、絵が綺麗だとどんなストーリーでも面白いような気がしてきます。ただ、気がするだけで……メッセージ性が伝わりにくく面白さが分かりにくい。
すずめかわいいし、そうたさんかっこいい。
しかし、結局なにに重きを起きたいのか分かりにくかった。
震災で失った人達や場所、残された人の心のあり方 をテーマにしているけれども、SFファンタジー感と浅い恋愛ムーブが緊迫感を欠き震災のことをぼやっとさせてるような感じがして直感的に刺さる感じはしなかったです。
そうたさんかっこいいし惚れる気持ちは分かるけど、すずめとそうたの交流部分も薄くて、まぁ旅をする中で好意的になるところはあるだろうなぁと補完しつつも命張るほど?!となってしまいました。
映像、音楽ともに良く楽しめましたがストーリーにあとひと押し欲しかったです。
観る人によって抱く感情はマチマチなのかもなぁ
ポッカリ生まれた空白の3時間弱、映画館が近くにある、丁度みられる作品は?お、あったぞ!そんな感じで観たこちらの作品。
まあ映像は流石新海誠さんのテイスト、美しいですねー!引き込まれます。
ただし、3.11が根底にあるこちらの作品は観ている人々の生い立ちや年齢、経験によりかなりバラツキが出るのではないかと感じました。
3.11をあまり経験していない世代や地域に暮らしていた方がみれば映像美と主なキャストのライトなテイストに、素直に「素敵な作品に巡り合えた!」と思うでしょうし、大きなショックや悲しい対円をした方にとっては命の重みとか人との繋がりがズシンときて、重く切ない思いが生まれるかもしれませんね。
かく言う私はなんだか命や魂のことを考えてしまい「川っぺりムコリッタ」や「護られなかった者たちへ」が頭に浮かんできてしまい、複雑な思いを抱えながらも、善き人たちの連続登場に感涙する、何とも言えず観終えた次第です。
それにしても、ダイジン、扱いが可哀そう。やっぱり人間様が一番偉いのかよ!なんて思っちゃったりもしてしまいました。
満足度は高いが、付きまとう違和感
鑑賞中の満足度はなかなかに高かったです。いつもながら映像が素晴らしい。特に「田舎の夜道を車で運転する」際の暗さの演出がリアルで、今回ロードムービー風に作るにあたって、「単に綺麗なだけじゃない風景描写」に力を入れてきたな~って思いました。「常世」と呼ばれる草原の風景は新海作品ではお馴染みの場所で、過去作を通じて何度か登場しています。監督の心象風景を象徴する世界で、届かない過去への憧憬や喪失感と言ったものを伺わせる美術でしたね。ちょっと「CLANNAD」(Key・ビジュアルアーツ/2007)の幻想世界っぽさもあり、これも素敵でした。
映像に圧倒され、最後まで飽きる事なく見れてしまう本作ですが、一方でこれまでの新海作品の中では一番、登場人物に感情移入し辛かった印象が残ります。鈴芽は「戸締り」をするために日本列島を横断していく訳ですが、地域ごとに「戸締り」してはまた次のエリアへとさくさく進むので、映画というよりはゲーム的だなと思いました。その過程で鈴芽自身の内面描写がほとんどないため、どういった衝動がこの子を突き動かしているのかが、いまいち分かりづらい。監督の過去作では、その衝動の中心には恋愛感情があったと思うのですが、本作では鈴芽と草太がお互いが惹かれ合う理由・描写に乏しい(ほぼ椅子だし)。理由もなく恋に落ちるならば、もっと草太さんを色気のある男性に描かないと駄目かもです。神木君が演じた芹澤の方がよほど血肉が通っていてキャラが立っていたかと。大臣と呼ばれる猫の事で指摘する人が多いのは、そこだけが痛みや苦み、消化しきれない何かを観客の心に残すからではないでしょうか。鈴芽や草太の内面描写が薄いぶん、余計にそれが目立つのでしょう。もっとも、余韻を残す事だけが映画の使命ではないので、エンタメとしてはよくできているし、全体の評価は悪くないです。
描きたい恋愛の形があって、そこからストーリーを考えていた新海映画は、徐々に全体の枠組みを最初にきめて、その中で動かしやすいキャラクターをはめ込んでいく手法に変わってきた印象があります。メジャー監督としてそれは正しい選択なのかも知れませんが、少し寂しくはあります。もっとも、胸を刺すような純度の高い童貞マインドは作家性の塊であるがゆえに、想像の余地がなく押し付けがましいと言った一面もあるでしょう。その意味で、描写の薄い鈴芽たちの内面を自分の中で補完していく楽しみが残されているというのは、逆に本作の長所だと言えるかも知れません。
新海さんの映画脚本には、常にぽっかりと大きな穴が開いていると思うのですが、その穴はとても甘美で、覗いた者に自分が見たい世界を見せるための鏡になっています。そこに何かを見たと感じた人は高く評価し、何もないと感じた人には厳しく評価される・・極端に好き嫌いが分かれるのが、新海誠批評の常態であるように思います。その意味で私の感想も含め、人の評価はアテにはなりません。ぜひご自身で体感してください。一見の価値は間違いなくありますよ。(12/2 加筆修正)
震災がテーマでなければとても良い映画
震災に遭われた方は見ない方が良いです。
あまり被害が出ていない地域だったのですが、映画の中の地震速報や3・11の描写などがとても辛かったです。映画の始まる前やポスターなどに告知して欲しかった。
詰めの甘さもあるけど、全体としては良作
「君の名は」が大好きだった私。
「天気の子」は、ちょっと期待していたものと違いました。
そして、今回。
「すずめの戸締まり」は、けっこう楽しめました。
「天気の子」は、大ヒットした前作の成功体験に縛られていた気がするのです。
そういう意味では、「君の名は」監督の次回作に私が求めていたのは、今作のような方向性だったのかも知れません。
ただ… 映画館ジャックと揶揄されるほどの上映体制を敷いている割には、ライトな仕上がりという印象かな。
また、世界観やキャラ設定が確立しきっていない感じも否めない。
「え?なんで?」とか「そういうキャラなんだとしたら、あの行動はおかしくない?」というハテナが残りました。
とはいえ、全体としては楽しみましたし、私の理解が追いついていないだけなのかも知れません。
もう1回観たら、感想が変わるかも。
あとは、震災の取り扱いについて。
いろいろ指摘されているのは小耳に挟んでいたので、
どうかなとは思っていたんですけど…
特段、ショッキングなシーンがあるとかではないんですね。
でも、幼い日のすずめが母親を探すシーンは、地味に被災者の心を抉るのではないかとは思いました。
私のように、関東で被災して「東北の惨状は報道で見ただけ」の人間でも、感情を乱暴に揺さぶられた感覚がありました。
これについては、監督の責任を追及すべきとは思いませんけどね。シーンとしては普通のものだし、ストーリーに必要なものですから。他にやりようがないと思う。
現実の震災が悲惨すぎたが故に、必要以上に聴衆を揺さぶっているだけかと思います。
"日常"の大切さを感じれた作品
"日常"
人々が生活する上で大切なこと。そんなものを体感させられた映画でした。
◯君の名は、天気の子、すずめの戸締まり どれが良いか?
気になるかと思いますが自分はすずめの戸締まりは今までで一番良かった作品だと感じた。一方で物語の深さを感じるのは天気の子。誰でも分かりやすく親しみやすいのは君の名は。と感じました。それぞれの良さがある。
◯美術面
さすがは新海誠の映画。本当に綺麗な作画でした。声優さんもキャラクターと相性がバッチリでした。
◯内容面
前回作よりもより物語に矛盾性がなく一貫したメッセージが伝わってきた。物語の構成も素晴らしく主人公の心情がよく伝わり感情移入できる作品であった。
人よっては強引すぎる物語と評価する方もいますが全国を回り地域の人たちに助けられながら扉を締める旅は素敵ではないか。深く物語に対してツッコミを入れずにただ身を寄せてみると良い。
地震という映画では少し扱いにくいものではあると思うがすずめの戸締まりでは災害の悲惨さを伝えるわけでは全くなく、もっと自分たちに身近にある大切なことを見た人に伝えてくれた。
◯総合評価
前回作、天気の子では少しだけ酷評をさせて頂きました。しかし今回の作品は今年で見た映画の中で1番感動しました。出てくる登場人物の想いや考え。考えるだけ心にくるものがありました。また物語の構成がとても良かった。
映画を見た人に新海誠は何を伝えたいか。過去の新海誠の作品の中でも身近なものである日常。そして扉。人間が誰かに いってらっしゃい。 この言葉を告げる。当たり前の風景は大切であることを忘れてしまう。その当たり前を思い出させてくれる映画だと感じました。
鑑賞するか悩んでいる人はぜひ見て欲しい。震災を扱う部分もありますがそこを監督は伝えたいわけではない。もっと深くそして強くメッセージを出してます。明日を生きるための新しい自分が見つかるかもしれません。
素晴らしかったです。
映像も綺麗で話も面白くて見応えありました。最近見た映画の中では1番良かったかも。
監督が『主人公が日本を巡る映画を作ってみたかった。』とこの前テレビでおしゃってましたが、そこから震災などの話まで絡めてここまでストーリーができるのが凄すぎると思いました。
わたしも高校生の頃に、イケメン大学生と出会いたかったなと思った。
運命の赤い糸トリロジー最終作…と、言いたい。
新海誠の最高傑作という触れ込みは偽りではなかった。
『君の名は。』は男の子と女の子の両方の視点、『天気の子』は男の子の視点、本作は女の子の視点で描かれている。
過去2作は中盤からスペクタクルへと変調したが、本作はのっけからスペクタクルが展開し、度肝を抜かれる。
イケメン青年と偶然出会った女子高生が、恋心を徐々に膨らませながら、退っ引きならない事態に巻き込まれていく。
最初、イケメン青年は石川五右ェ門に似ているようにも見え、「またつまらぬものを斬ったか…」とでも言うのかと思いきや、「近くに廃墟はないか…」と女子高生に尋ねるのだった。
彼女が巻き込まれた旅はいつしか自分探しへと転換していき、過去と現在、夢と現を交錯させながら忘れていた自分の過去に出会うと共に、人類を救うという…とてつもない物語。
親代わりの叔母との関係も見つめ直し、遂に主人公は幼い頃の自分自身に熱いメッセージを伝えるに至る。
これにアニメーションならではの壮大なアクションが加わるのだ。
こんな物語をどうしたら産み出せるのだろうか。
新海誠は神事・神話への関心が強いようだが、本作は明確に「神」と呼ぶものが現れる。この神は絶対神ではなく、八百万(ヤオヨロズ)の神的なものだった。
「ミミズ」と呼ばれる震災のメタファーには『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』の影響を感じずにはいられない。
この「ミミズ」を封じ込めている「要石」のダイジンは猫の姿を借りて人間界を走り回る。ダイジンに三本脚の椅子に姿を変えられた「閉じ師」の草太(ソウタ)が猫を追う。それを更に追いかけるのが主人公の鈴芽(スズメ)なのだが、「ミミズ」は人には見えないのに猫や椅子は人にも見えるところが面白い。
猫はともかく、走る三本脚の椅子を人が目撃するということは、超自然現象を人が認知することになる。
ならば、鈴芽と椅子(草太)の人類救済の戦いも人々は認知することになるのだろうか。
否、かろうじて、鈴芽の叔母・環と草太の友人・芹澤が扉や大きな黒猫サダイジンを目撃するだけだ。
結局、人々は何も知らぬまま平穏な日々を送り続けるのだった。
女子高生と椅子が猫を追う不思議な追跡劇は、宮崎から愛媛、神戸、東京へと展開し、遂には東北を目指す。ロードムービーらしく各地で出会いがあって、笑わせたりほのぼのとさせるサイドストーリーは卒がない。
そして、壮絶なまでの神の領域の戦いに突入していく展開は淀みがない。
鈴芽は記憶の闇を清算することができたのか、環との絆は深まったのか、草太との間に将来はあるのか、、、、
新海誠の映画は後日譚で再会が描かれる。
不可思議な出来事から始まって、大スペクタクルが展開し、大団円を向かえてのち、若者の未来への希望が垣間見えてジ・エンド。
今の日本映画界において、これほどに映画らしい映画を見せてくれる監督が居るだろうか。
『君の名は。』から本作までを「運命の赤い糸サーガ」と見れば、本作は正に集大成的な存在感をもってひとまず終局したと言えるだろう。
さてさて、天才は次にどんな物語で若者にエールを送ってくれるのだろうか。はたまた、若者ではなく親世代か壮年世代へのメッセージを展開してくれるかもしれない。何にしろ、次回作への期待は増すばかりだ。
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