すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
全1246件中、121~140件目を表示
映画美と深津絵里と伊藤沙莉に星を
相変わらず綺麗なアニメーションでしたし、女優陣の演技も好きでした。
内容についてはやはりすんなりとは見れないですね。
新海誠の映画だなーって感じです。
主人公はまっすぐで純粋な子のような雰囲気に描いてますが、発言と行動、考えがそうではありません。なんかチグハグなんです。話の内容よりその違和感にばかり気を取られます。
最後もなんで好きになったのかよくわかりません。
感じたことは山ほどありますが、
この映像美と話の内容の釣り合いがとれない限り、新海誠の映画は好きになれないと思います。
すみません。
絵が綺麗で話も綺麗・・・ でもそれだけ
正直何を語ろうとしたのかよくわからないです。
絵が綺麗、話も綺麗。逆にそれだけしかない。
深みもない。
これが何で名作だと言えるのか?
「君の名は」で感じた違和感がさらに増幅した。
もうこの監督の映画は観る価値なさそうだな、
新海ワールド
2022年秋に映画館にて鑑賞。
地震アラームがなんとも不吉で、東日本大震災を知っている世代ならそれだけでドキドキする。
見慣れた東京の街が精巧に描写されているザ•新海ワールドに空を舞う主人公とSF要素満載だが、災害で家族を失った登場人物とか田舎の女子高生やスナックのママとの交流などどこか現実味ある人物像も丁寧に描かれてる。
おまけに映像が綺麗で鑑賞後は色々とお腹いっぱいでした。
EDは良かったです。
震災の元となる扉を閉める為、要石の大将を追う少女の奮闘を描く物語。
ヒットメーカー新海監督のオリジナル作品ですね。
物語はロードムービー。前半は、椅子となった草太と共に、要石・大将を追って旅をします。愛媛で、神戸で現地の人の温かみに触れながら、すずめと草太の関係が深まっていきます。
後半は叔母と姪の物語。草太を助ける道行きに、二人の苦悩とすれ違いを描きます。
中盤とクライマックスにあるミミズとの激闘は迫力十分。特に、中盤御茶ノ水でのシーンは、見知っている街並みだけに臨場感を強く感じることが出来ました。
また、お茶の水で草太を失い傷ついたすずめの描写は秀逸でした。心身共に深く傷ついた状態なのに、草太を助けるために力強く歩むスズメの強さに心打たれます。
映像は流石の新海クォリティ。背景もキャラも、そして動きも文句なしの一級品で、物語を引き立てます。
ただ、それでも私的評価は2.5にしました。
この作品の問題は3点。
一つ目は、スズメが旅に出る理由がないこと。言い方を変えれば、旅に出て成長しなければならない理由が序盤に明示されていないこと。
例えば、反抗期をこじらせたスズメが叔母との関係が微妙になっていて・・・とか。
例えば、震災のトラウマがぶり返して・・・とか。
旅に出て色々な人に触れ合い、困難にぶつかり、本音で叔母と喧嘩して、故郷に帰ることでそんな状況が改善する流れなら、物語として深みが増すのでしょう。
でも、そんな前振りがないので、物語全体を浅く感じてしまいます。
二つ目は、スズメが自分の命を賭けて草太を救おうとしたこと。
勿論、愛情の深さと係わった時間はイコールではないかもしれません。でも、自らを要石にして草太を救おう・・・という決断は、極端過ぎます。
その場の感情で「思わず」ならまだ少しは理解出来ます。
草太を救うには、命に危険が及ぶ行動が必要になる・・・なら理解出来ます。
でも、一定の時間を経ってまだ、自らを要石にする決断は、寧ろ現実感がなく興ざめしてしまいます。
これは叔母を救う・・・とからな納得感も出るのですが、流石に浅すぎます。
そして、最後になりますが・・・、声優の力不足。主役を務めた二人、厳しい言い方をしますが、本当に下手くそでした。なぜ、この演技でOKが出るのか理解出来ません。あのクオリティの映像を作り上げたアニメーターの方々への冒涜・・・とすら感じます。
ジブリへのオマージュも戸惑い以外感じることは出来ず、映画としての評価は厳しくなりました。
この想い、届け!すずめが熱くなる!
Blu-rayで鑑賞。何度見ても面白い。大好きな作品です。
なんといっても声が良い。
原菜乃華さん、最高です。あの絵にぴったり。まさにすずめは彼女しかいない。純粋で熱くて、微笑ましい。おばさんとのやりとりは、涙もんでした。
松村さんもまた良いですね。イスになっても良い男の雰囲気がプンプンでした。
また、脇を固める皆さんが素晴らしい。
染谷さん、伊藤さん、神木さん、皆さん本当に魅せてくれました。
ストーリーも好きですね。
ミミズですか?他の人には見えないけれど、街いっぱいを雲のように覆う怪しい物体。
それを一人の少女が収めるってんだから、ホンッと熱くなります。
そして、最も大事なのが音楽。
「君の名は。」「天気の子」に続くRADWIMPSが音楽を担当したのですが・・・
自分はこれが一番好きです。
前二作は、ミュージックビデオみたいな映画って印象がありました。音楽が前面に出すぎていると言いましょうか。まぁ、名曲も多いのですが。
本作についても、決して音楽が劣ると言うわけではないですが、良い具合で耳に馴染みます。BGMとして盛り上げてくれてます。
エンディングの彼女の声も魅力的でした。
愛媛、神戸、東京、そして東北へと向かうロードムービー的な要素を盛り込みながら、その土地の人たちとの触れあい。いや~、ホント、面白かった。
エンドロールでその人たちとの再開シーンが流れます。これがまた良い。
ホンッと、最初から最後まで見所満載。楽しませてくれる一本です。
災いをもたらす扉を閉めて回る旅、見応えがあった。 「ミミズ」の禍々...
災いをもたらす扉を閉めて回る旅、見応えがあった。
「ミミズ」の禍々しさが圧巻。
それにしても「大臣」はなぜあんなに憎たらしい態度をとっていたのか。
扉の存在を教えていただけなのに。
地震描写あり。
映画の最初にも地震描写があるという注意喚起がある。
地震の警報などがなるので気を付けてほしい。
家族が、みんなで見ようとDVDを借りてきた。
このタイミングで大きな地震がおこってしまった。
返却日が近づき、見ることにした。
もう少し心落ち着いてから見たかった。
不安な時にエンターテイメントを見るというのは複雑ではあるが、
こういった選択肢があるのはありがたいことだと思う。
主人公のすずめという女の子が、無邪気でクリアでかわいい。
重いテーマを盛り上げる役になっている。
ちょっとした謎も最後に伏線回収がある。
面白かったかと言われると、う~んで、たぶん自分の好みではなかった。
俺が行くからと言いながら結局助けられてる姿はちょっと憧れなかった。
なんか怖かったり情けなかったりして、すずめ以外のキャラを愛すことができなかった。
感情揺さぶられるものは「地震描写怖い」以外、とくになかった。
君の名はも天気の子も自分にとってはう~ん??だったのでやっぱり個人の好みの問題なんだと思う。
子供の感想は、「思っていたより闇が深い作品だった」そうです。
戸締まりは忘れずに‼️
地上にある、災いをもたらす "扉"‼️その扉から出ようとするミミズと呼ばれる災いを阻止するため、扉を閉める家業があるというファンタジーならではの設定‼️人間はもちろん、重要なカギを握る "白猫" や人間が姿を変えられてしまった "椅子" などのキャラクターも魅力的‼️椅子が一生懸命走る姿がどこか可愛い‼️そしてミミズがモンスターのようになって、凄まじい災害をもたらすスペクタクル描写‼️ちょっと「もののけ姫」っぽいですが‼️加えて日本人が忘れることの出来ない "3·11" までも絡め、母と娘、叔母と姪の愛情を踏まえたヒロインの成長物語としても上手く出来ており、老若男女に響く作品だなと思います‼️まぁ色々と元ネタはあるかもしれませんが、オリジナルの脚本を書き、手堅い演出をする新海誠監督の手腕は素晴らしい‼️次回作が楽しみですね‼️すずめと草太の未来はもちろん、染谷将太扮する岡部稔のすずめの叔母・環への想いは成就するのでしょうか⁉️
イケメン男への思い入れ
................................................................................................
女子高生のすずめが登校中、一人の男に会う。
このあたりで廃墟はある?と聞かれ、教える。
でふと気になって、すぐに自分もそこへ行ってみる。
そこにはどこでもドアみたいなのがあった。
近くに変な封印石があり、地面から引き抜くと猫になった。
そしてどこかへ走り去ってしまった。
その後、ドアから黒いものが天に向かって生えて来た。
であの男が必死でドアを閉じようとした。すずめも手伝う。
そして何とか閉じて鍵をかけた。
男によると、血の底にはミミズという物の怪?がいるらしい。
それが戸から出て来て空に上がり、地上に落ちると地震になる。
日本中にそんな戸があり、ミミズが時々出て来るらしい。
それを閉じるのが先祖代々、その男の仕事らしい。
やがて上記猫が現れ、男を椅子に変えてしまう。
すずめは椅子と共に猫を追い、宇和島、神戸で戸を閉める。
そして東京へ。そこで巨大なミミズが出現。
これを収めるために、椅子(男)が封印石となった。
それを雀がミミズに刺し、何とか収める。
男を好きになってたすずめは、男の爺さんに会いに行く。
で、自分が少女時代に誤って戸をくぐったことを知る。
その戸からならミミズの世界に行けるとの話。
ということで故郷の東北へ。そこへ猫も来て、一緒に行った。
で戸を見つけてミミズの世界へ行き、封印石(男)を抜く。
すずめは男を助け、自分が封印石になるつもりだった。
でも猫が自ら再度石になってくれて、それで封印できた。
こうして男は現世に戻って来られた。
................................................................................................
うーん・・・・・・。
率直に言って、確かに面白い。いい映画だと思う。
でも爆発的ヒットするほどか?ってのは少し思ったな。
すずめは自分の気持ちに従って行動できる、魅力的な女の子。
多少ムチャはするが、若い頃はそれくらいの方がいい。
最後までそれが一貫してたし、そこは感情移入できる。
でも、え?って思ったのが、自分が封印石になるとか言い出す所。
何で??男は確かに優しく魅力的だったとは思う。
でも会って間もない関係で、自分の人生を捨ててまで助けるか??
そんなことまずないし、そこで急に猫が自ら石になるってのも、
あまりにも都合が良過ぎというか、話にムリがないかい?
それにこの男は偶然イケメンやったわけやけど、
もしあれが平凡な顔だったら、この話ってどうなんの?
すずめがあそこまで行動するとは思えないんですけどw
つまりこれは、顔が格好いい男が女子高生から惚れられ、
それによって命を救われ、人生を取り戻す話。ってことになる。
何かそう考えたら、低俗やな~ってちょっと冷めるわw
大事なことをずっと心に刻んでおける映画
3.11の震災を地元で経験した友人と見た。
友人は映像を見ただけで地元のことだと分かったそう。
映画終わりには泣いていた。
私はこの映画を通して、震災時に東北から離れたところにいたため、心なしか震災がリアルではなくテレビの中での出来事のように思えていたことに気付かされた。
大事なことは忘れてはならないし、日本は地震大国とも言われてるくらいこれからも地震はなくならないと思うので、みんなで助け合えるようにしたい。
映像、音楽、ストーリー、何もかも美しくて世界に発信したい映画だった。
うるっと来そうで来なかった。
絶賛のコメントが多いなかで、そこまでの思いは沸いてこない。
以前、「君の名は」だったと思うが、売れる要素を詰め込んだような、という皮肉な意見をTVで見たことがあったが、まさに今回もそんな感じがする。
震災のこと、失った(要石になった)人を救う、地震から地球を守る使命感、といった涙を誘う要素。
ネコ2匹は結局どんな立ち位置だったのか。人間の誰かがネコになったのかと思ってたけど違ってた。
恋、旅、アクション、切り替え
一目惚れした草太と一緒に九州から東北まで地震を封じる旅を続ける話です。
■良い点
・魅力的なキャラ
ヒロインから脇役まで皆人間味溢れた魅力を持ってます。
・日本を巡る旅
九州、四国、東京、東北。それぞれの地方の魅力を上手く見せています。
そんな中で様々な人と出会っていくのは面白いです。
一人旅をしていた時を思い出しました。
・美しい映像とアクションシーン
美しい景色やアクションは見ているだけで楽しいです。
・それなりにまとまったストーリー
旅をしながら地震を封じて、最後にガチャンと区切りをつけるストーリーは最高というほどではないにせよ悪いものではなかったです。
■悪い点
・あまりにも忙しすぎる。
これに付きます。
君の名はの時はかなり長い間、愛を育む時間があり、そしてアクションシーンが一つです。
しかしすずめの戸締まりは、ヒロインは冒頭5分一目惚れですし、危機は何度も何度も起こります。
そのため、ヒロインが草太に惚れるのも、その後あそこまで草太に入れ込みあんな危険な旅を始めるのも唐突に感じます。一目惚れ+罪悪感があったというのは推測できても納得させるための時間や伏線が弱すぎて、リアリティを感じずイマイチ感情移入できません。
それ以外にもキャラの行動一つ一つが説明不足・伏線不足で、そのような行動を行う根拠が弱く、プロットだから動いているのかなと感じることが多かったです。
総評として、君の名はよりは落ちるけど、見て損はない作品ではあると思います。
今までの中で一番最高なる作品と出会えたかもしれません!
5回目の鑑賞をしてきました!初日のアイマックスで見て以来私は凄く新海誠監督の超大作映画に感心を描いていました
なぜなら主人公の岩戸 鈴芽が扉という物を探しにもう一人の主人公宗像 草太と共に
冒険に行く話が本当に印象に残るぐらいな最高のファンタジーアドベンチャーになっていて。期待値がマックスに上がった完成度でした!
当時この映画が発表された時はまだ。主役も主人公も発表されないまま誰かな?誰が声をやるのかな?ってワクワクしてました!しばらくして。キャストが原 菜乃華というのが決まった時やったー!やっと発表された!になりました!
その後にもう一人の主人公に松村北斗くんが決まったのがめっちゃめっちゃ嬉しかったです!
地震のこともあり。津波のシーンが一部あります。地震のシーンを追加するきっかけになったのが東日本大震災がちょうど10年というのもあったので今度こそこの作品で追加しようと思ってたらしいです。
実はずっと地震のシーンは追加したかった新海誠監督ですが。君の名は。天気の子にはなぜ追加しなかったのかそれには。ある理由があるからです!
君の名は。隕石の落下までに、二人の入れ替わりをメインにしたラブストーリーです
天気の子は洪水警報やら気温をメインに2人が晴れに変えるための魔法みたいな恋のラブストーリーでした。
これが地震のシーンを入れられなかった理由みたいです
扉を閉じる閉じしとして冒険にでる2人がダイジンという猫に1人が椅子に変えられてしまいますそれがきっかけで呪いを解放するための冒険でもあるし旅の始まりでもあります。そこにはすずめの悲しい出来事が待ち兼ねてました果たして二人の冒険はどのような展開になるんでしょうか!
続きは映画館で!
僕がこの映画に出会えてこの作品に出会えて本当に自分自身のうちなる思いや悲しみが溢れたりストーリーに細かく今現代に伝えたいことが語られていたのでそれを聴いた瞬間に涙が溢れました
まだ。見てない方にもこれから見る方にも是非とも見て欲しい映画なので
最後まで宜しくお願いいたします!
大切な人の声
震災のテーマだということで、上映も最終週になるまで、決心がつきませんでした。見るべき映画かもとやっとみにいきました。
行ってきます!行ってらっしゃい!ただいま!おかえり!の当たり前の挨拶ができることが、どんなに貴重なことか。大切な人は、きっと近くに帰ってきているはず。そんなことを思いながら帰りました。
Amazonレンタルで鑑賞。 映像の方は流石の新海印だけあって文句...
Amazonレンタルで鑑賞。
映像の方は流石の新海印だけあって文句なし。特に椅子になった草太のアクションは、足音?の気持ちよさと映像の気持ちよさがリンクしていて良かった。
ストーリーの方も個人的には思う所は多々あるけれど、そもそもが僕のようなオッサンではなく10~20代前半の若者がメインターゲットだと思うので、そういう人たちが面白いなら大成功何なんだろう。
「君の名は。」からなる「災害三部作」の中でも、一番エンタメ性が高かったと個人的には思うんだけど、その分、新海誠の作家性は完全に漂白されてて、その分、殆どの人が作品の奥底にあるテーマ性の部分に辿り着けないまま表面的な感動で終わってしまう感じがした。
『ネコと和解せよ』
今更ながら、『すずめの戸締まり』のレビューを書く。
本作の公開日は令和4年11月11日。私が本作を映画館で鑑賞したのは同年11月22日だった。
結論を先に書くと、本作は傑作である。
自分の中でのベスト1である『君の名は。』(前々作)と順位を入れ替えるには至らなかったが、それでも、『天気の子』(前作)を上回る出来であった事は間違い無い。
で、本作を鑑賞直後に私が思った事が、このレビューの表題そのまんまである。
……これだけだと意味不明なので、以下、主に主観的な記憶を頼りにして、私がレビューの表題の通りに思った理由を書く。
例によって、他者のレビューに影響される事を防ぐため、私は本レビュー執筆に当たって他者のレビューを読んでいない。
前作『天気の子』のレビューでも書いた事であるが、「芸術家はデビュー作で追い求めたテーマやモチーフを生涯追い続ける」とはよく言われる事であり、本作も例外ではないと思う。
本作にも、既存の新海誠作品から踏襲してきたと思われるテーマやモチーフが多々見られる。
「思わず祝福したくなる様な若き男女の愛」
「その愛を阻もうとする理不尽や不条理」
「少年少女にとって、時に敵や障害となり、時に味方となる大人達」
「大きな災いに抗おうとする人々のつながり」
「ドラマを引き立てる小道具や舞台装置としての、
SF的あるいはファンタジー的ガジェット」……等々。
但し本作の場合、前々作や前作と違い、主人公カップルの愛の成就にとって最大の『障害』になるのは『大人達』ではない。
『神』である。
もう少し詳しく言うと、制御する術が殆ど無い自然現象や怪奇現象の戯画・擬人化としての『神』であり、本作では白猫の姿をし、「ダイジン」という通称で呼ばれている。
この「ダイジン」、恐ろしい超常能力を持っており、主人公カップルのカタワレである宗像 草太 を造作も無く3本足の幼児用椅子に変えてしまい、主人公カップルの前から逃げ出してしまう。
草太に惹かれ始めていた主人公カップルのカタワレのもう片方である女子高校生、岩戸 鈴芽 は、草太を元の姿に戻す(※)ために奔走する破目になる。
(※草太は何故か幼児用椅子の形態でとりあえず行動可能であるが、後に劇中で判明する通り制限時間が有り、その制限時間を過ぎると元に戻れなくなり、ダイジンの身代わりとして要石になってしまう)
ダイジンの正体は、劇中で大震災を引き起こす超常的存在(劇中では『ミミズ』と呼ばれていた)を封じる『西の要石』であり、背景設定によるとかつては人間の子どもだったらしい。
『要石』としての境遇に不満を感じていたのであろうダイジンは日本列島を北東に向かって神出鬼没に移動し、気ままに遊びまわるが、その結果、封じられていた『ミミズ』が動き出し、東京都であわや大震災が起こりかける。
物語の中盤、ダイジンを追う過程で要石とミミズの関係を知った鈴芽は、先代要石であったダイジンを知らぬとは言え自分が解放してしまったという自責の念も有ってか、ミミズを封じるため、大震災がもたらす被害と草太の存在とを天秤にかけ、号泣しながら、要石と化した草太をミミズに突き刺す。
……前作『天気の子』では大水害がもたらす被害と想い人の存在とを天秤にかけ、帆高は想い人の方を選んだ。
本作の鈴芽の選択は前作の帆高の選択と真逆であったが、それぞれの置かれていた境遇の違いも有るので、「どちらの選択が正しかったか?」を問うのは、難しい。
この辺りの問題(トロッコ問題の様に、主観的な選好と功利主義的な判断とのせめぎあいが現れる問題)については『天気の子』の方のレビューで書いたので、ここでは多くを語らない。
ただ、本作中盤での鈴芽の選択が、前作を見た人に対して新海監督が提示した「トロッコ問題の別の答え」である事は、おそらく間違い無かろう。
ここで物語が終わっていたら本作は悲恋ものになるのだが、終盤へ向けて鈴芽は、ダイジンが再び要石に戻って元来の役割を果たしてもらう様、そして草太が再び人間の姿に戻って帰ってくる様に、様々な人達の助け(※)を得て、奔走する。
(※人間に限らず、ダイジンと対を成す黒猫の姿をした神『サダイジン』の助けも有った事を、ここで言い添えておく)
……ここから先の展開は是非とも本作を見て確認していただきたい。「心地良いハッピーエンドである」とだけ言っておこう。
何にせよ、鈴芽とダイジンが和解しなければ、ハッピーエンドにはたどり着けなかった。だからこそ、本作鑑賞直後にこう思った。
「ネコと和解せよ」(※銀河万丈さんが威厳に満ちた役を演じる時の様な、厳かな声で)
エンターテインメント
本作に興味を持ったきっかけはNHKのドキュメンタリー。新海誠監督が東日本大震災と真摯に向き合う様子が伝わってきた。
映像も美しかったし、迫力もあった。単純に楽しめたけど、心に残る作品か、と問われたらそうは思えなかった。
幅広い人に向けて作られているからこその細部にわたる「心配り」は、どこまでもエンターテインメント(娯楽)に資していた。
ジブリリスペクトで言えば、言わずもがなの「ルージュの伝言」(流石にストレート過ぎるのでちゃんと他にも懐メロを流して緩和させていた)「人の手で返したい」や最後の「会いに行くよ」などのセリフも、もののけ姫を思い出した。
全1246件中、121~140件目を表示