「おもしろくてかわいいタイトルからすずめたちのほんわかした物語だと本気で思っていた…が、大間違いだった。」すずめの戸締まり humさんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろくてかわいいタイトルからすずめたちのほんわかした物語だと本気で思っていた…が、大間違いだった。
忘れることのできない災害の爪痕を感じさせ、それを背負うことを余儀なくされた複雑な心の動きに正面から向き合う作品は、単なるレクイエムにとどまらず、被災者である主人公・鈴芽に、閉じ込められた時間から飛び立つ旅を仕掛けた。
そして一瞬衝撃的でもあった、生身の人間関係だからこそのストレートな感情、時には溜め込まれたわだかまりの存在があることをあえてぶつけてみせるのだ。
生きているから知っていく。
生きているから越えていく。
そこに自分にしか助けてやれない自分がいることを教えるために。
そして重要なもうひとつ。
私達が澱みなく与えられた尊いものはいつも、それを感じられる自分のなかにありそれが自分を突き動かす基本の糧であると伝える。
作者は私達に鈴芽の戸締まりの体験を共有させながら、一方で支える側の必要性を説く。
自分の速度で一歩ずつ進んでいこうとする(生きていこうとする)誰かの背中側にそっとまわり、立ち止まるときも、座りたくなるときも、また歩きだすときも、いつでもささえられる位置にいられる私達でいようと呼びかけているのだろう。
いってらっしゃい。いってきます。
ただいま。
おかえりなさい。
何人もの人々が交わす挨拶だけのシーンに胸が詰まりこみあげる。
慣れてしまうとわからなくなるこの上なく幸せな時間のやりとりを強烈にみせる短く深いシーンに涙がぽたぽた落ちた。
なんでもない日常は奇跡とよべる時間だ。
こうして生かされていることに感謝し行動しなければと思わせられた作品だった。
偶然ですが映画を観ている途中に地震があり、最初は演出かと思いましたが帰宅してからニュースを見て震度3の地震があったことを知りました。
大地震でなくて良かったのですが、震災は本当に人命を失うこわいものだと痛感しました☆
共感ありがとうございます。
本作が、素晴らしい作品であることに異論はありません。
しかし、東日本大震災のシーンは観ていて辛かったです。
私は、仙台で4年間・大学生生活を過ごしカミさんの実家は福島です。
東日本大信震災は生々しい過去であり、歴史にはなっていません。
3.11という数字を出さなくても、すずめが東日本大震災の被災者であることは分かります。被災者だからこそ、必死に地震の発生を食い止めようとするし、死んでもいいとハッキリ言い切ります。それで十分です。十分、我々観客に伝わります。
ファンタジーに徹して欲しかったです。
では、また共感作で。
ー以上ー
イイねありがとうございました。おっしゃるとおり全て共感です。生きること生かされてることの刹那のありがたさ感じました。 【ただ 女子高生が 全く知らない男性に 僻地まで着いていくのは チト10年とは言わないけど、5年早い とボヤくジジイでした・・空中浮遊で扉閉めれるのですから心配無用ですね。
私的にはR15➕作品でした。トホホ】😊😊