「今見るべき作品」すずめの戸締まり tester01さんの映画レビュー(感想・評価)
今見るべき作品
面白いと、言って良いのか悩みに悩んだ結果、映画館で見てから一週間以上が経過してやっとコメントを書いている。それほどまでに題材としては重たいものであった。
今回の『すずめの戸締り』の題材は震災。重苦しく、人によってはフラッシュバックにより見るに堪えないという人が出てくるのは容易に想像出来る。
しかし、だからこそ見るべきだと私は声をあげたい。
たしかに重かった。終わったあと、友人と過ごす空気がどことなくしんみりとした。
だが、作品とは、芸術とはそうであったように思う。
ピカソの『ゲルニカ』やレイチェル・カーソンの『沈黙の春』。その時の悲惨さを嘆いた作品たち。そしてその悲惨さは芸術として、忘れないよう人々の中で連綿と受け継がれてきた。今回の『すずめの戸締り』もその作品群の一つとなったのだと私は思う。
東日本大震災や他の大地震の記憶が薄れ始めている、直に体験したことがない世代がいる今だからこそ、ぜひ親子で劇場に足を運んで、親子で語らいあって貰いたい。
映像についても素人目ではあるが感想を述べさせてもらうと、素晴らしいの一言に尽きた(言うまでも無いかもしれないが)。
空の色彩の美しさ。地震を視覚的に表した「ミミズ」の異様さ。キャラクター1人とっても生き生きと鮮明に描かれていた。
繰り返しになってしまうが、是非とも親子や友人など誰かと足を運んで、上映後語らいあってもらいたい作品だった。
コメントする