劇場公開日 2022年11月11日

「東日本大震災を描くことに、積極的に取り組んだ作品」すずめの戸締まり hi02さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0東日本大震災を描くことに、積極的に取り組んだ作品

2022年12月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

物語の流れや構成は『天気の子』に似ているが、
『天気の子』は気候変動をモチーフにしている一方で、
『すずめの戸締り』は東日本大震災をモチーフにしている。

震災に被災された方の中には、本作品が鎮魂歌になった方もいるだろうし、
本作品は鎮魂歌にならず、癒えてない傷をよみがえさせるだけだった方もいるだろう。

大切なことは震災を繰り返し描くことで風化させないことであり、
それこそが被災された方の真の鎮魂歌となるだろう。

よって私は、本作品のような震災を描くことに積極的に取り組んだ作品が
発表され続けることを強く望む。

但し、ただ描けばよいというものではない。
モチーフを作品として昇華させる必要があり、
本作品はそれに大成功している。

現代の問題を感じ取り、それを作品として昇華させる。
これはアーティストの役割であり、
新海誠監督は、まさにこのアーティストとしての役割をまっとうしている、といえよう。
その覚悟と勇気に敬意を表したい。

新海誠監督は次の作品で何を現代の問題として取り扱い、
それをどう作品として昇華させるか。
今から楽しみで、ならない。

hi02
ぢょにぃ7566さんのコメント
2022年12月5日

私は東北人です。
トラウマが蘇りました。
この映画と新海誠を許しません。

ぢょにぃ7566