「刹那を繊細に温かく表現」サバカン SABAKAN サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
刹那を繊細に温かく表現
2022年劇場鑑賞58本目 傑作 77点
2022年劇場観賞103本中の7位の作品。
当レビューは観賞から1年近く遅れてしていますが、丁度Netflixにて配信されたので2回目鑑賞し終わったタイミングでの感想になります。
まず冒頭の草彅剛が現代に思い悩む入りの出来事が、書き物をやっている人によくぶつかる才能とニーズの反比例に動く世間に対しての失望で、23年春公開の斎藤工主演の零落にも通づる問題提起。
そこから部屋で自分は本当は何をしたかったのか、夢中になっていた時を思い褪せていると目線の先にはサバ缶があり、連想させた小学5年生の夏を思いだし手が動く。
そこからはもう心弾む一夏の大冒険が始まり、平成生まれ令和現代の当方でも十分染みてくる。
尾野真千子と竹内ピストルの掛け合い、岩松了演じる森のおじさん、村川絵梨演じるちょっとお姉さん等周りを囲むキャラクターが作品のタッチに輪郭を作っている様で、間違いなく今作の高評価に大きく関わっているに違いない。
23年春に雑魚どもよ、大志を抱け!という同型作品が公開され鑑賞しましたが、完全に今作が上位互換すぎて足元にも及ばなかった。
決定的なのは物語終盤の別れのシーンのこちら側の心の洗われ具合が段違いで、今作はグッときました。
配信でも観れますので是非鑑賞ください。
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