「孤高の自然児少年と気弱なマジメ少年。二人の少年がイルカを探す旅に出る、一夏の冒険物語です。」サバカン SABAKAN もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
孤高の自然児少年と気弱なマジメ少年。二人の少年がイルカを探す旅に出る、一夏の冒険物語です。
最近続けて少年少女の活躍する作品を観ました。
この作品も少年達のひと夏の冒険のお話と知り
観てみることに。
舞台は長崎の海沿いの町。
主人公の二人は、小学5年生。
一人はタケちゃん。 (竹本)
家庭が貧しく、周囲からからかわれている少年。
もう一人はヒサちゃん。 (久田)
ごく普通の家庭の子。クラスでは目立たない。
ふとした事からクラスメイトが
竹本少年の家を見定め(?)に行くことに。
家の近くを何度も素通りし、また歩いてを繰り返し
意地悪な尾行者を捲こうとしていたのだが…
「お兄ちゃん、お帰り」
家の中から出てきた少女の声で
そこが少年の家だと分かってしまう…。
そこは、絵に描いたような「あばら家」だった。
満足し、あざ笑いながら引き上げるクラスメイトたち。
その中に久田少年もいたのだが…。
ある日、久田少年の家に客がやって来る。 誰?
玄関に行くとそこには竹本少年の姿。
「そこまで顔を貸せ」 と言われ
ビクビクしながらついていく。 ドキドキ。
「ブーメラン島にイルカが来ているらしい」
「一緒に見に行こう」
最初は断ったのだが
「イルカに乗れるかも」
と、追い打ち。 (← イルカ大好き)
さらに
「この前拾った100円 どうした? 」
と、ネコババの現場を見たぞ と脅迫… しくしく
こうして二人は、
イルカを探す冒険に出ることに。
イルカ探しの途中では
色々なアクシデント、トラブルが二人に降りかかり
竹本少年は淡々と
久田少年はため息混じりに
周囲の助けもあって、旅はなんとか続くわけですが…
無事にイルカの島に着けるのか
イルカの背中に乗れるのか?
さあどうなる二人の冒険
といったお話です。
◇
小学生が体験するプチ冒険のお話 と
最初は気楽に観ていたのですが…
起きるトラブルやアクシデントの内容が
私にはキツめに感じるものが多かったです…。 う~ん
・島までの遠泳で溺れかける とか
・絵に描いたようなヤンキーからの恫喝 とか
・人を見たら万引き犯と思っている商店夫婦 etc
そんなこともあって
この 「サバカン」
思ったより小骨が多くいなぁ という印象です。
油断して食べていると、喉に刺さります。 イタタタタ。
(※サバ缶は好きなんですが …汗)
◇ あれこれ
友との会話
「なんで僕をイルカ探しに誘ったの?」 (久)
「笑わなかったから」 (竹)
家を見て笑ったヤツらの中でお前だけは笑わなかった
それはほんの些細なコトかもだけど
実は 大事。
とても 大事なコト。
友との会話 その2
引っ越す竹本を見送りに来た久田
「僕たち 友達だから」 (久)
「うん。 知ってる」 (竹)
少ない言葉の上に多くの想いが乗ってます。
イルカに乗った○○
久田が家のTVで海のトリトンを観てます。
再放送? いや 再再放送? いや 再再再再再々
…
まあ、トリトンは名作ですから。
※それはそうと、イルカに乗った少年で
城みちるを思い浮かべるのは
私だけではない …はず
長崎豪雨のこと
80年代の長崎が舞台ということで
1982年の長崎豪雨水害を思い出してしまいました。
竹本の父親も、もしかしたら
この水害で命を落としたのかなぁ
などと考えてしまいます。
人命救助に奔走の末 …とか
(劇中では明かされなかったと思うので、あくまで空想です)
◇ 最後に
登場する人物の中で主人公たち以外のほとんどの人に
名前が無いの?
と思えるくらいに「固有名詞」が出てこなかった気がします。
不良たちやクラスメイトも。
助けてくれた若者にも名前は無い。
海で出会った女子高生も 「お姉さん」 だし
※少なくとも劇中では名前を呼ばれていない気が。
固有名詞で識別されていたのは
・イトコのお姉さん (名前あったけど忘れました…汗)
・内田のじじい (固有名詞…ですよね?)
その二人だった気がします。
ノスタルジックな雰囲気を醸しだすため とか
何か意図があったのでしょうか。 はて。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで
もりのいぶきさん、コメントありがとうございます。
そうなんです。「海のトリトン」の歌詞をレビューに組み込ませたくて・・・w
ただ、子どもの頃にはエンディングテーマ曲(かぐや姫が歌ってたやつ)の方が好きでした。
やっぱり城みちるのことは思い出しますよね・・・