劇場公開日 2022年8月19日

「「少年の日の夏の思い出」ものとしては及第点」サバカン SABAKAN tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「少年の日の夏の思い出」ものとしては及第点

2022年8月20日
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キン肉マン消しゴムや斉藤由貴のカセットテープなど、80年代後半の世相の描き方がうまい。尾野真千子と竹原ピストルの夫婦(両親)も、非常に良い味を出している。
その一方で、イルカを見に行く冒険では、お兄さんやお姉さんとの関わり方がご都合主義的だし、その後の、ヒサちゃんがタケちゃんを「友達じゃない」と思ってしまう理由も、今一つ腑に落ちない。
さらに、タケちゃんと別れることになる展開も、あまりにも唐突で、あのようにする必要があったのかという疑問が残る。ただ、仲直りをするきっかけとして、「別れ」自体は必要だったのだろうが・・・。
物語として、どこか釈然としない部分もあるものの、観終わった後には、「いい映画だった」と思える、ほのぼのとした余韻が残る。ずっと気になっていた浜辺の壁に描かれた絵も、エンドロールの途中で明らかになるのでスッキリする。
どうせなら、「タケちゃんは、イラストレーターになって、ヒサちゃんの小説の挿し絵を描く」というオチにした方が良かったのではないかとも思ったが、それだと「サバ缶」の話にならないか・・・

tomato