「文句無しに良かった」グリッドマン ユニバース 福島健太さんの映画レビュー(感想・評価)
文句無しに良かった
エンドロールの後タラバガニを食べている場面が流れて、「美味い?」「普通」ってやりとり。
その答えを聞いて観客が「おいおい、劇中で北海道の産地直送で11,000円もしていたのに、美味しくないのかよ」と感じるようなな、期待とか予想をちょっとズラす感じの、コントみたいな単純な笑いが何ヶ所も散りばめてあって、ストーリーを全部無視してもクスッと笑えるのは、とても面白かったです。
さらに、曲名は知らないけど、内海君が演劇用のグリッドマンの衣装を作っている場面だったか、昔の電光超人グリッドマンの音楽を入れてましたよね。
あの曲、普通にワクワクして気分が盛り上がってくるので好きなんです。
それに新条さんが良かった。
電光超人グリッドマンはジャンクの「守り神」とかいいながら一平君がデザインしていた通りにハイパーエージェントグリッドマンが現れて、コンピュータワールドで悪い奴と戦う話だったし、SSSS.GRIDMANは具体的にコンピュータという表現は出てこなかったけど、アニメの最後が実写に変わって女の子がベッドで目覚めるシーンでした。
アニメの舞台になった響君達の世界はきっとコンピュータの中とか、現実の人間が作ることのできる世界にあるんだろうと感じさせるような、そういう終わり方でした。
そこで、神様の世界(現実の世界?)から逃げてきた弱い女の子が、みんなが自分を好きになるように作った都合の良い、自分に優しい世界に閉じこもっているお話でした。
今回の映画で現実世界の新条さんが出てきて、ちゃんと友達がいて、「ああ、この子、ちゃんと頑張っているんだ」っていうのが良かったと思います。
アニメやゲームなどの架空の世界の物語からちょっと元気をもらうことって、あるものです。
そういうものは何年も経った後でも、大人になっても、結構大切に感じるものです。
新条さんが、自分に勇気をくれた大切な世界のために戦うっていうのは、ちょっと感動もしました。
ついでに、下心満載のおじさんの感想としては、アイドルか魔法少女みたいなコスチューム、とても可愛かったです。
いくつもの世界が重なってどうしたという設定はちょっと難しくてよくわからなかったし、細かいことを言えばすべてが気に入ったとは言わないけれど、それをどうでもいいと感じるくらい面白くて、格好良くて、戦闘の迫力も、なんとなく青春ぽい感じも、良かったです。
僕はレビューにわりと理屈っぽく辛口の評価をつけることが多いと自認しているんだけど、今回は文句無しに星5つ付けます。
これはBlu-rayが出たら買わなきゃ。
というか、その前にレイトショーの最終回を観に行って、上映後には売店閉まっていたので、パンフレットを買うためにもう一回観に行かなきゃ。