「自分はどう考えるのか、を無意識に試されている」ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
自分はどう考えるのか、を無意識に試されている
毎日親の介護に追われている人と、ふたり暮らしの親とずっと会ってない人では、当然本作に対する観方も思いも違ってくるだろう。
もしかしたら、観方も思いも違う人々が本作を観て、年老いた両親と子の関係についてそれそれに振り返りをすると考えればわかりやすいと思う。
そこに老々介護をさせてていいのかと見るか、核家族の実態とはこうなのかと見るか、親孝行とはそもそも何なのかと見るか、親に対する不義理を憂うか。それは人それぞれ自由というのが前提。
なぜなら、親子の介護の問題に正解はないから。どうすれば善かどうすれば悪かも判断できないから。
あくまでも当事者の家族の問題であり、仮に映像にしたとしても、ほんとうのところは誰にもわからないから。
その前提があって、本作は初めて観る価値があると思う。一番いけないのは、本作の親子の現状と観る側の現状を比較して、ただ批判することだと思う。
誰しもが避けて通れない道であり、監督の意図は意図として、自分はどう考えるのか、を無意識に試されていることを忘れてはならない。
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