「【人生最終章での、夫婦愛の究極の姿を描いたドキュメンタリー作品。老老介護、認知症など重いテーマを扱いながら、深い感動に包まれる作品。】」ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【人生最終章での、夫婦愛の究極の姿を描いたドキュメンタリー作品。老老介護、認知症など重いテーマを扱いながら、深い感動に包まれる作品。】

2022年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

ー 当たり前だが、人間には寿命がある。だが、それが尽き掛けた時、傍に大切な人がいれば、それは安心だろう。本望だろうと思う。-

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・一作目は、監督の明るい母、文子さんに焦点を当てた作品だった。
だが、今作は読書家で、スーパー愛妻家でもある父、良則さんに焦点を当てている。
残念ながら、文子さんの認知症が進んでしまい、入院期間が長かったからである。

・驚いたのは、前作では余り家事をしなかった良則さんが、妻の病状が悪くなっていくにつれ、自分で一通りの家事をする姿である。
 齢、90歳を超えつつも、手で洗濯をし、遠きスーパーへ買い物に出かける姿。
 そして、常に漂わせる、ユーモアと素敵な笑顔。

・更に驚いたのは、文子さんの病状が更に進み、長期入院となった後、毎日一時間掛けて病院へ通い、妻に話しかける姿である。
 そして、自分まで倒れてはいけない・・、という想いからか、98歳!で、筋トレまで始めるのである。
ー あの行動は、ナカナカ出来るものではない。尊崇の念さえ、覚える。-

・旺盛な食欲を保ち、且つ妻を想う気持ち・・。
ー 同じ、男として尊敬に値するどころか、”参りました‥”と言う気持ちで、スクリーンを観てしまう。-

<目を閉じた、妻に掛けた”長い間、有難う・・。”という言葉の重みは、このご夫婦の究極の愛を観ている側にとっては、心に響く。
 いつの間にやら、涙が出ている・・。
 人生の大先輩のお二人の生き様は、見事の一言であると思います。>

<2022年6月5日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU