恋は光のレビュー・感想・評価
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東西南北それぞれの個性が響き合う
思いを伝えるシーンは、どれも美しくて泣けてきます。
恋する心は尊く美しい。ネガティブな感情ですらエネルギーに満ちている。
漫画原作なので、頭の良い二人の考察がアップテンポで繰り広げられる映画をイメージしていましたが、ちょっと思っていたノリとは違っていました。
上手く言えませんが、浮世離れしたキャラクターがデフォルメされることなく、地に足がついている感じ。
とくに東雲さんが存在していてすごい。
むちゃくちゃ可愛くて真っ直ぐで、好きにならずにはいられません。
それが証拠に女子同士も、不思議な距離感で繋がっていきます。
本人たちは至って真面目で、恋について持論を展開しますが、面白い着眼点に「なるほどなぁ。」と感心します。
恋とはなんぞや?
人を好きになるメカニズムの分析から始まるのですが、
相反する部分に気づいたり(似ているから好き/違うから好き)
恋するが故のネガティブな側面を知ったり(思いが強くて苦しくなったり、嫉妬からくる怒りや悲しみ)
そして恋の定義についても、恋愛感情だけにとどまらない恋の多様性に気づいていきます。
そんな考察を重ねるうちに、どんどんお互いの距離が近くなり、恋する心を体感していく過程にキュンキュンしちゃいました。
面白い着眼点(引き出し)を沢山持っているから、目の前の相手を肯定していける。
嫌な女の行動も、本能や動物行動学的に肯定しちゃう。
ようは、少し角度を変えて見れば自分とは異なる人の存在も認めることができるのです。
(ファーストシーンも、ひどい出来事のはずなのに描き方を変えているから非常に美しい)
考え方や捉え方の違いは、むしろ新しい発見に繋がる。
そして、自分と向き合ってくれる相手がいる喜び。
対話を重ねてコミニュケーションを取るうちに、4人はお互いに影響を与え合い、今まで知らなかった感情に気づいたり、今まで諦めて蓋をしていた気持ちに向き合ったり…それぞれが成長していく物語でした。
追記:校正って、ひどく上から目線で嫌な作業だと思っていました。
人の書いた文章に上から赤で修正していくなんて。
でも本当は、書かれた文章をしっかり読みとって理解した上で、他の人が読みやすいように、書き手と読み手の橋渡しをする作業だったのですね。
人が書いた文章の橋渡しをしていた西条が…ネタバレ自粛
真摯な姿にグッときます。
北代よ……
……から始まる西条と北代の会話が最高だった。
理屈っぽくて堅物まるで明治時代の学生みたいな西条。
思わず吹き出しそうになるのをこらえながらイケメンオーラを消した神尾楓珠さんの演技を堪能。
近頃ブレイク中の彼の振り幅に拍手でーーす!
そして北代がさっぱりしてて誰にでも分け隔てない感じがキュンでした。こんな友達がそばにいたら西条みたいに相談しちゃうよね。
恋してる人がキラキラ光って見える特異体質という設定が漫画なんだけど…
まるで日本近代の純文学を読破したような感覚になるから年齢を問わず楽しめそう。笑
まっ、西野七瀬さん・平祐奈さん・馬場ふみかさん…誰と恋しても最高ですよね〜
大学生姿がめちゃ可愛かった。
私も彼女たちの青春に加えてもらいたいし、一緒に大学生活送ってみたい!
…にしても小林啓一監督は只者じゃない気がする。
キャストそれぞれの魅力を映し出す画がとにかく美しい!!
公開したらまた観に行きたい。
2人の会話が聞きたいから。
理屈っぽい
試写にて。
単なる恋愛映画ではなく、恋愛とはなんなのか、を突き詰めてゆく「恋愛哲学」だかなんだかの映画ってことで捻りが加わってるが、兎に角理屈っぽい。それも、基本的には動きのない台詞での説明のため、だんだんどうでも良くなってくる…まぁそれは原作由来だろうが…、。
話がつまらない訳ではないから、演出としてどうするかをよく考えた方が良かったのでは…?
役者はみな悪くない。特に西野七瀬のナチュラルな感じは良かった。
恋の定義を考える新感覚会話劇
試写会で観てきた。始まる前に神尾さんと西野さんの2人から試写会の観客向けにコメントがあって感動。
最初、登場人物たちがみんなどこか変わっていて、なかなか入り込めないなと思ったけど、観ていくうちにそれぞれの想いとか抱えてきた背景とかが見えてきて、観終わる頃には不器用ながら恋に向き合おうとする登場人物たちが愛おしく思える、恋愛映画なんだけど、なんだか心が温まる不思議な映画だった。
盛り上がりにはちょっと欠けるので見応えがあるとは言えないけど、鑑賞後感がとても良かった、大満足。
神尾楓珠さんの独特な感性を持つ理詰め系陰キャ男子っぷりは見事だったし、なんと言っても西野七瀬さんの透明感は眼福以外のなにものでもなかった。あと、ちょっとだけ出てきてた伊東蒼ちゃん、いつも影のある役が多いけど今回は明るいキーパーソンとなる中学生役やってた、かわいかった。
恋する人が光って見える世界、ちょっとだけ体験してみたいなって思った。
恋とは
恋とは何か?について考えさせられます。「ある感情」に現れる「光」の正体とは?文学的でSFチックな不思議な魅力にあふれた作品でした。沢山の会話に手書きの交換日記など、SNSなどでいつでも繋がれる今ドキの大学生にしては少しズレたキャラ達のコミュニケーション方法が特に良かったです。登場人物全員が幸せになって欲しい!
思わずクスッと笑える会話劇
恋とは何か。と恋の定義について考える映画でお堅くて見づらい映画かと思っていましたが、そんなことはなく思わずクスッと笑ってしまう場面が要所要所にありとても見ていて楽しい映画でした。
恋とは何か…?意外な普遍性と女性同士の連帯も面白い
面白くて深い。無骨なんだけど芯が固くて飽きが来ない。恋をしていることに確かな喜びを感じられる良作。
『殺さない彼と死なない彼女』が好きだったので、最速試写で観れて良かった。前作が丸いとしたら、こちらはカクカクシカジカ。哲学のような輪廻をクルクルと回りながらも、実は普遍的に起きていることなのかもしれないと思ったり。概念として話は進んでいても、そこに愛らしさが滲み、会話劇としての魅力が引き立っている。
また、画角も非常に面白い。物語が奥でも動いており、個々のキャラクターが常に息を宿している。これって意外と難しい気がするし、そこがまたなんか可愛らしい。また、恋の話ではあるが、人と関わりあうから絡まるのであって、難しさが次第に剥がれていく。高いところの議論ではなく、"良くある"部分の延長線なのだ。
加えて、女性同士の連帯も面白い。別に嫌いでもないけど、嫌な部分を露骨に出すわけでもない。同じ人を巡っているのに、嫌悪感が臭わない。そのバランスを上手く取りつつ、現代的な空気を出していく。監督自身もそのバランス感覚が長けているのだと感じる。
主演は神尾楓珠さん。文字を起こしたような語り口で、イケメンを封印しているが、実際そうなのではないかと感じるくらいハマっている。まどろっこしい雰囲気が、普段からそうなのではないかと感じる。
女優陣も見逃せない。西野七瀬さんは監督曰く「普通の中に華を持った人」をキャスティングしたという様に、面倒な西条の良き理解者であり、その中で心が揺れる感じが何とも良い。平祐奈さんは、随分と大人になった印象。文学女子と可憐さが説得力となり、恋の定義に奔走する姿がハマっている。馬場ふみかさんもクールなんだけど少し自分に迷いがある感じがたまらない。
そしてもう一人、伊東蒼さんは圧巻。今回は探さないし轢かれないから安心して観れる(笑)。しかしながら、作品のパートをきっちり自身の色に染めるのは流石の一言。また違った雰囲気が魅力的だ。
自分もようやく恋が走り出した。それもあってか、自分にしては純粋に観れた気がする。また、愛らしいキャラクター像はもう一度味わいたいところ。公開は6月。リピしてみたい。
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