劇場公開日 2022年4月1日

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「タイトルからわからない特殊な前提知識を要求されるという映画…。」シャドウ・イン・クラウド yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5タイトルからわからない特殊な前提知識を要求されるという映画…。

2022年4月3日
PCから投稿

今年93本目(合計366本目/今月(2022年4月度)3本目)。

ここでは低評価が多いですが、前提知識のありなしなのかな…という気がします。

作品単体として見たところ、去年(2021年)だったか、飛行機もので「結婚式に行く→飛行機にのったら飛行機がぶっ壊れて絶体絶命になる」という趣旨の映画(タイトル忘れた…。かなりぶっ飛んだ名前のタイトルだったのは覚えている)と似たようなところがあります。こちらの作品も同じで、長さも結構似ています。

結局のところ、「グレムリン」の正しい解釈を理解していないとワケのわからない映画になるのは避けられないと思います。タイトルからは一切出ませんが…。
いわゆる「ファンタジーもの」「ファンタジー小説もの」というものは、それこそ古代ギリシャやローマのころから出る妖精だのユニコーンだの、もう少し時代が進むといわゆる「エルフ」だの「ドワーフ」だの出てくるのですが、この映画で出てくる「グレムリン」というのは、珍しくも20世紀になって出てきた架空の生き物です。

映画内でも触れられている通り、19世紀末~20世紀になって機械文化が当たり前になり、また飛行機が発明されると、「機械に取りつく妖精・精霊」というものが考えられるようになりました。これがグレムリンです。もちろん架空の生き物ですが、当時はまだ機械・飛行機が黎明期で突然墜落したり不都合を起こすことも多かったので、「飛行機のメンテナンスはしっかりとしましょう」という趣旨で生まれてきたのがこの存在です。また、「メンテナンスをしっかりとしても仕方なく発生する事故」に関しては「グレムリンのせい」という考え方が当たり前になりました。
もちろん映画内ではこれらのことは出るのですが、なにせ「架空の生き物」なので、映画内で出てくる「あのような描写」がグレムリンの正しい描写かというのも誰もわからず(これに対して、たとえば「エルフ」なら「耳が長い」といったことは共通知識としてだいたい認識はされている)、このことも中途半端にしか出てこないので、とにかくわかりづらいです。

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 だから、映画の最初で突如「これアニメ作品だっけ?」というような謎のアニメがはさまる(飛行機の整備はしっかりとしましょう、という趣旨のミニアニメ)のも、このことが関係します。
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このこと(実質、ファンタジー世界・小説の一般知識)を知っていて、その上で「飛行機ものでさくっと観られる映画」という観点があって、何とかなるかな…というところです。このことがないと「謎の生き物が出てくる」「何がなんだかわからない」というところにしかならず、しかも日本ではグレムリンの文化は(ファンタジーゲーム等を除いて)ないので(映画内で触れられるように、もっぱらアメリカ・イギリスなどで信じられていた)、ここはかなり厳しいです。

ただ、これらのことを知った上で単品で90分ほどでサクッと観るなら、そこまで大きな傷ではないのでは…というところです。

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 (減点0.3) 結局、上記のことに尽きる部分があり、「もとになるグレムリンという生き物のファンタジー文化の知識のありなし」という点で大半理解度の差がつくという微妙な論点があり、ここはどうなのかな…とは思えます。
ただ、あることないこと付け加えられないのも事実で、ここはもう仕方がないかなと思います。

 要は日本と日本以外(アメリカ等)では文化の違いがあるということであり、このことにつきます。少なくとも「DAUナターシャ」(3.5)だの「大怪獣~」(3.0)というほど支離滅裂ではないので、どうやっても4.5を下回るようにはつけられないと思います。
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yukispica
いっちゃんさんのコメント
2022年4月4日

「グレムリン」の知識ありがとうございます。参考になりました。

過去映画「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」自分はこれの感じに似てた気がします。

いっちゃん