劇場公開日 2023年12月15日

  • 予告編を見る

「明確にお子さんが見るには厳しい作品かな…」屋根裏のラジャー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5明確にお子さんが見るには厳しい作品かな…

2023年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年438本目(合計1,088本目/今月(2023年12月度)39本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 アニメ作品は見てもレビューはしないほうなのですが、本作品は気になった点がいくつかあるのでそのあたりを中心に…。

 作品の内容そのものはもうすでに多くの方が書かれているのでばっさりカットします。原作小説が別に存在しそれに沿ったものである、という点がまず第一のポイントになります。

 そのため、日本で放映するにあたって、原作小説がイギリスであること等から、アニメの舞台は明確に明示されないもののオーロラがかかったりするシーンからすると北欧が想定されているものと思います。そのうえで「日本語吹き替え版しかない」このアニメは、映画内に日本語が混ざったり英語が混ざったりとぐちゃぐちゃで、その「英語が混ざる」も英国英語(イギリス英語)なのである程度の語彙力が必要で、とてもお子さんが見ても理解はしきれないのではなかろうか…といったところです。英検2級程度の知識がないと字幕もないのでまずそこでアウトという変わった映画です。

 そのうえでさらに気になった点として、この映画の特徴として「いくつか星座の話が出てくる」(「いくつか」といっても2か所程度)割に、その扱いが「ある程度は正確」である割にその分変なところもあり(ふたご座のポルックスは白色ではないし、わし座のアルタイルは位置が変)、一方でそこに突っ込みを入れても、星座の話どころか天文の話にも飛ばないので、そこはお飾り程度なのだろうと思いきや、やはりストーリーの理解という観点では多くの方が指摘されているように苦労する点がありやはり厳しいなぁのひとことです。

 少なくともお子さん単独でみることはまぁ(治安を考えれば)ないと思いますが、かといって大人が見たら理解できるのかというと、英語力で明確におしてくるので(英検2級程度の語彙がないと完全に詰まる展開だし、イギリス文化をある程度前提にされてしまう)厳しいところです。正直ここでも評価が割れるのも納得だなぁ…といったところです。

 採点に関しては以下を考慮したものです。

 -------------------------------------------------------
 (減点0.3/日本で見ることがあまり想定されていない)

 ・ イギリス英語にはじまる「ある程度の読解力を前提にする」展開であることも厳しいのですが(英検2級以上ないと詰まる展開…)、さらに星座の話は一応「描写だけされる」ものの正しくなく(ポルックスの色違い、アルタイルのある場所が変など)、天文関係(なお、ほか、土星?を想定したような描写や、天体望遠鏡等は出てくる)、どの筋で見たらよいのか(まぁ、日本語が出たり英語が出たりなので、リアル「どこかの国」を想定した「架空の世界」だと考えるしかないが、そうすると妙に星座関係の描写が明確なのに1等星の色が違うなど突っ込みどころも多い)かなり微妙になってしまいます。

 ただ、人を不愉快にするような発言はほぼもって存在しないので、採点上も考慮したものです。
 -------------------------------------------------------

yukispica