劇場公開日 2022年4月29日

「そこそこ医療系の知識にアンテナを張っていないと(未履修組は)混乱するかなぁ。」劇場版ラジエーションハウス yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5そこそこ医療系の知識にアンテナを張っていないと(未履修組は)混乱するかなぁ。

2022年4月29日
PCから投稿

今年121本目(合計395本目/今月(2022年4月度)31本目)。

テレビ版もあるようですが、見ていないほうです。

映画のストーリーとしては、大きく分けて2部に分かれるかと思います。病院内で起きるできごとと「病院の外で」起きるできごととの2つですね。

医療系知識がないと「まるで何がなにか不明」ということは起きづらい一方、「脳と内臓などをつなぐカテーテル」等の知識は持っていないと説明がないので???な展開になってしまいます。

さらに、妙にマニアックな知識を要求されるのが「放射線技師」と「放射線医」の区別であり(日本では各種法律で区別されています)、この知識を持っていないとさらに「この2つはどう違うのか」ですら混乱します。実際、日本のリアル事情を見ても、看護師(准看護師)は「医師の指示を受けて」各種行為を行える扱いですが、それも形骸化している部分もあり、それらはもうどこもそうなってしまうので(厳密に法を順守すると、病院/診療所はまわらない状況と化する)、みかけに反して難易度はかなり高めです。

特に「ミステリーもの」「謎ときもの」ではないものの、結局のところ「病気の正体は何か」などの話をすると一瞬でネタバレであり、これらを初日から書くのもどうかなと思ったので、控えめに。

  ▼ 事前に知識を得ていると有利なもの
  ・ 上記の「放射線技師」と「放射線医」の違い
  ・ MRIやCTスキャンなど、これらの現場で用いられる技術の一般的な理解

採点は下記のようにしました。
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 (減点0.3) この映画を「どこで区切るか」は考え方の差はあると思いますが、上記の通り「病院内でのできごと」と「病院外でのできごと」の2つに大きく分けるのがまぁ一般的かなと思います。
そこで「(正体不明の)病原菌がどうだの」という話が出てくるのですが、これらを管轄するのは保健所ですが、保健所の話は一切出てこず。さらに謎なことに、医療現場で最もメジャーな存在である「看護師」でさえ一切出てこないという謎の展開…。

 まぁ、タイトル通り「放射線技師・医」をテーマにしたかったというのは理解はしますが、リアル日本において「看護師」が一切出てこないというのも珍妙な状況であり(助産師がでない、という指摘とは違う)、やや配慮は足りないかな…という気はします。

 (減点なし/他事考慮) ラスト、エンディングのクレジット表示なのですが、背景の描写(映画のNGシーンか何かを集めたもの???)と同化して、文字がほとんど見えない部分があります。これもどうなのかなぁ…と思います(協力した方にとっては、ちゃんと表示してよ、という主張は成り立ちうるので)。
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yukispica