「【”医は仁術也” 様々な”難壁”を乗り越え、放射線技師や医者が人命を救うために、日夜奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。今更ながらに、医療に従事している方々への尊崇の念を深めた作品である。】」劇場版ラジエーションハウス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”医は仁術也” 様々な”難壁”を乗り越え、放射線技師や医者が人命を救うために、日夜奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。今更ながらに、医療に従事している方々への尊崇の念を深めた作品である。】
ー 原作やドラマを見ていないので、ストーリーについて行けるかなあ、と思いながら劇場に行ったが杞憂であった。
クスリと笑えるシーンも随所に織り込みながら、沁みるシーンも多くって・・。-
◆感想
1.臨月の妻ナツキを定期診察のため、「甘春総合病院」へ車で連れて行くケイスケ(山崎育三郎)の車に酔っ払い運転の車が正面衝突するシーン。
- 冒頭の講義で及川教授(高橋克実)が、説明するトリアージ(最初に処置すべき患者を決める事)。問いだされてオタオタする新人、裕乃(広瀬アリス)の背後に現れた五十嵐(窪田正孝)の”状況によって、トリアージは変わる・・”と言う言葉が効いている。
ベテラン医師は酔っ払い運転をした愚かしき男から処置をする。内心、それはオカシイだろう・・、と思ったが医療の世界のトリアージについて学ぶ。刑法とは違うんだな・・。それに憤ったケイスケの取った行動。(そりゃ、そうだろう。私でも同じ事をするぞ)けれど、ベテラン技師小野寺(遠藤憲一)の機転で、ケイスケは犯人としては扱われず、無事に子供の出産を見届ける事が出来る。奥さんは残念だったが・・。-
2.初めての手術に臨む新人、裕乃。そしてオペが上手く終わりチーフ医師(和久井映見)が、彼女に掛けた労いの言葉。
- 成程、この映画は若い技師の成長物語でもあるのだね・・。-
3.アメリカ留学予定の杏(本田翼)の元に、母(原日出子)から、父危篤の連絡が入り、彼女は急遽、父の診療所に飛ぶ。
- 臨終間際に、父が彼女に言った言葉。そして、島民の多くが心配そうに父を見る姿。
”医は仁術である”と言う言葉を思い出す。立派なお父さんだったんだね。少し、沁みる。
で、ここで初めて五十嵐は杏の事が好きなんだ、と分かる。
けれど、最初から五十嵐は杏がアメリカに立つ日をカウントしていたなあ・・。-
4.杏を歓待してくれた島の叔母さん(キムラ緑子)の胸の痛みの原因を、踵のレントゲン写真から五十嵐が当てるシーンも、医学用語満載であるが、面白かった。
5.大型台風が襲った後の、杏がいた島で急に多数の島民が起こした原因不明の腹痛。”井戸水”が滴るシーンが頻繁に描かれていたので察しは付いたが(隣のご夫婦は小声で言っていた・・)医療映画で、こういう分かり易い見せ方も良いモノである。
- 何より、五十嵐が風評被害を案じる甘春総合病院院長(高嶋政宏)の反対を、職を辞する事で跳ね除け、島に向かうシーンが良い。そして、ラジエーションハウスの面白き同僚たちも職を辞して追って来て、島の桟橋に降り立つシーンは沁みたなあ。
そして、院長の計らいにより遣わされた医師達。技師が予め原因を推定し、医師が処置をする。そのプロセスが上手く描かれている。
6.ラストも、佳きシーンであった。
- 五十嵐と杏は、小さい頃からの仲良し何だね。-
<鑑賞中は、屡、目が潤み、そしてクスリと笑い、鑑賞後は大変爽やかな気持ちになった作品。
そして、今更ながらに、医療に従事している方々への尊崇の念を深めた作品である。>
今晩は。
この映画でも、みなさまのレビューで色々な受け止め方があることが分かり、楽しく勉強させていただいてます。
旅行ができなくても、精神的な充足は得られる❗️ということですよね。
私は前半の圭介の行動も、安直な脚本に思えてしまったので、その時点ですでに引き気味でした。そこからの感染症対応における院長だったので、他のいい部分がすべて相殺されてしまいました。
とても勿体なくて残念でした。