「近年最良事件だったよ、コナンくん」名探偵コナン ハロウィンの花嫁 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
近年最良事件だったよ、コナンくん
劇場版名探偵コナン25作目。
今回の興行成績は97・8億円。毎年成績を上げ続け、前作は一年延期やコロナなどの事情で一旦下がったが、またしても更新。
100億円突破は時間の問題。いよいよ今年の新作かな…?
いつも言ってるが、『コナン』はTVアニメを見なくなって久しく、劇場版だけ一応見てるようなもの。
なので、どちらさん?な登場キャラやTVアニメと絡む話になるとついていけなくなる事など、ちょくちょく。
今回もまさにそう。警察学校同期メンバーが話に絡む。
って、誰の同期…?
高木刑事…? 佐藤刑事…?
ではなく、『ゼロの執行人』の時メインキャラだった公安所属の安室。
彼と、すでに殉職している彼の刑事学校時の同期メンバーたち…。
経緯やそもそもメンバーすら知らないし、この時点で今回はもう降参と思っていたら…。
意外や、今回の『コナン』は面白かった!
その同期メンバーについては、劇中で簡潔に説明。安室、松田、伊達、諸伏、萩原。
回想シーンで、彼らが関わった今回の事件と絡む事件。
これら、非常に助かった。お陰で話に入り易くなった。(寧ろ、彼らのドラマを見ていたいと思ったほど)
今回の事件は…
脱獄した爆弾犯を追っていた安室は、仮面の人物に首輪爆弾を付けられてしまう。
警視庁前で外国人男性が爆死。遺留品の中に、故松田刑事の名刺が…。
目暮警部の同僚だった村中元刑事の結婚式に、謎の脅迫状が。
謎の仮面の人物は、ロシアを拠点に暗躍する連続爆弾魔“プラーミャ”と判明。
エレニカをリーダーとするプラーミャに復讐を誓うロシアの民間組織。(白石麻衣、ロシア語頑張った!)
本筋の事件と過去の事件。安室ら同期メンバー、佐藤や高木ら現役刑事たち、対するプラーミャ、追うエレニカら。そして、コナンたち。
それらが交錯。時々劇場版コナンは構成や設定を入り組み、練られたミステリー・ストーリーと期待するも、しっくり来なかったり肩透かしの場合が近年多いが、今回は話も非常に面白かった。
本筋事件はなかなかスリリングで、過去事件もプラスポイントに。
過去と現役の刑事たちの奮闘。
勿論コナンくんも活躍。にしてもロシア語まで分かるとは、完全無欠過ぎっ!(苦手なのは歌だけ)
エレニカの復讐の動機。悲しさ煽るものがある。ついつい思ってしまった。現状の戦争が長引けば、双方の罪もない民間人にエレニカのような悲劇を持つ人たちが…。
プラーミャは何者か…? 犯人に目星が付いた所で、真犯人は何となく分かったが、今回の真犯人は劇場版コナンの中でも特にの非情犯。声を当てた“赤○リ○コ”の凄演。(←ネタバレだけど)
劇場版は専らコナンくんの超人アクションになってきているが、勿論今回も大掛かりなアクションはあるが、ストーリーやサスペンス重視。ここが、見応えあった。
アクションの見せ場は、クライマックスの渋谷を狙った爆弾テロ。仕掛けや防止策はちと無理あるかもしれないが、これまでのリニアモーターカー・アクションやダイブ・アクションや超サイヤ人化アクションに比べれば許容範囲。それに、とち狂った奴なら本当に起こし得そうな恐怖感もあった。
いつものくどい「蘭ー!」「新一ー!」が無かったのも良かった。この件、本当に飽き飽きしている。
ポスターなどでは、佐藤刑事と高木刑事が遂に結婚?…みたいに煽るが、まあお察しの通り。最後の○○で許してあげて。
ところで、ハロウィンにする必要、あったの…?
ちょいちょい気になる点もあったものの、間違いなく近年BEST! 個人的には、劇場版の中でも特に。
劇場版コナンの採点はいつも2・5~3の厳しめだが、今回は面白かったし、初の3・5あげちゃおう!
今年の新作は灰原や黒の組織絡む話になるようだが、今回みたいに巧く見せられるか、それともいつもながらのファン・ムービーになるか…?
今回、ロシアが絡むのは奇遇としか言いようがない。製作時、まだウクライナ侵攻は始まっていなかった(2021年辺り)。ウクライナ侵攻が2022年2月、公開は同年4月。急遽の変更も出来なかった筈。
劇中でロシア人らと協力するシーンにロシアを良く描くな!…なんて声もありそうだが、先述もした通り、平和や戦争終結を願っているロシアの民間人も多い筈。愚かなのは、プーチンと彼に忠誠を誓う軍だけ。
皮肉にも一年延期となって昨春公開となった『ドラえもん』は現状の戦争を彷彿。
これらは奇遇か…?
日本のアニメからだって訴えている。
(最後は作品と関係ない事になってしまって失礼。ふと思ってしまったので)